連載「D-DAYS ＋Plus」vol.211 日野友輔

――以前は、自分からやりたいという思いが湧きづらい、言い出せない感じだった？

日野友輔「自分なんかが……みたいな感じで考えてしまうところがあったので、基本、何でもやらせていただきますというスタートラインだったんです。そういう謙虚さは自分の性格的に悪いことではないと思うのですが、反面、なかなか自分に自信を持てずにいました。でも、杉原監督が、『お前が自分を信じないと、できることもできないぞ』『俺はお前が売れていくところが見たいんだ』と、すごく真摯に熱く語ってくれたことがあって。こんな自分にも期待してくれる大人がいるのだという事実と、約1年半『仮面ライダーガヴ』で過ごした日々が自分に自信を持たせてくれた。自分はこうなりたいんだ、なれるんだって、心の底から信じられるようになりました」

――そして、9月12日には1st写真集『hiSTORY 1』を発売。企画の段階から自らアイデアを出して積極的に関わったというのも、そういった成長の証でもあるのでしょうか。

日野友輔「そうですね。もしも自分の写真集を作れる機会があったら、ストーリー仕立てにしてみたいってずっと思っていたんです。それをスタッフさんに伝えたら、おもしろいからやってみよう、内容自体も自分で考えてみたらどうかと提案していただいて。設定、ストーリー、役どころ、カット割り、どんなシーンにするかなど、具体的に案を出させてもらい、そこからブラッシュアップして、衣装やロケ地、画作りなどスタッフさんと一緒に考えて作っていきました。現場で撮影したカットを写真集として１冊にまとめたときに、ちゃんと、物語として主人公の心情の変化やシチュエーションが伝わるのか、完成図を想像しながらシーンに合った表情、絵にするというのも、僕の今の経験値をすべてぶつけることで達成できたのかなと。１年前の自分だったら、ここまではできなかったと思います」

――撮りたい画が先だったのか、それともやってみたい役柄が先だったのか。

日野友輔「大前提として、自分の魅力を伝えるとしたら、俳優として演じている自分が一番魅力的でありたいと思うし、そのはずだというのがありました。そう思えるようになったのもメンタル的に成長したところなので、先に浮かんだのは“演じている自分”になりますね。こういう芝居がしたいというよりは、自分がやりたい役や、今の自分が表現できる主人公像やストーリーというところで、今回のような形になりました。イメージが膨らませやすく、みなさんが楽しんでくれるような作品にしたいと思いつつ、プラスアルファとして、ここから僕に興味を持ってくれる方が出てくれたらうれしいというのもありました」

――内容のネタバレにならない程度に、撮影の裏エピソードを教えてください。

日野友輔「泥だらけになって服を破るシーンがあるんですけど、衣装さんに切り込みを入れてもらって、実際に撮影中に自力で破いてその瞬間を撮ってもらいました。動きがない分、どう臨場感を出すか、いろいろ工夫しているので楽しんでもらえると思います！」