ドラマや映画、舞台などマルチに活躍する、ワタナベエンタ―テインメントの『俳優集団D-BOYS』。そんな彼らのDramaticなDream Lifeに直撃する連載企画！ 今月は、6月4日より開幕予定のA New Musical『ゆびさきと恋々』に出演する前山剛久くんが登場。俳優デビュー10周年となる今年、数多くの出演作が控えている前ちゃんに、これまでの10年、そして今後の新たな挑戦について、たっぷりと語ってもらいました★

――今年でデビュー10年になりますね。これまでを振り返ってみて、どのように感じていますか？

前山剛久「芸能の仕事を始めたばかりの頃は、将来、自分がどういったジャンルの仕事をするのか、あまり明確にイメージしていなかったんです。デビューはミュージカル『忍たま乱太郎』で、いわゆる2.5次元と言われる舞台作品でしたが、当時は、このジャンルがこんなに大きくなるとは想像もしていませんでした。当時は、新人としてはまず、ミュージカル『テニスの王子様』や特撮への出演を目指し、そこから映像の仕事など幅を広げていく、みたいな流れが若手俳優の王道という印象だったんです。でも、今は道筋のバリエーションがすごく増えている。選択肢が多くなってチャンスも増えたことで、僕もいろんな現場を経験してきましたし、刺激をもらっています」

――2.5次元作品が盛り上がっていく、真っ只中を駆け抜けてきた。

前山剛久「そうですね。『仮面ライダーウィザード』を経験したあとも、僕は2.5次元舞台がやりたいと思っていたんです。アニメやマンガも好きですし、もともとは歌がやりたくて芸能界を目指したので、歌もできる2.5次元作品の、環境も自分にとっては非常にありがたかった。この10年間のエンタメ界の変化が、自分のやりたいこととリンクしていたのも幸いでしたね。ミュージカル作品にしても、以前より間口が広がっている気がするんです。ミュージカルソングが地上波の音楽番組で披露されるというのも、ここ最近の流れだと思うので」

――前山さんは映像も舞台も両方やっていて、そして舞台も様々な種類の作品に出演してきました。いくつかあるとは思いますが、特に転機だったなと思うのは？

前山剛久「その質問、いつも迷ってしまうんです（笑）。聞かれるたびに違う答えを言ってしまってるかもしれないのですが、確実に、『仮面ライダーウィザード』は大きな転機だったと思います。憧れていたライダー作品に関われたこともそうですし、１年間、同じ役のことを考えて過ごすというのは、なかなかないことですから。それに悪役の魅力にも気づけましたしね。芝居の面では、シェイクスピア作品も転機になりました。2.5次元作品にしても、『あんステ』（『あんさんぶるスターズ！オン・ステージ』シリーズ）や『刀ステ』（舞台『刀剣乱舞』シリーズ）など、転機というキーワードでいくつもの作品が浮かびます。『ヒプノシスマイク』（『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage）も本当に楽しかった！ 音楽とダンスでひたすらカッコ良さを追求するのもいいなと思いましたし、ダンスの楽しさにも目覚めたので」

――転機、たくさんありますね！

前山剛久「そうなんです。本当に、全ジャンル通ってきたんじゃないかってくらい、バリエーションに富んでいるので（笑）。ストレートの舞台も小劇場から中、大きな劇場までやっていますし、ミュージカルに2.5次元、特撮、映像と関わらせてもらって、本当に貴重な10年だったなと。頭で整理し切れないときもありましたが（笑）」