――共演していなくても、そういった話はされていたんですね。今回、がっつりとバディ役というのも珍しいですよね。

鈴木裕樹「初めてじゃないですか、バディは」

新木宏典「昔は敵対していたからね（笑）。僕らが出ていた『獣拳戦隊ゲキレンジャー』をリアルタイムで観ていたお子さんが、今大人になって、観劇に来てくれるかもしれない。それに、コメディ要素が入っているっていうのも新鮮じゃない？」

鈴木裕樹「2人が出たものでコメディ要素のある作品っていうのはなかった気もするし、確かに新鮮かも」

新木宏典「今回の作品は、コメディ作品ではないんだけど、キャラクターの個性で笑えるシーンになるというか、その世界観で当たり前に起きていることが、こっちの世界からすると笑えるっていうふうに表現していきたいなと思っています」

――本作のホームズは落語を愛する変人探偵、ワトソンは平凡な依頼人というキャラクターですが、新木さんと鈴木さんは２人でいる時の関係性でいうと、どちらかがしっかりしていて、どっちかが抜けている、みたいなのはありますか？

鈴木裕樹「しっかりしているのは新木のほうです。考え方や行動がちゃんとしていますからね。それ以外に何があるんだって話ではあるけど（笑）。こうやって２人で取材を受けたりする時は、僕はバランスを見て動きがちで。ここは流れ上、自分はふざけておいたほうがいいかな、とか」

新木宏典「そうだよね。ホント、よく考えてくれている」

鈴木裕樹「無理をしているわけじゃなくて、性格的にそっちのタイプなんです。新木はもう、聞かれたことに対して、全部しっかり説明するでしょ。多少話が長くなっても、噛み砕いて、理解しやすいように丁寧に」

――そうですね、ありがたいです。

新木宏典「コロナ禍で、ズキアラで配信番組を作ったんですけど」

鈴木裕樹「お!?（笑）、『ズキアラちゃんねるトキめき広場』のことですね!?」

新木宏典「そこで占いに行った時に『離れようとしている』って言われたんですよ。鈴木は危機感を感じていて、自立しないといけないと思っている。新木は面倒を見すぎて甘やかしていると感じている。その結果、お互いが離れようとしていると言われて。鈴木も考えていなかったわけじゃなくて、行動に移していない、どうしたらいいかわからない期間があったんだと思うんです。取り組んではいるけど、それが正しいのかわからないっていう。自発的に動くのって本当に難しいですからね。考えてはいるけど行動に移せない期間が数年あったので、細かく話しを聞いて、じゃあどうしたらいいのかっていうのを結構話し合いましたね」

――カウンセラーみたいなやりとりを。

鈴木裕樹「ことあるごとに背中を押されるというよりは、ケツを叩かれている感じです。本当、感謝しています!!」

新木宏典「そもそもさ、僕って怖いでしょ？怖がられがちでしょ？」

鈴木裕樹「またまた、いきなり（笑）」

新木宏典「怖い、近寄りがたいってイメージのある僕に相談してくる人には100％応えたいって思っているってことなんです。100で話しても、それをやるかどうかっていうと、やらない人のほうが圧倒的に多いのはわかっているし、だからこそ実際にやる人にはまた教えます。全力で相談に乗れば育つ後輩は育っていくし、それは刺激となり、自分が頑張る理由にもなる。出し抜きたいとか思って聞いてくる人は、だいたい、やらないんですけどね（笑）」