――撮影期間が限られていただけに、一日に覚える台詞の量が、とても多かったそうですが。

中尾「そうなんです。陳内さん、台詞入るのめちゃめちゃ早かったですよね。台本が配られたその日に本読みだったんですが、2時間くらいしか経ってないのにもう覚えていて。台本を見ないで芝居していましたよね」

陳内「うん。特技、暗記です（笑）」

中尾「しかも、現場でいきなり、全然違うシーンの台詞を言ってきたりしていましたよね？」

陳内「本番前に前ちゃんが緊張しながら集中している感じだったから、第1話の撮影のときに、第3話の台詞を言って絡んでみたんだよね。“セリフ覚えてますか？クイズ”みたいな感じで。そうしたら前ちゃん、『もう、ちゃんじんやめてよ〜！ 明後日（撮影する第3話の）のセリフ言うの！』って笑ってた。撮影合間は、ずっと前ちゃんと絡んでましたね」

中尾「2人、すごく仲がいいんです！」

――中尾くんのほうはどうでしたか？

中尾「僕、普段は前日にセリフを覚えるタイプなんですが、今回、この量は1日では足りないなと思って、2日間、ずっと家に引きこもって台本を覚えました。ここまで全部頭に入れて現場に入ったのは、はじめてでしたね。今回の現場は、テストなしで本番っていう撮影スピードだったので、覚えていって良かったです」

陳内「舞台で言うと、初立ち稽古から初日までを一瞬でやるっていう感じ。それで、はい、ライブビューイングです！ みたいな感覚です。成立させるための動きとかを一発で作り上げて、役者同士で話し合ったり半太さんのお力をお借りしたりして作って、ドライ（カメラなしでやるリハーサル）後に1回休憩したらテストをやらずにすぐ本番っていう感じでした」

――ズバリ、見どころは!?

中尾「それぞれの企みが表に出ていく段階で、ガラッと空気が変わっていくところかな」

陳内「コメディ部分もあればシリアスなところもあり、舞台っぽさもあれば、映像ならではの部分もある。いろんな要素が詰まっているところもおもしろいし、各話のラストすべてに引きがあって、しかも1話ごとに二転三転しているから、本当に飽きないと思う。まず僕らが本を読んで、演じていて本当におもしろいと感じながらやれていたので、それは視聴者の方にも伝わると思います。30分×4話ですから、映画１本分という感じ。個人的には、3話が早く観たい！」

中尾「アドリブをビシバシ入れていた回ですね」

陳内「読み合わせの段階で、半太さんが『ここ、少し尺が足りないかもしれないから、何か欲しいな……』と言っていたのを僕が台本にメモしていたんです。2ヵ所ほど。ネタは決めずに、現場にあるものを使って芝居をしていたら、めちゃくちゃシーンが伸びたんだよね（笑）」

中尾「陳内さんが前山さんに絡んでいくシーンで、前山さんも、いきなり陳内さんがアドリブで来たから素でびっくりしていて。僕、笑ってはいけないシーンなのに、笑ってしまったので後ろを向いてごまかしてました（笑）」

陳内「NG集が見たくなるよね（笑）」