D-DAYS vol.168 宮崎秋人×加治将樹(特別ゲスト) | 特集 | Deview-デビュー

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D-DAYS vol.168 宮崎秋人×加治将樹(特別ゲスト)

2022/02/01

「トランスジェンダーのローラという役は、感情の赴くままに芝居ができないという難しさがある。ずっと意識していないと保てないので」

宮崎秋人×加治将樹宮崎秋人

――あらすじでも、“ローラと呼ばれる美しい人物”と書かれているだけですしね。難しい役柄ですが、大変だなと感じるのはどんなところですか?

宮崎秋人「白井さんの中で、宮崎のローラに対するオーダーや理想像みたいなものがある程度あったりするので、白井さんがそういうところは引っ張っていってくれるのですごくありがたいです。ただ、感情が動いて芝居しているとき、自分としてはこういう気持ちでしゃべっているつもりだけど、ローラとして出ている音(声)が全然違うっていう瞬間がけっこうあって、そこのズレを合わせるのが大変だなと思って稽古してます」

――セリフの出し方、立ち振る舞い、いろいろと意識しないといけないことが多そうですね。

宮崎秋人「だから、何もできなくなるんですよ、ヒールも履いているので。普通のお芝居だったら、感情の赴くままに歩いたり動いたりできるんですが、ヒールだと一歩動くだけで“カツン”って音が鳴ってしまう。その無駄な一歩が自分のセリフを殺したり、相手のセリフを潰してしまったりする。でも、ただ立って聞いていると余裕そうに見えてしまったりするし、かといって、ちょっと体制崩すと男になっちゃうから崩せなかったり…。感情の赴くままに芝居ができないっていう難しさがあります。ずっと考えて意識していないと保てない。自分、こんなに芝居下手じゃないハズなのに、もうちょっとできるハズなのに!ってジレンマ抱えてます(笑)。まあ、ローラは19歳なので、そういう粗も、宮崎がやるローラとしてはいいのかなと。女性として完璧にできてないところも逆に受け入れようと思ってはいます」

宮崎秋人×加治将樹

――白井さんの演出、現場というのはどのような雰囲気なのでしょうか?

加治将樹「とても繊細な作り方をされる方だなって思います。特にローラに対して、一ミリ感覚の心の揺れみたいなものをオーダーされていて。声の高さとかちょっとした言い回しとか、『それだとこういう風に聞こえてしまう』とか、『もっと恨みみたいなものをちょっとだけ増やして』とか。そのオーダーを受けた人がそれを体現したときに空気が揺れ動く瞬間みたいなものがけっこうあって。その繊細の1つの感情や言い方で、全体の方向性が動いていくので、“これを見据えて、白井さんはやっているのか!すごいな”って感じることが多い。白井さんは俳優でもあるので、そういうところも盗めるし、日々発見があって本当に楽しいです」

宮崎秋人「白井さんの作品って、感情だけで芝居するのではなく、役者の心の中でできたものをちゃんと体を通してお客さんに見せる表現までがセットっていう感じがしていて。見え方としても、内向してしゃべっていることと逆の想いなんですよっていうのも、見ていたらわかる。でもそれを説明しすぎない。しかも、今回は世田谷パブリックシアターという大きな劇場なので、その空間に合わせたお芝居・表現が求められる。どう見えているのか、やっぱり一番白井さんがわかっているから、それができるようになるまで僕ら役者は、時間をかけてひたすら稽古を繰り返すんですよね。なので、稽古から帰ってくると、もうぐったり…。すごく充実感のある稽古ができているなって思います」

宮崎秋人×加治将樹

――舞台や映像、様々な作品に出演されてきていますが、改めて、役者という仕事に対して、どんなところに魅力・楽しさを感じていますか?

加治将樹「これはずっと思っていることなんですけど、やっぱり演じていると楽なんですよね。何かを演じるって、とても楽しいことであって、愉快な気持ちになる。それは役にもよって違ってくるかもしれないけど、僕は演じているときのほうが楽しい。もちろん、楽しいだけじゃないですけどね。プロとして仕事としてやっていることなので、“自分は向いてないかも”って思うこともいっぱいある。でも、そういうときは、“今は苦しいけど、止まない雨はない”って自分に言い聞かせます。まあ、僕の性格上、良いことも悪いことも忘れちゃうというか、引きずらないんです」

宮崎秋人「僕は加治さんとは逆で、演じているのが苦しい。向いているって思ったことは1回もないです。ただ、仲間がたくさんできるので、ここ10年は仲間に支えてもらっているなって思いますし、人との出会いに本当に感謝してます。今回も正直、“わ〜しんどい”って思って、気づいたら転職サイト見てましたから(笑)」

