――2.5次元舞台のような、原作やアニメ、実写化など様々なメディアミックス展開されている作品を演じる際、どんな風にして役作りをされているのでしょう？

中尾暢樹「僕は中身を作れば外側が勝手にできていくと思っていて。アニメの声に似せようとかではなく、芯をしっかりと作ったらアッくんの声やしゃべり方になっているのかなと。アッくんはこういう人生を送ってきたからこういうしゃべり方になるとか、なんでタケミチにそういう言葉を言うのか、そういう部分を理解したら、自然とアッくんのしゃべり方、動きになっているのかなと思って作っています」

陳内将「僕が一番最初に役作りするのは、声かもしれない。でも、それはその声で全部しゃべろうとかではなくて、アニメを観たときに真似するだけ。ドラケンだったら『おーい、キヨマサ』っていうセリフに対して、最初の音に自分の声をどこまで下げられるか、『おーい、おーい』って何回かやってみる。その時に真似するだけ真似して、あとは台本覚えるときとか稽古のときには、何も気にしないでしゃべれるようになっている感じかな。あとは暢樹と一緒で中身を重視してやってますね。ドラケンに関しては、わりとプライベートからそれに近い人であろうとはしていたかもしれない。稽古場とかでもいっぱいしゃべったりふざけるようなことはせずにいたし。エーステで天馬を演じるときはイジられキャラだから、現場でもみんなからイジられることが多いんです。だから、大変なんですよ、現場によってはめっちゃイジられたり、めっちゃ頼られたり、いろいろなので（笑）」

中尾暢樹「僕はそういうの全然ないかも」

陳内将「暢樹はどの現場でも暢樹のままだよ（笑）」

中尾暢樹「そうですね。どの現場に行ってもプライベートは変わらないな〜」

――ちなみに、タケミチがタイムリープするのは中学生時代ですが、お二人はどんな中学生でした？

中尾暢樹「受験して中学に入って、部活始めたけどあまりハマらなくて、そのまま幽霊部員になってしまって。毎日くだらないことしながら過ごしていて、何しよう…ってすごく悩んでいたかも。まわりのみんなは部活や勉強を頑張っていたけど、自分には夢中になれるものがなくて…。“何か始めないと！”“何かやってみよう”ってずっと思っていて、それで高1の時に養成所に入ったんですよね」

――その頃になんとなく、役者への憧れみたいなものがあったんですか？

中尾暢樹「いや、一切なかったんです。将来の夢とかもぜんぜんなくて。たまたま読んでいた雑誌にワタナベの養成所の告知があって、本当にテキトーに応募した感じで。でも、それがきっかけで、今こうしてお仕事できているので、その選択がめちゃくちゃデカかったなって思います」

陳内将「僕は部活も勉強も頑張って、恋もちゃんとして、かなり充実していたかも。ただ、1つ心残りなのはアメリカに住んでいるおばさんが、僕が中3の夏に『1ヵ月こっちに来たら、ホームステイさせてあげるし、英語をしゃべれるようにしてあげる』と言ってくれたんですが、野球部と天秤にかけた結果、行かなかったことを未だに悔いています。ホームステイして英語をしゃべれるようになっていたら、役者として武器になっていたかもな〜と」

――陳内さんの中学時代の夢は？

陳内将「僕も中学のときは何も夢がなくて。中学で夢が見つからなかったから、高校は進学校に入って、高校でも夢が見つからなかったら、大学に行って…。大学生のとき、暢樹と一緒で、たまたま雑誌でワタナベの養成所のオーディションを見つけて、ノリで応募したっていう。だから、本当に良かったよね、芸能という仕事に巡り会えて」

中尾暢樹「本当にそう思います」

――天職を見つけることができたんですね。では最後に、3月は卒業シーズンということで、ついついやってしまうけど止めたいなと思う、お二人の“卒業”したいことを教えてください。

陳内将「寝る前の“最後の1杯”を止めたい。寝る直前まで飲まずに、飲み終えてから寝るまでの時間は飲まずに、お水とかにして、寝られるようにしたいです」

中尾暢樹「休日に二度寝してしまうことをやめたいです。次の日が休みとなると、漫画や映画を見ながらお酒を飲むことが多くて、ついつい夜更かしをしてしまうんです。最近は、東京リベンジャーズのアニメを見返してます」