D-DAYS vol.147 陳内将×宮崎秋人
2020/05/05
「やりたいと思った瞬間が、何かを始めるタイミング。まずはその一歩を踏み出してみてください」
――インスタライブとか見ていても、“みんなを楽しませたい”みたいなエンターテイナー精神はすごく伝わってきます。
陳内「昔から、人を笑わせることとか好きだったので。だって、僕が上京するってなったときに、同級生のお母さんたちはみんな、僕が芸人になるものだと思っていたみたいで。『違う、違う!!』ってなりましたから(笑)」
宮崎「僕もこの期間で、ファンの方のコメントとかを見ていて、求めてもらっているってありがたいなと感じています。SNSなどで、『早く舞台に立つ宮崎を見たい』って言ってもらえたり、誰かに求めてもらえるっていうのは、この仕事ならではなのかなってすごく感じました。その分、改めて責任っていうのも感じますが、結局、人間は承認欲求の塊ですからね。そういうファンの方の声だったり、求めてもらえているんだっていうことが原動力にもなっています」
――役者人生振り返って、自分にとって一番の転機っていつだと思いますか?
陳内「一番の転機は養成所に通いながら、D-BOYS STAGE vol.2 『ラストゲーム』のアンサンブルで出演したこと。あれはすごく大きな経験だったなって思います。演出の茅野イサムさんにめちゃくちゃ厳しく指導していただいて。あそこで心折れていたら、たぶん今自分はいないと思う。でも、その経験をしたからこそ、やっぱり現場は生半可な気持ちじゃいけないっていうのを養成所に持ち帰れた。先輩たちの表現力にも圧倒されたし、“いつか今度は自分がメインキャストとして青山劇場に立つ!”っていう目標もできて。その6年後に、もともと茅野さんがいた扉座の『怪談・にせ皿屋敷』で、メインキャストとして青山劇場に立つことができたんです。メインで青山劇場に立つっていう目標もクリアしたし、恩師のゆかりあるものでやれたっていうのが、恩返しじゃないけど、少しずつステップを踏めていけたのかなって思います」
宮崎「僕は『光より前に〜夜明けの走者たち〜』ですね。あれをやれたこと、そして円谷幸吉さんと出会って、その役を演じる責任感を感じたり、たくさんの経験をすることができた。それに、いろんな方が足を運んで見てくださって、そのおかげで『HAMLET-ハムレット-』や『阿呆浪士』をはじめ、今やっている仕事の多くがそこから繋がっていて。あれほど、いろんな意味で自分を追い込んだ作品もないなって思いますし、自分の中で転機なった作品です」
――では、それぞれ最新のお仕事のお話も。まずは、5月10日から放送スタートのドラマ『CODE1515』に出演する陳内さん。久しぶりとなった連続ドラマの現場はいかがでしたか?
陳内「杉本達監督はキャスト全員を“若手”という風にみているから、全員に平等に厳しく指導してくださって。本来ならば、30歳をすぎた役者ってあまり言われないけど、僕はいろいろと言ってくださることがありがたいなと。『今の動きは舞台でセリフを言うときの感じに見える。そのままでいいんだよ』とか、明確に映像の芝居の注文を言ってくださるので、僕らは杉本監督が原案・脚本・演出をやる作品に全力で乗っかっていったほうが勝ちだなと。なおかつ、1つ注文を言われたら、後半では10超えて返してけるようになればいいなと思いながらやっていました。監督ともすごく良い関係性でやれて、最初の頃は何をやっても『違う』って言われていたけど、最後のほうは『このシーンは陳内がOKだったら、もうOKだよ』って信頼してくれていて。こういう風に一緒に作品を作り上げるっていうのも、また芝居の醍醐味だなっていうか、少し大人になってこれたのかなって思いました」
――演じる昴巧に対しては、どんなキャラクターだと思いますか。
陳内「昴巧は報道番組のディレクターで、ちょっとチャラついて見せたりする部分はあるけど、根っこの部分にあるのは、“報道陣たるや真実を追求したい”という想いなんです。あとは誰よりも仲間想いなんだけど、不器用だから、“そういう言い方しなかったらもう少し円満になるんじゃないの?”っていう、誰よりも人間らしい男だなと思う部分もあって。僕は本を読んだときに、一番感情移入しやすいなと思いましたし、演じていて楽しかったです」
――この作品のどんなところに魅力を感じましたか?
