――では壁にぶつかって凹んだときなど、気持ちを切り替えるためにやっていることはありますか？

中尾暢樹「まずは、なんで自分が今落ち込んでいるのか、何が嫌なのか、なぜこんなにモヤモヤしているんだろうっていうようなことを言語化するようにしています。“なんでだろう”っていうのをちゃんと言語化して、“これができていないから”“こういう関係だから嫌なんだ”とか、そういうことを考えるようにしていて。“だから、今自分は落ち込んでいるんだな”って、頭でわかっておくと僕はすごく楽かも。以前は嫌なことがあったり疲れたりしたら、友達と会ってただただ楽しく遊ぶっていう感じだったけど、今はまず自分とちゃんと向き合って、その上で友達と遊んだりっていうストレス発散をする。こういうことをしたら解決に向くのかな？とか、ちゃんと考えるようになりました」

――そういう風な考えになったのはいつ頃から？

中尾暢樹「本当にここ最近です。忙しくなると心に余裕がなくなって、普段だったらイライラしないことだったり、目につかないことが気になってしまうじゃないですか。これは良くないよなって思って、ちゃんとメンタルケアをしようと、いろいろと調べて自分と向き合うようになりました」

――10月には松岡広大さんとのW主演ドラマ『壁こじ』も控えてます。

中尾暢樹「BLという題材の中で、友情だったり、目標に向かって頑張っている姿や、壁にぶつかっても立ち向かっていく姿を描いているのが印象的な作品なので、青春群像劇という感じが強いのかなと。監督も『キラキラしたものを見にきたら、思いがけず心に刺さってしまった…』みたいなドラマが作れたらという話をされています。たくさんの人に見て頂けたら嬉しいです」

――松岡さんといえば、初代・うずまきナルトですね。

中尾暢樹「広大くんとは舞台「NARUTO」の話もしました。あのキツさを共感できる人も少ないので、『ヤバイよな、わかるわー』って（笑）。前回の公演も観に来てくれたみたいで、『普通に楽しく見れた自分がいた』って感想もらいました」

――さらには、11月には舞台『カミシモ』シーズン2でお笑い芸人の役も決まっていたりと、この秋はいろんな顔の中尾さんが楽しめそうだなと。

中尾暢樹「そうですね。こう思うと、僕って一貫してないんですよね、これまでやってきたものを全部見ても」

――それが良いんじゃないですかね。どんな色にも染まれるというか。

中尾暢樹「普段、空っぽだからいいのかも。けっこう役者さんってイメージがあるじゃないですか、クールな感じとか、王子様みたいとか、ヤンキー系が似合う人とか。僕はけっこういろんな役をやってきているので、何でも屋さんっていうか、カメレオン俳優っていいなと。けっこう、現場で『この作品に出ていました』って言うと、『え？ あれ中尾くんだったんだ！』『ぜんぜんわかんなかった』って言われることが多くて、それが役者としてはすごく嬉しいです」

――今後ももっともっと役の幅が広がっていくんでしょうね。この秋の活躍、さらには来年以降の活動も楽しみです。

中尾暢樹「どうなっていくんだろう、僕もわからないな〜。自分でも想像がつかないからこそ、すごく楽しいんだと思います。もちろん、なんとなくわかっているスケジュールはあるけど、今年でいえば、いきなり映画の撮影が入ったり、『壁こじ』のオファーをいただいたり、そういうのが楽しい。自分が知らない僕を見つけてくれることが多いので、関係者のみなさん、待ってます!!!（笑）。来年は来年で僕の考えも変わっているだろうし、何があるんだろう？ どうなっていくんだろう？って僕も楽しみです！」