――いったん、立ち止まるってことですか。

陳内将「一旦、何かをリセットしなきゃいけない、自分にはそういう期間が必要なんだと、その占いがキッカケで気づけて良かったなと思いました。去年みたいに、ずっと稽古、本番、稽古、本番ってやっていたら、より蓄積されてしまっていたかもしれない。仕事は好きですけどね。だから今年は休みつつ、仕事もしつつ、出会いもあり、旧友とも親交を深めっていう、良いバランスで過ごせたと思います。２年前だったかな、『2021年の春から2022年の１年間、ずっと舞台が続くけど大丈夫ですか？』って当時の担当マネージャーさんから言われて、『全部、詰め込んでやらせてください』って言っていたんですよ。それが、2023年は『ちょっと休ませてください』の人になっていたから、人って変わるんだなと（笑）。それを経て、今の自分はまた、『来年は全部働きたい』ってなっているんです」

――12月には今年最後の舞台、『東京リベンジャーズ ―聖夜決戦編―』が上演されます。ここまで作品を重ねてきて、今思うことは。

陳内将「面白い、楽しみなところで言えば、新キャラが入ってくるところですよね。今回は、ロングリード（舞台＆ドラマ『あいつが上手で下手が僕で』で共演した橋本祥平と田中涼星が演じるコンビ名）の２人が入ってきますしね（笑）。気心知れた人たちとやる良さもあるけれど、逆に、盲目も生まれるんです。本当は合っていない演劇プランを選んでしまっている可能性があっても、そのことに気づけないという。だって、僕ら、これでやりやすいから、で終わってしまう。 “この人にはこのプランは通用しないんだな”とか、”反応のスピードを変えないと”といったような、ある種の違和感的なものは、初めましての人と対峙しないと、なかなか得られない。そういう発見のおもしろさもあるんですよね。新しい役者さん、演出家さんとやることで、違和感だけでなく、“自分のプランはこれで良かったんだ”ってことに気づけたりするんです」

――少し会わないうちに変わったなっていうのは？

陳内将「戻ってくるハコが一緒だと、そこまで変わらないんです。まったく違う作品で久々に共演ってことになると、また新鮮さが感じられるとは思うけど」

――そういう意味でも、新しいキャラが加わることで、また違った空気になるんですね。

陳内将「そう、だから楽しみです。特に、今回は初めて、エマが登場するので。ドラケンとエマってそんなイチャイチャした感じじゃないけど、舞台がもし今後も続いていくんだったら、この先、すごく大事なシーンもあるので。そこに向けてどう積み上げていったら良いのか。お客様に、エマとドラケンっていうペアを愛してもらわないと、あの大事なシーンに繋がっていかないから、その空気感みたいなものに少しでも手が伸ばせたらいいなって思います」