――鈴木さんは舞台『YARNS』も控えています。

鈴木「そうなんです。マチソワ（マチネ＝昼公演＆ソワレ＝夜公演）で違う作品に出るっていう、人生初の出来事に直面しています（笑）」

碓井「えっ、『Equal-イコール-』と重なってしまう日が？」

鈴木「そう。この時期にそんな充実した日々を送れるなんて、ありがとうございます！っていう気持ちです」

碓井「すごいなぁ。どんな作品なんですか？」

鈴木「細かいことはネタバレになってしまうので言えないんだけど、今のこの状況ならではの、制限を逆手に取った見せ方になっているんだよね。舞台と客席間を透明素材で区切ったり、いろんな制約がある中でこそ生まれる表現っていうのが観られるんじゃないかな」

碓井「どんな芝居になるんだろう？ すごい気になります」

鈴木「演出のズスカツ（鈴木勝秀）さん曰く、役者同士も距離を保って芝居するから動きも制限されるし、“言葉”がメインの世界になると言っていました」

碓井「僕、今年の１月に新国立劇場の小劇場で『る・ぽえ』というスズカツさん演出の作品に出させていただきました。詩人の物語で、僕は中原中也役だったんですが、詩を覚えるっていうのが本当に大変で。詩を書いた紙を呪術みたいに家中に貼りまくって覚えたのを思い出しました。スズカツさんの演出は、本当に自由度が高いんですよね」

鈴木「うん。あ、そういえばスズカツさんが『鈴木くんとこの後輩の碓井くん、すごく良かった』って言ってたよ」

碓井「本当に!? それは嬉しい！」

鈴木「僕も夢の中で詩を読む男を演じるんだけど、言葉を大切に伝えたいと思っています。主演の佐藤アツヒロさんは存在感がすごいし、びっくりするぐらいピュアな方なんだなって印象で。そんな方と芝居ができるのが本当に嬉しい。スズカツさんが『状況的にも今回の舞台は一生忘れないと思う』っておっしゃっていたけど、僕もそうなると思っています」