――初演からやっているキャストもいるカンパニーに参加するにあたって、緊張感はありましたか？

中尾暢樹「そっちの緊張感はなかったですね。（佐藤）流司くんとはもともと交流がありましたし、君沢（ユウキ）さんも明るくおおらかで。すごくいい空気の中でやらせてもらっています」

――演出面で戸惑うことはありますか？

中尾暢樹「今のところは大丈夫ですが、みんなの思うナルト像ってあるじゃないですか。（松岡）広大くんのやるナルトと、僕がやるナルトは当然、違うわけで。マンガも読んでアニメも観ていたし、ずっと触れてきた大好きな作品なので、僕の中でのナルト像は自然と体に染み込んでいる。舞台上でナルトの感情の動きをどう表現するかに関しては、演出の児玉（明子）さんと相談しながら作り上げています。ナルトの心情を大切にして演出してくださるので、大きく外れることはないだろうなと思っています」

――自分がナルトとして存在するために、改めて気づいたことというのは。

中尾暢樹「マンガやアニメを観ていたときは、普通に物語全体を追っていたので、ナルトだけを観ていたわけではないんですよね。そこを意識してナルトにフォーカスしてみると、内面の細かい変化が見えてきました。特に、今回は“ペイン来襲”と“五影会談”をやるので、ナルトの成長が描かれている。九尾の人柱力としての自覚、暁に対する思い、ペインとの会話のシーンなど、アクションだけではなく話し合いのシーンも多くて、構成的にも僕はとても好きなんです。少し大人になったナルトも見てもらえるよう、丁寧に演じたいです」

――最後に、2022年の抱負をお願いします！

中尾暢樹「2021年は初めてのミュージカルに出演し、歌、アクション、殺陣、ダンスと、新しいことに挑戦した年でした。来年は、もうそんな甘えたことは言っていられないので、成長した姿を見せられたらと。今年挑戦したことに、さらに磨きをかけていきたいです。練習して、少しずつできるようになっていくのは楽しくもあるけど、まだまだ荒削りというか、気になるところだらけですから。今も「NARUTO-ナルト-」の稽古場でアクションの上手い納谷（健）くんやアクション部の人にいろいろ聞いて、教えてもらいながらやっています。すごい人たちがたくさんいるので、『どうやっているんですか？』『コツは？』など、いっぱい聞いて、自分でもやってみて、見てもらっているんです。みなさん親切で優しく、何でも聞きやすい環境なので、本当にありがたいです」