陳内「面白い仕掛けがいっぱいあるし、未来人のやり直しを僕らが叶えるっていうのを10話の中で描くのですが、そのパターンが1個も同じじゃないから飽きないと思います。それと、過去で1つ何かを変えたら未来の歴史が変わってしまうみたいな論争ってあったりするじゃないですか。それに対しての主要人物の想いが全員違っていて、未来人に対しての価値観や、やり直しに対する道徳心の差とか、みんな微妙に違うので、それも面白いと思います。あと、僕と赤澤燈っていう点だけでいくと、燈が演じる橘は一応、僕が演じる昴の上司で、昴は橘に敬語を使っているんだけど、橘は昴のことを舐めているというか高圧的な態度で接してくる役なんです。僕は台本を読んだときに、それだけで笑いました(笑)。なんで、また年上の役なんだよ!!って(笑)。まあ、でもマジで予想を裏切るような展開もあったりすると思いますし、ストーリーもすごく面白いので、楽しみにしていてください」
――そして宮崎さんは映画化もされた、舞台『アルキメデスの大戦』が6・7月に控えています。
宮崎「この話をいただいたときに、絶対にやりたいって思いました。映画も好きでしたし、戦艦大和を題材にした作品は好きなので、ほかも見ていたりするけど、ああいう角度で戦艦大和を切り取った作品は新鮮でしたし、面白いなって思っていて。それと、主演の鈴木拡樹くんと久しぶりに共演できるっていうのもすごく大きなポイントで。ずっとお世話になった人ですし、最後に共演してから4年くらい空いて、自分がこの人にどう映るんだろうっていうのがすごく楽しみ。ほかにも初共演の方々も本当に素敵な方たちばかりで、作品としても最高なものになるだろうなというのと、役者個人としてもすごく良い経験になるだろうなって思っています」
――演じる田中正二郎に対してはどんな想いが?
宮崎「軍人らしい軍人だなって思います。そこから拡樹くん演じる主人公・櫂直と出会って、一番変化していく人間だと思います。そこのグラデーションをどう綺麗に見せようかなと。どこでどう変わっていくのかっていうのは、ちゃんと自分でキャッチしないと上手く演じられないだろうなと思うので。演出の日澤(雄介)さんと少しお話をしたときに、『芝居に関しては、あまり言うほうではないから、好きにやって』というようなことを言われていたので、とにかく素直に演じようとは思っていますが、“軍人”というのが役に1つ乗っかってくるので、あまり体を使って表現はできないだろうし、そこの制約の中でどう演じていこうかっていうのを今は考えています」
――脚本や映画に触れた際、どんなところに魅力を感じましたか?
宮崎「1つの目的をもって、あそこまで熱くなれるっていうのは素敵だなと。そういう作品や熱い人が好きなので。みんなそれぞれの正義のためにやっている人たちで、全員が“日本のために!”と思ってやっているけど、1つのことを考えているのに、こうも考え方が違って摩擦が起こるんだなと。それって、戦争や戦艦大和が題材だからっていうことではなく、今の日常でも転がっていることなんですよね。そういうことが感じられる作品だったので好きだなって思いました」
――では最後に。現在ワタナベエンターテインメントでオーディションを開催中ということで、お二人から応募者への応援メッセージをお願いします。
陳内「これまでも何回か言っているかもしれませんが、食わず嫌いをしていると、その美味しさを気づくことができないので、なんでも挑戦してみることが大事だと思います。ちょっとやってみて、やっぱり自分には合わないと思ったら、違うことをやってみればいいだろうし、合わないと思っていたけど1回やってみたら癖になってハマっちゃうっていう可能性もあると思うので、食わず嫌いをせずに、その一口目を楽しみに、ぜひ飛び出してみてください」
宮崎「最近本を読んでいて刺さった言葉が、『はじめに行動ありき』という言葉で。これは、僕が前に『冬の時代』に演じていた大杉栄の言葉なんですが、ちょっとでもやりたいという想いがあるなら、まずは行動することが大事なのかなと。やりたいと思った瞬間が、何かを始めるタイミングだと思います。オーディションに応募するっていう行為自体は何も難しいことではないし、どんなことに対しても何かを始めるっていうことは難しくなくて。一番難しいのは続けることなので。何か始めたら、きっと仲間も増えるし、理由もあとから出てくると思うので、まずはその一歩を踏み出してみてください」
D-BOYS陳内将が、オーディション応募者へ応援メッセージ
D-BOYS宮崎秋人から、オーディション応募者への応援メッセージ!
