――5年目に突入した俳優活動。デビュー当時、5年後の自分の姿、活躍ぶりみたいなものって想像できていましたか？

井上想良「具体的にはぜんぜん想像できていなかったです。ずっとテニスしかやってこなかったから、最初の頃の芝居なんて本当にひどくて見てられないくらいでしたし、目の前のことに精一杯だったので。なので、こうしていろんな役をやらせていただいたり、こんなにもたくさんの作品に出られるとも思っていなかったので、本当にありがたいなと思っています」

――以前の取材のとき、『将来の夢はアカデミー賞を獲ること』とおっしゃっていましたが、何かきっかけがあったんですか？

井上想良「最初にその目標を決めたときは大雑把な理由というか、テニスをやっていた頃は、スポーツって順位や大会のサイズ、賞金とかって、わかりやすい目標があったんですよね。でも、この業界ってそういうものじゃないじゃないですか。観る人によって評価も変わるし、最初は今までの人生で経験してこなかったものだったので、ちょっと不思議な感覚でした。そんな中で、わかりやすい目標というか、何か形として認められるものってなんだろうって考えたときに、知っているものがアカデミー賞だったというのと、僕自身、映画を観ることが好きだったので、それを目標に掲げました」

――これまでの役者人生で、特に転機になったなと思う作品は？

井上想良「『永遠の昨日』ですね。W主演ですが、初めての連続ドラマ主演をやらせていただいたことと、小林（啓一）監督との出会いが僕の中では転機になりました。それまでの僕は、“誰々みたいな俳優になりたい”っていうのがすごく抵抗があったんです。でも、小林監督がいろんな僕の芝居を見て分析してくださって、『こういう作品を観たほうが良い、こういう人の芝居を観たほうが良いよ』とか、『別にその人になる必要はないけど、参考になると思うよ』って、いろんなアドバイスをくださって。小林監督に勧められたものを観て、“こういうことを言っていたんだな”って実感して、誰かに憧れることへの偏見みたいなものがなくなって、自分の考え方みたいなものも変わるきかっけとなった作品でした」

――様々な作品を経験した今、井上さんが思うこの仕事の面白さ・魅力とは？

井上想良「僕が演じたらこうなるというのを示せるところですかね。同じ作品で同じ脚本で同じ役をやったとしても演じる人によって違うし、まったく一緒ってないじゃないですか。そういう何かをゼロから作り上げる楽しさという部分に僕は今ドはまり中です」

――ドラマや映画など、この夏もいろんな作品で活躍中ですが、“夏”といえば？

井上想良「やっぱり海ですね。ただ、前までは日焼け止めもせずに何も気にせずサーフィンとか楽しんでいましたが、僕はすぐに日焼けしてしまうタイプなので、前までは日焼け止めもせず何も気にせずサーフィンとかを楽しんでいましたが、今は仕事のことがあるし、夏は絶対に日焼けできないという歯がゆさがあります。テニスも日中だったら屋根のあるところでやったり、屋外だったら夕方とか時間を選んでやったりしているので、最近の夏は、悔しい想いをたくさんしています（笑）」

――今年の夏、デビューしたいことはありますか？

井上想良「しばらく行っていないので、花火を見に行きたいです。あと、夜BBQ！ 『今年の夏、夜BBQしよう！』っていう話を、今３件くらいしています。去年もやろうって言っていたんですが、できなかったので今年こそやりたい。でも、ここ３年くらい連続で夏がめちゃくちゃ忙しいんです。誕生日が８月なんですけど、去年も仕事で忙しくて余裕がなさすぎて誕生日どころじゃなかった。仕事でスケジュールが埋まるのはすごくありがたいことなんですけどね（笑）。今年もちょっとその予感はしているので、どうなるかわからないですけど、夜BBQできたらいいなって思っています」