――今さら感もありますが、お互いの第一印象についても振り返っていただけますか。

荒木「D-BOYSオーディションのときは、あまり覚えてないんだけど、その後に受けたミュージカル『テニスの王子様』のオーディションのとき、休憩所にいたら、小鳥みたいな頭のやつが来たんですよ」

鈴木「あ〜それ俺ね！（笑）。荒木に関しては、D-BOYSオーディションでファン投票みたいなものをやっていたから、ファイナリストの写真がネットに出ていたし、荒木の顔は覚えていたんだよね。それで、『テニミュ』のオーディションのときも“あっ、あのときのロン毛の人だ！”って。荒木は一人だけ、アンニュイな感じというか、すごく冷静だったよね。みんな必死な感じで前のめりになっているのに、この人は『眠い』とか言っていて。でも、さっきの話を聞いて、合点がいったわ。荒木は、すでに現場も経験していたし、意識が僕らとは違っていたんだなって思った」

荒木「その時は大阪から来ていたから、寝不足だったこともあり、気だるさMAXだったと思う（笑）。そのときの鈴木は、アカペラで尾崎豊の『I LOVE YOU』を歌っていて、その姿は鮮明に覚えている」

鈴木「自分のことながら、何回聞いてもおもしろいわ、このくだり（笑）」

荒木「しかも、一人芝居をしながら歌ってたよね（笑）」

鈴木「そもそも作品のオーディション自体が初めてだったから、ある種、大喜利みたいに思っていたんだと思う。たくさんの人たちが自己PRでいろんなことをやっている中、自分は特技も何もないから、とにかくおもしろいことをして目立たねば……と、ふざけたんでしょうね（笑）」

荒木「『1分間で腕立て伏せ100回できます』って言っておいて、『でも、あんまり時間がないから50回やります』ってやっていたよね？」

鈴木「そんなのやってた？ よく覚えてるなぁ〜」

――そんな鈴木さんのアプローチを、荒木さんはおもしろいなと思ったんですか？

荒木「いや、まったく」

鈴木「少しは思え〜！（笑）」

荒木「でも、印象には残ったよ。へぇ〜そんな風なアプローチをするんだ？って」

――以前のインタビューで、D-BOYSオーディションで落ちたあと、『テニミュ』に受かってからD-BOYSに追加メンバーとして加入した、“幻の1.5期生”だとおっしゃっていましたが、ズキアラが生まれたのは、いつぐらいから？

荒木「僕らは一緒にD-BOYSに入った唯一の同期で、追加メンバーの鈴木と荒木として取材を一緒に受けることや仕事する機会が多くて、いつのまにか“ズキアラ”としてファンの方々にも浸透していった感じですね」

鈴木「『テニミュ』が終わって、D-BOYSとしてのイベントをやったりしていたころからだと思う」

――ずっといい距離感のズキアラですが、ギクシャクした時期もあったのでしょうか。

荒木「最初のうちはそんな感じでしたよ。『テニミュ』のときは、鈴木のほかにも、うちの事務所から和田（正人）さんや加治（将樹）とかも出ていたけど、僕は他のメンバーともつるまず、一人でいることが多かったし、あまり関わりが無かったからね。鈴木とかはテニミュが初仕事だったこともあって、稽古に対する認識の甘さというか、稽古直前に来てアップも何もしないまま稽古に参加することがあったりして、そういう姿を見て、ちょっとした違和感を覚えていた時期もあったんです。でも、稽古や本番で長い期間一緒に過ごしていく中で、彼らの瞬発力や舞台上での爆発力を目の当たりにして、純粋にすごいなと思ったんです。この人たちはオンとオフがしっかりしているんだなと。その辺から、自分から話しかけるようになっていったんだと思う」

――鈴木さんは、荒木さんに対して近寄りがたいなと感じたことは？

鈴木「（ケロッと）いや、全くないっすね！ こういう話は割とよくするんだけど、僕は荒木に対して、ネガティブな感情を持ったことは一度もなくて。確かに、最初は親しくはなかったけど、あんまり気にもしてなかったな。荒木のほうから歩み寄ってくれたっていうのは、なんとなく覚えています」

――15年という月日が経つ中で、お互いここが成長したなって思うところは？

鈴木「荒木さんは大人になりましたよ。すごく立派！」

荒木「それ、この前話したばっかりでしょ（笑）」

鈴木「親にマグロとか送るんだから。毎月、美味しいものを送っているらしいんですよ。いや、立派ですよね〜」

荒木「そこかよ！（笑）」