陳内将(じんない・しょう)●1988年1月16日生まれ、熊本県出身。ミュージカル『テニスの王子様』、ドラマ「特命戦隊ゴーバスターズ」などで注目を集め、2015 年には、映画「ガチバンNEW GENERATION」で主演を務めた。その他の主な出演作に、『HiGH&LOW』シリーズ、『文豪とアルケミスト 余計者ノ挽歌』、MANKAI STAGE『A3!』夏組リーダー:皇天馬役など。7、8月には東映ムビ×ステ舞台「死神遣いの時間帖〜鎮魂侠曲〜」に出演。
宮崎秋人(みやざき・しゅうと)●1990年9月3日生まれ、東京都出身。舞台『PHOTOGRAPH51』、ドラマ『マジで航海してます。〜second season〜』(MBS・TBS)、ドラマ『ヒーローを作った男 石ノ森章太郎物語』(日本テレビ系)、舞台『光より前に〜夜明けの走者たち〜』、音楽劇『マニアック』、ドラマ『つばめ刑事』(ひかりTVほか)、舞台『COOCON 月の翳り星ひとつ』、『HAMLETーハムレットー』、パルコ・プロデュース『阿呆浪士』、unrato#6『冬の時代』など。今後、映画『私がモテてどうすんだ』(7月10日全国トードショー)の公開が控える。
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BSフジ『CODE1515』
2020年5月10日(日)スタート 毎週日曜 深夜24:00〜
BSフジがお送りする完全オリジナルドラマがこの春スタート!出演は今注目を集める若手俳優たち。
3人のTVクルーが、奇妙な人形と暗号を発見。
その暗号に導かれ、3人は25年後の世界から来た未来人たちと出会い、彼らが後悔している出来事の“やり直し”を手伝うことに−。
この行動は誰かを救うことなのか…それとも…?
“過去のやり直し”を通して、“未来”とは、“今”とはなにか、を見出していく。
陳内は、報道専門ネットTV局「チャンネル88」に所属する、ディレクター・昴巧を演じる。
舞台『アルキメデスの大戦』
東京公演:2020年6月30(火)〜7月16日(木)シアタークリエ
広島公演:2020年7月19日(日)呉信用金庫ホール(呉市文化ホール)
静岡公演:2020年7月21日(火)清水文化会館マリナート
愛知公演:2020年7月25日(土)〜26日(日)御園座
大阪公演:2020年7月29日(水)〜31日(金)メルパルクホール大阪
数学者の視点から第二次世界大戦を描くという、かつてない切り口の漫画『アルキメデスの大戦』は、『ドラゴン桜』や『インベスターZ』などユニークな作品で鋭く時代に斬り込んできた漫画家・三田紀房によって生み出された。戦艦大和建造の是非をめぐって繰り広げられる、息もつかせぬ攻防戦。
大阪公演:2020年7月29日(水)〜31日(金)メルパルクホー
舞台化にあたって脚本と演出を手掛けるのは、読売演劇大賞をはじめ数々の演劇賞を受賞し、いま演劇界が最も注目する劇団のひとつ、劇団チョコレートケーキのクリエイター陣。独自の視点で史実に隠されたドラマを紡ぐ古川健の脚本と、骨太な作品の中に人間の心情を丁寧に描く日澤雄介の演出によって、2020年夏、舞台『アルキメデスの大戦』が劇場で幕を開ける。
大阪公演:2020年7月29日(水)〜31日(金)メルパルクホー
宮崎は、戦艦大和建造反対派の一人の海軍少尉・田中正二郎を演じる。
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