――そして年末年始から１年経たずに、８月末から舞台「東京リベンジャーズ−天竺編−」がついに始まります。

陳内将「キャラクターそれぞれにメンタル的にキツくなる展開ですし、『天竺編』は原作もかなりの長さなので、まとめるにしても難しいところだと思います。ここまで、マイキーである（松田）凌とつき合ってきて、ドラケンのように彼に自分を捧げる意識でやってきました。今回は大切な存在であるエマにあることが起こり、ドラケンがマイキーを殴るというシーンがある。そこが舞台でも描かれるとしたら、これまで過ごしてきた時間で培ってきた僕から凌への気持ちも乗るだろうし、これまで約4年一緒にやらせてもらえたからこその演技というか、表現になるんじゃないかなと思っています。それを受けている凌の表情を受け止めながら、そこでもらうものというのも確実にある。その上で、そこの稽古は正直、あんまりしたくないなって思っているんです」

――新章をやるたびに新しいキャラクターが登場しますが、現場ではどのように迎えていますか？

陳内将「確かに、リベステに新しく入ってくる人たち、みんな緊張するって言っていました。よその集会にお邪魔するみたいな感覚なのかな（笑）。（橋本）祥平なんかも、あれだけみんなと付き合いがあるのに、『めっちゃ緊張するっすね！』なんて言っていましたから。僕らは全然、威圧するとか、覇気を出しているつもりはないんですけど、独特な空気があるんでしょうね。トーマン（東京卍會）が集まるシーンとかは特に。今回はムーチョ役で兼崎（健太郎）さんが加わるから、どんな感じで入ってくるのかとても楽しみです」

――初演からドラケンを演じてきて、変化してきたことはありますか？ 向き合い方、演じ方について。

陳内将「いや、ずっと最初に原作を読んだときと同じ感覚です。一貫して、彼の持っている佇まい、一歩引いたところからみんなを見ているような、男が惚れる男像はそのままです。ドラケンでいるときって、すごく楽なんですよ。ドラケンをやっているときは自然体でいられるし、ご飯に行ったときも無理に回したりしないで、凌が話したいことを話しているのを聞いていて、ちょっと意図が逸れたときはサポートする感じでね（笑）。『凌が言いたいことって、たぶんこういうことでしょ？』って変換すると、『そう！ 将くん、その通り！』って。マイキーとドラケンみたいな感じが自然にできているので、めちゃくちゃ楽なんです。同じような感じでアマゲン（『あいつが上手で下手が僕で』）の現多（英一）さんも、素の自分に近いせいか楽ですね。そっちでは梅ちゃんの相手をしているだけでいいから（笑）」

――もしもタイムリープできるとしたら、過去か未来、どちらへ行ってみたいですか？

陳内将「過去ですね。シンプルに興味があるのはフランス革命。ヨーロッパの昔の作品をやってみたいっていうのもあって、あの時代に行って実際に見てみたい。行ったところで、右も左も言葉もわからないけど（笑）。未来はあんまり見たくないなぁ。どういう形であれ、絶望しそうだから。いい感じで変わっていたとしても、今あるものがなかったら、その喪失感で落ち込みそうだし。便利なものを見ちゃったら、まだ現代ではできていないんだなぁと残念に感じてしまう。どちらにせよ、ネガティブな印象のほうが大きい気がするんです」