――夢であり、目標でもあった作品のオーディションということで、普段とは少し違うところもあったのでしょうか。

東啓介「僕にとって特別な作品ではあるのですが、受かるかどうかを気にするようなことは一切なかったです。最近になってやっとそう思うようになれたんですが、とにかく楽しむことを第一に臨みました。それが一番いいなと思っていたし、実際、このオーディション自体、とても楽しかったんですよね。10代から20代前半の頃は、“絶対に役を掴むぞ！”というか、“とにかくうまくやらないと、爪痕残さないと”、みたいな感情がつきまとっていたんですが、徐々に自然体で臨めるようになってきました。もちろん、緊張感や受かりたい気持ちというのはあるんですけど、（自分が役に）合う・合わないというのもあるので。いただいた役や作品についてお話しすることが多い一方で、オーディションにはたくさん落ちてもいるんです。そういった経験を通して、受かるときは受かるし、ダメなときはダメなんですよね。それは自分がうまくできなかったせいではなくて、タイミング、縁と言うほかない。その結果に固執してしまうと、次に進めなくなってしまうので、さっと頭を切り替えるようになりました」

――情報解禁のときは、どんな気持ちでしたか？

東啓介「ものすごく緊張しました。SNSに投稿するときに、“この文章で大丈夫かな”、“誤字・脱字ないかな”……と何度も確認して、スタッフさんにも確認してもらって、“行け〜！”って（笑）。しばらく怖くてSNSをチェックできなかったのですが、想像していた以上に盛り上がってくださっていて本当にうれしかったです」

――20代ラストイヤーに、夢が叶ったというのも素晴らしいですね。

東啓介「ありがとうございます。その先も、もっともっと飛躍していける30代になればと。20代は本当にいろんなことを経験させてもらったので、ここから先のために幅広く能力を向上させていきたい。この人がやってくれたら安心だ、楽しみだと望まれる役者になっていきたいです」