加治将樹「え〜、マジで!?(笑)」

宮崎秋人「資格も何もないけど、今役者を辞めたら自分には何がやれるだろう、何が向いているんだろうって。ただ、どのサイトも会員登録しないといけないから、めんどくさそうだなって思って閉じましたけど(笑)。まあ、そんなことを想いながらも10年続けてこられたので、ここから先10年もきっとそうやって続けていけるのかなと。そう思っているから、1個1個、責任持って仕事をやれているのかなと感じます。大切な仲間たちに支えてもらいながら、これからも進んでいこうかなって思います」

Special Movie

初共演となる加治将樹×宮崎秋人、舞台『マーキュリー・ファー』への意気込みを語る

PROFILE

宮崎秋人(みやざき・しゅうと)●1990年9月3日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作に、【舞台】音楽劇『マニアック』、舞台『HAMLETーハムレットー』、パルコ・プロデュース『阿呆浪士』、音楽劇『銀河鉄道の夜2020』、『ロミオとジュリエット』、『ザ・ドクター』。【ドラマ】『世にも奇妙な物語’20秋の特別編』(CX)、『未満警察 ミッドナイトランナー』(NTV)、『漂着者』(EX)、『彼女はキレイだった』(KTV・CX)、『最愛』(TBS)など。

加治将樹(かじ・まさき)●1988年1月29日生まれ、東京都出身。2012年9月にD-BOYSを卒業。近年の主な出演作は、【舞台】ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』、『絢爛とか爛漫とか』、東京芸術劇場30周年記念公演『真夏の夜の夢』。【映画】劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』、『任侠学園』。【ドラマ】『テセウスの船』(TBS)、『天国と地獄〜サイコな2人〜』(TBS)、『着飾る恋には理由があって』(TBS)、WOWOWオリジナルドラマ『向こうの果て』、『二月の勝者-絶対合格の教室-』(NTV)、『志村けんとドリフの大爆笑物語』(CX)など。

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Information

舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』
2022年1月28日(金)〜2月16日(水)世田谷パブリックシアター

▼ツアー公演
長野(松本)公演:2月19日(土)、20日(日)まつもと市民芸術館 主ホール
新潟公演:2月23日(水・祝)りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
兵庫(西宮)公演:2月26日(土)、27日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
兵庫(神戸)公演:3月2日(水)神戸文化ホール 中ホール
愛知公演:3月5日(土)、6日(日)刈谷市総合文化センター 大ホール
福岡公演:3月10日(木)、11日(金)福岡市民会館・大ホール

マーキュリー・ファー撮影:設楽光徳

作: フィリップ・リドリー
演出:白井晃
翻訳:小宮山智津子
出演:吉沢亮 北村匠海
加治将樹 宮崎秋人 小日向星一 山ア光
水橋研二 大空ゆうひ

≪ストーリー≫
ボロボロの部屋にエリオット(吉沢亮)とダレン(北村匠海)の兄弟がやって来る。ふたりは急いでパーティの準備にとりかかる。そこに青年がひとり偶然顔を出し、「バタフライ」が欲しいので手伝うと言う。しばらくするとローラと呼ばれる美しい人物と、パーティの首謀者らしき男が謎の婦人を連れてやって来る。彼らの関係は…? そして彼らの会話の中で語られる、バタフライの秘密とは…? やがて、きょうのパーティゲストが到着するが、用意した「パーティプレゼント」に異変が起きて、事態は思わぬ展開に…。

◆公式サイト:https://setagaya-pt.jp/performances/202201mercuryfur.html

Audition

TRUMPシリーズ『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』フルキャストオーディション

リリウム

劇作家・末満健一が手掛けるTRUMPシリーズが2024年に15周年を迎えるにあたり、2023年4月よりアニバーサリープロジェクトが始動。第一弾として、2014年にモーニング娘 '14、スマイレージ(当時)のメンバーが出演し、根強い人気を誇る『LILIUM-リリウム少女純潔歌劇-』の再演が決定。それに伴い、シリーズ初となるフルキャストオーディションを実施。
今回のオーディションでは、プロ・アマ問わずLILIUMの世界を彩る歌・ダンス・芝居の実力に長けたキャストを広く募集している。

【公演概要】
TRUMP series 15th ANNIVERSARY
ミュージカル『LILIUM-リリウム少女純潔歌劇-』
■稽古時期:2023年3月初旬より歌稽古開始予定。※2月下旬より歌稽古開始の可能性あり。
■公演期間:2023年4月中旬〜最大5月中まで。東京+関西公演を予定。

募集要項をチェック!

Audition

ワタナベエンターテインメント【マンスリーオーディション】(2022年2月度)

ワタナベエンターテインメント

テレビ番組で活躍中のタレントやブレイク中のお笑い芸人、女優・俳優、ミュージシャンからアイドルまで幅広いジャンルの人材をマネージメントしているワタナベエンターテインメントが、次世代を担うスターを大募集!
■主な所属者/
中山秀征、石塚英彦、恵俊彰、ネプチューン、松本明子、ビビる大木、イモトアヤコ、ハライチ、サンシャイン池崎、平野ノラ、森山あすか、瀬戸康史、志尊淳、山田裕貴、中川翔子、Little Glee Monsterなど

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Present

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