――堀井くんの場合は、デビューの仕方が特殊だったというか、グランプリ受賞直後から、先輩たちとのCDデビューに向けて、様々なことが待ち受けていましたよね。

堀井「当時は本当に大変でした。今振り返ると、芸能界のことを何も知らない状態で、とりあえずやってみようっていう軽い気持ちで受けたから、この世界の大変さというのを入ってから毎日のように感じていました。右も左もわからないまま、次から次へとやらなきゃいけないことがあって、とにかく目の前のことをやるために頑張らないといけない、でもそれすらちゃんとできない……という毎日で、2年くらいずっと必死でした」

――それが楽しさに変わったのは？

堀井「2年目くらいのときかな。Dステ『クールの誕生』の稽古で、初めて意見を言ってみたら、それが採用されて、あのときはすごく嬉しかったんですよね。演出の山田（和也）さんに『それ、良いアイディアだね』と言ってもらえたし、周りの先輩たちにも『新太、それ良いじゃん！』って言ってもらえて。それまではどちらかと言うと、怒られてばかりだったから、そんな風に意見を受け入れてもらえたことがすごく嬉しくて、そこらへんから楽しめるようになってきたのかなと思います」

――荒井くんは、どのタイミングでこの仕事の楽しさを感じたんですか？

荒井「どのタイミングだろう……。やっぱり、この仕事の楽しさって、何にでもなれるところだと思うんです。役を通して医者にも弁護士にもなれるし、アクションとはいえ人を殴ったり、学生にも戻れたりする。現実世界で弁護士を目指すとなると、どんだけ大変か想像もつかないけど、役として演じるとなったら、もちろん役作りとしてそれなりに勉強したり調べたりはするけど、ある程度形になれば演じることができる。ドラマと現実とでは違う部分もあるかもしれないけど、このドラマの中ではこれが正解ですと提示すれば、そのドラマのリアルになるっていうところが面白いんじゃないかなっていうのは、やっていくうちに実感していったんだと思います」

――そんなお二人ですが、それぞれ現在放送中の7月期のテレビ東京系のドラマに出演中。まずは堀井くんの毎週月曜のドラマBiz『リーガル・ハート〜いのちの再建弁護士〜』から。

堀井「再建弁護士という、みなさんあまり聞き馴染みのない仕事だと思うんですが、やっていて、すごく面白くて夢のある仕事だなと感じています。日本の企業のうち、99.7％が中小企業といわれている中、良いものを作っているんだけど資金繰りが上手くいかなくて倒産寸前という人たちを助けて、そこから自分たちでその事業を継続させるまでを見るのが仕事なんです。なので、民事再生や私的再建、自己破産とかのお金にまつわることを勉強しながらも、そこに起こりうるヒューマンドラマを楽しめるというエンターテインメント作品になっています。キャストの方々もすごく豪華なんです。主演の反町隆史さんをはじめ、小池栄子さん、和久井映見さん、橋爪功さん……」

荒井「そこに、堀井新太さんが!!」

堀井「僕なんて、お豆みたいなもんだから（笑）。僕が演じる池田伸司は、弁護士を目指しつつ事務員として働く役柄なんですが、村越誠一法律事務所のムードメーカー的存在でもあります。監督が僕らの事務所のシーンは明るくしたいということで、主にその役を担っているんですが、いろいろと台本に書いてないことをその場で要求されたりする、愛嬌のある明るい役です。ナレーションも担当しているんですが、それは伸司がそのことを経験して、ちょっと引いた大人の目線で話しているという役割もあるので、とても重要な役なんです。メッセージ性もあって、とても良い作品だなと思うし、大人の男性がハマる作品なんじゃないかなとも思っています」

―― 荒井くんは、毎週金曜のドラマ25『サ道』に出演中。

荒井「主人公の3人が通う『サウナ北欧』で働く新人スタッフ兼熱波師の赤井君役で出演しています。その3人がいる場面の見切れるか見切れないかくらいのところに、しゃべらずにずっと居る役です。普通に、マジのスタッフさんかと思われたくらい、当たり前のようにそこに居る役で、だんだん3人と絡んでいきます。全国のサウナ施設を紹介したり、本当の熱波師さんも出演していたりして、サウナやスーパー銭湯が好きな人たちにとっては、“あるある”っていうことがいっぱいあるだろうし、知らない人たちにとっては入門編みたいに楽しめるドラマだと思います」

――役作りのためにサウナ通いもしたとか。

荒井「通いました。実際にドラマにも出ている熱波師さんに教わっているんですが、ドラマが始まる前に、“新人スタッフ”っていうのがどんな感じなのかを勉強しようと思って。お客さんの心を掴もうと積極的に話しかける人がいたり、一生懸命口上を言っている人もいたり、やる気のなさそうに見える人がいたり、人間観察的にいろんなタイプの新人スタッフを見ることができて、面白かったです。ドラマ自体は、金曜の深夜にゆる〜く楽しめる作品だと思います」

――荒井くんは、絶賛オンエア中の『仮面ライダージオウ』にも、湊ミハル／仮面ライダーアクア役で出演中。2011年の劇場版以来の登場ですね。

荒井「そうなんです。2011年に公開された劇場版のゲストで、撮影自体も1週間くらいの参加だったんですが、まさか再び『仮面ライダー』の世界に戻ってこられるとは思ってもみなかった。8年ぶりに同じ役で呼んでいただけたというのは、設定ももろもろ込みですごく嬉しかったです。消極的で弱々しく勇気がないという性格はそのままだったりするんですが、何が変化して、何が変化してないのかというのを見てもらえたら。変身もたくさんするので、最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです」

――堀井くんも、10月スタートのNHK ドラマ10『ミス・ジコチョー〜天才・天ノ教授の調査ファイル〜』への出演が決まっています。

堀井「こちらは、事故にまつわる調査を徹底的に行う“事故調査委員会”という仕事に関するドラマになります。松雪泰子さんが演じる天才工学者・天ノ真奈子に振り回されながらも、ともに真実を突き止める助手の野津田燈を演じます。松雪さんと僕の凸凹コンビがどう事件を解決していくかというところに注目してもらえたらなと。結局は、失敗が事故を招くんですよね。でも失敗する意味というか、失敗を恐れずにチャレンジすることの大切さみたいなものも伝えられたらいいなと思っています」