――キャスティングに関してはいかがですか？ 納谷くんがベテラン刑事・井口役ということで、実年齢よりかなり上の役柄になりますが。

納谷健「配役が決まる前にみんなで集まって、順繰りに役を変えての本読みをやったんです。それを（演出家の木下）半太さんに見てもらい、結果的に今回の役になりました。個人的には、自分には渡辺っていうツッコミキャラが一番合うと思っていたのですが、まさかの一番年上で自分より20歳くらい上の役柄になったので驚きました。それぞれ、どの役になってもみんなおもしろかったんですが、いけぴー（池岡）の今江が僕はすごく好きでした。実際はキャストの中で一番年上なのに、後輩ポジションでの“大丈夫かこいつは!? ”感が一番ハマっていた」

池岡亮介「 『ぴったりだな！』って言われたときは、ちょっと複雑だったけどね（笑）」

納谷健「いけぴーって、そのダメさが輝くっていうか、この人、普段もそこそこダメなんだろうなっていうのが芝居に乗っているんだよ」

池岡亮介「ちょっと!!（笑）」

納谷健「そういうの、お芝居でにじみ出るのが素敵だなって話ですよ。（中尾）暢樹の破天荒な感じもね。“暢樹、そっち意外と合うんや!?” って驚いたから」

池岡亮介「人物像のベクトルで言ったら、井口と納谷ちゃんは通じるものがある。ぶっ込める隙、イジれる隙があるという意味でね」

納谷健「確かに（笑）」

池岡亮介「先輩をイジるって、絵的にすごくおもしろいから。そういうキャラクター像と納谷ちゃんってハマるんだよ。年齢的に、僕が井口になる可能性も考えたけど、それだと意外性がなくておもしろくないし」

納谷健「中山翔貴くんははじめましてやけど、あの子も結構イジるタイプじゃない？」

池岡亮介「中山くん、おもしろい子だよね」

納谷健「その要素が入って来そうな感じはあった。半太さんもノリノリだったから、時代の空気を入れてくるんじゃないかな」

池岡亮介「登場人物、それぞれに“真面目に見えて実は…”というギャップがあるんですが、表面上、わかりやすい感じでいろいろできると思うんです。ただ、キャラとしてのギャップというよりは、役者のパーソナルなところがにじみ出てくるという意味でのギャップが楽しめる作品になりそうで。役柄と現実とがごっちゃになりそうなところは、ちょっとおもしろそうだなと思っています。本気で“そういう人なんだ…”って誤解されたらまずいけど（笑）。Wキャストの翔貴くんも真弓ちゃんもね、ちゃんと冷めた目でこっちを見てくれて、それはそれで心地いいんだよね」

納谷健「先輩だけど、ダメなところもあるから」

池岡亮介「自覚はあります（笑）」