――今作『�K世界』は“shared TRUMPシリーズ”という試みで、複数の作家が書き下ろすというものです。それについては、どう感じますか？

大久保「おもしろいですよね。これまでは末満さんの脚本でしか演じたことがないので、どんな化学反応が起こるのかなと。末満さんの頭の中に完璧な世界がある上で、別の脚本家さんがどう作り上げていくのか、気になります」

池岡「稽古も、考察しながらになるのかな？」

――池岡さんが歌うというのも、久しぶりじゃないでしょうか。

池岡「残酷歌劇『ライチ 光クラブ』など、何回かはあるんですが、レアではありますね。最近は、インスタライブでしか歌っていませんし。まあ、鼻歌程度ですけど（笑）。ただ、ひとりカラオケは相当やっているので、成果を見せたいです！」

大久保「僕もね、『繭期大夜会』で、TRUMPシリーズの歌を歌ったんだけど、ビックリするよ。和田（俊輔）さんの曲、変拍子がすごすぎて、数え方がわからない。どこから数えて、どこで入るのか、全然わからなかった。楽譜を見てもわからないからね」

池岡「……めちゃくちゃ心配になってきた!! どうしよう!?」

大久保「TRUMPの最後に『星の轍』って歌ったじゃない？ あれを『繭期大夜会』のときにオーチャードホールで歌ったんだよ!? とんちゃん（東啓介）と僕の2人がメインで」

池岡「TRUMPのとき、みんなで歌って録音もしたけど、僕、��い声が出ないからひとりだけ一オクターブ下で歌ってたんです。それぐらいの音域で作ってもらえたら助かるんだけど」

大久保「もう遅いよ、たぶん作っちゃってるよ！（笑）。そもそも、今回のキャスト、歌のうまい人たちばかりだから」

池岡「そうだよね。よし、みんなに甘えます！(笑)」

――（笑）。『�K世界』の前、８月に大久保さんは、『イヌビト〜犬人〜』の公演に出演が決まっていますね。

大久保「はい。子どもも大人も楽しめるシリーズということで、話としてはわかりやすいけれど、長塚圭史さんらしくドロっとした部分もあります。犬が人に噛みついて犬化してしまう、その犬化した人が噛みついた人も犬化するという“イヌビト病”の感染が広がっている世界を描いた作品で。噛みつかないようにマスクをしているという設定なので、舞台上でも役者はマスクをして芝居をするんです。ぜひ、観ていただけたらうれしいです」

――最後に、“役者デビュー”を目指す読者へ、メッセージをお願いします！

池岡「役者って、いろんな人物になることで、自分自身の価値観が広がる職業なんです。常に自分を成長させる糧になるところは、この仕事ならではなのかなと」

大久保「自粛期間中、何に癒やされ、なごませてもらったかというと、やっぱりエンタメ作品なんですよね。そういう、人を楽しませる仕事ができているのは、幸せだなと改めて思いました」

池岡「少なからず、楽しみにしてくれている人がいるから、僕らも頑張れるんだよね」

大久保「そう。エンタメは生きるために必須ではないと言う人もいますが、絶対に、そんなことはないと僕は思っています」