――『マミィ！』の後、9月には劇団時間制作プロデュース舞台『ヒミズ』、11月〜12月にかけてはgood morning N°5公演『異常以上ゴミ未満、又は名もなき君へ』も控えています。作品が作品を呼ぶ、という経験も多いのでしょうか。

三津谷亮「『ヒミズ』は、去年やった朗読集『ヴィヨン』のときに、プロデューサーさんが『三津谷くんに合いそうな劇団があるんだよ』と繋いでくださいました。その次の『異常以上ゴミ未満、又は名もなき君へ』も、今年、新橋演舞場でやった『お染与太郎珍道中』で共演した八嶋智人さんが、『good morning N°5って知ってる？ 三津谷、合うと思うよ』って言ってくださっていて。そんなときに、マネージャーさんから別経由で出演の話が来て、これも何かの縁かなって思いました。この間、good morning N°5さんのワークショップがあったのですが、休憩中に過去に僕が出た作品の話をしたら、『あれにも出てたんだ』『この劇団も経験してるんだね』ってなって、“じゃあ、次はこういう表現でやってみて”という流れになったんですね。たとえば、“キャラメルボックスっぽい芝居をしてみて”みたいな。こちらも経験しているから、出しやすいですし、そのやりとり自体がコミュニケーションになる。そんなやりとりも含めて、この前のラジオで植本純米さんが『三津谷はバランスがいいよね』と言ってくださったのが、とてもうれしかった。小劇場から2.5次元作品までいろんな作品に出ていることで、演劇人が2.5次元作品を、逆に2.5次元から役者を追いかけて小劇場作品を観に来てくださる可能性が出てきますから。観るほうも、出るほうも、食わず嫌いがなくなればいいなと思っています」

――『ヒミズ』では、舞台オリジナルのキャラクターを演じるそうですね。

三津谷亮「はい。僕、マンガを読むのが遅くて、普段、1冊読むのに2時間かかるのに、『ヒミズ』は30分くらいで一気に読めたんです。作品のパワーがものすごくて、惹き込まれました。僕が演じるのは、主人公にしか見えない“ソレ”という役。ビジュアル撮影の段階で、『意思を持った目というよりは、ただそこにいるだけでいい』と言われたんですが、それ一番難しい！となりました。早く台本を読んで、いろいろ作戦を考えたいんですが、もしかしたら、それ自体もいらないのかもしれない。主人公の感情を投影する感じなのかなと、いろいろ思いを巡らせています」

――三津谷さんの作品を追いかけるだけで、いろんなジャンルの舞台に触れられますね。

三津谷亮「たぶん、（舞台『刀剣乱舞』の）骨喰藤四郎から入ったとしたら、最初はびっくりすると思います。今やっている『マミィ！』も、自分と似ているようで、非なるものというか。ただ、骨喰藤四郎をやっているときも、“いつもはっちゃけているのに、なんであんな儚げな芝居ができるんですか!?”ってインスタライブで言われたんですけど、まぁそれが役者ですから…（笑）。これからも、いろんな役、作品を楽しんでもらえたら幸いです」