D-DAYS vol.191 新木宏典 | 特集 | Deview-デビュー

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D-DAYS vol.191 新木宏典

2024/01/05

「舞台『死ねばいいのに』は台詞量も多く、心の動きが相当早くて、すごく難しい課題に取り組んでいます」

新木宏典

――舞台に映像、イベントと多くの作品に携わり、またフォトブックとしては地元を紹介する『“新”発見 丹波ガイド』も発売された年でもありました。特に印象に残っていることというのは?

新木宏典「『丹波ガイド』でも着用していた、友人でもあるデザイナーのことですかね。アパレル業界って、現状、ビジネスとしてはとても厳しい世界の一つだと思いますが、そんな決して恵まれた環境というわけではないのに、今年はついに、サイトもオープンしてデザインした服の販売までこぎつけた。別の業種だからこそ、純粋に尊敬できるというか。自分も負けてられないなって、すごく刺激になりました」

新木宏典

――本日着ていた私服(撮影時の衣装とは別)も、そのブランド(V KTH MY LUCK KEY[サンクスマイラッキー])のものですね。

新木宏典「そのデザイナーとも話していたんです。やっぱり、ヘビーユーズできる服じゃないと、意味がないよねって。値段もまぁまぁするものだし、汚さないようにって気をつけながら着ているようだと、服としてもったいない。ずっと使いたいって思う服が好きだって話をしていたので、クローゼットも一新しました。僕のクローゼット、袴パンツが6本、並んでます。サイズ1とサイズ2をそれぞれ3色展開で6本。サイズ1の方が小綺麗に着られて、サイズ2のほうはラフな感じ。クローゼットがだいぶスッキリしたので、これはヘビロテしないと意味がない、意地でも着倒してやろうと思っています。飽きたら自分のせいってことで(笑)」

新木宏典

――年末らしい整理整頓が(笑)。2023年はずっと仕事づくしという感じだったんですか?

新木宏典「あ、夏にオランダ行きましたね。ギリシャ神話をやるから、行ったことのないヨーロッパに行きたいなって思って。で、スケジュールが取れたのが『オイディプス王』の東京公演が終わってからだったんです。でも兵庫公演が残っているから、その間に行って来ようと思って。知り合いがオランダで働いていたので、航空券は自分で手配して、ホテルとかはその方に手配してもらいました。僕は自分のペースで街を散歩して、のんびり読書でもして、向こうの日常の雰囲気を感じ取れたら…みたいなイメージで、本を7冊ぐらい持って行ったんです。散歩も、僕は徒歩2時間ぐらいが通常の徒歩圏内だし、歩くって決めたら、5時間くらいは歩けるんです。僕が泊まっていたアムステルフェンは、アムステルダムと隣接している市境だったので、市の中心部には歩いて行ける距離ではありましたが、その知り合いが意外と手厚くアテンドしてくれて、観光スポットにも車で連れて行ってくれました。結果的には、オランダでゆっくりするという当初の目的とは違う形になったけど、しっかり観光させてもらって、それはそれで楽しかったです。持っていった本は1冊しか読めなかったけど(笑)」

新木宏典

――ではこれからのお話も。2024年はまず舞台『死ねばいいのに』から始まりますが、ちょうど稽古が始まったばかりだとか。

新木宏典「始まりましたね。事前稽古もしていたのですが、とにかく台詞量が多いです。長台詞があるというよりは、会話の量が多いですね。1対1の会話劇を6パターンやるので、細かい会話がひたすら続くんです。会話のラリーを6人分、ひとり約20分で2時間の舞台になるっていう単純計算ですけど、一人目、二人目、三人目とどんどん変化していかなきゃいけないのですが、心の動きが相当早くて、本で読むスピードでは成立しないというか、本をそのままやろうとしたら、時間が倍以上かかってしまうので、舞台版ならではの、引き込まれるリズム感、スピード感っていうのがあるから、そこはもう気をつけてやらなきゃなと思っています。台本を読んでいた時はシンプルな作りだからこそ、舞台化しやすいかなと思っていたのが、稽古でぶっ壊された感じです。舞台版ってなると、こんなにややこしくて、こんなに緻密にやらなきゃいけないんだっという、すごく難しい課題に取り組んでいます。観劇する側も、たぶん、結構振り回されるだろうし、作品のテイスト的にスッキリするようなものじゃないから、しかめっ面で劇場を出る人も多いんじゃないかなと想像しています(笑)」

――なるほど。そして3月からは舞台『モノノ怪〜座敷童子〜』の上演も。2023年2月の『モノノ怪〜化猫〜』に続いての2作目となります。

新木宏典「『〜化猫〜』のときは飛行船シアターで270度プロジェクションマッピングができる劇場を使って映像でも見せられたので、幻想的な空間を作ることができたんです。でも今回は違う劇場で、地方公演もあるので、どういった見せ方をするのかという課題があるので、こちらもまた、大変なことになるんだろうなと。正直、一回やったからこそのプレッシャーというのもあります」

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Information

舞台『死ねばいいのに』

2024年1月20日(土)〜28日(日)紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

舞台『死ねばいいのに』

原作:京極夏彦「死ねばいいのに」(講談社文庫)
脚本・演出:シライケイタ(温泉ドラゴン)

出演:新木宏典 
津村知与支 宮ア香蓮 伊藤公一 阿岐之将一 魏涼子 福本伸一

■ストーリー
死んだ女のことを教えてくれないか―
三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。彼女と関係のある6人の人物の前に、渡来健也と名乗る無礼な男が突然現れる。
健也との交わらない会話に、苛立ちや焦燥を顕にする6人だったが、彼の言葉にハッとさせられる。問いかけられた言葉により暴かれる嘘、さらけ出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。渡来健也との対話の先にある「死ねばいいのに」という言葉が導く結末とは―。

◆公式サイト
http://stage-shinebaiinoni.jp/

Audition

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