連載「D-DAYS ＋Plus」vol.213 宮�ｱ秋人＆綱啓永

――スポーツなど、例えばテニスなんかだと上手い人とやるとラリーが続いたりするじゃないですか。そういうことが芝居でも起こるのかなと。

宮�ｱ秋人「芝居もそうですね。自分のことはさておいて、上手い人とやると芝居って本当にやりやすくなるんですよ。これまでいろんな先輩たちとやらせてもらってきて、自分も実感してきたことなので、自分もそうなれたらいいなっていうのはあります。ちゃんと相手に開いてお芝居すれば、きっと答えてくれるだろうなと思っているので、素直にやるだけですが」

綱啓永「わかります。やっぱりベテランの方とお芝居すると、引っ張ってもらう感覚というか。向こうが着火してくれて、こっちは受けの芝居で連れて行ってもらうという感覚は、僕も経験したことがあります」

宮�ｱ秋人「違う作品になったときの再現性というのは一切ないんだけどね。自分で引き出したのではなく、その人のおかげで引き出してもらったわけだから、“どうやったっけ？”となる。例えば、車のすぐ後ろを自転車で走っていると、風の滞留ですごい自転車って引っ張られるんです。一生懸命漕がなくても。『弱虫ペダル』のドラマをやっていたとき、それをずっと感じていたんですけど、上手い人と芝居するのって、そんな感覚なんですよね。頑張らずとも、いろんな感情が沸き起こってくるし、神経が細かくなっていくし、周りから褒めてもらえたりした」

綱啓永「そうなったらいいな。楽しみです！」

宮�ｱ秋人「大先輩の玉置（孝匡）さんと朝海（ひかる）さんもいるからきっと大丈夫！（笑）」

――トー横キッズたちに深く関わる役柄を演じるお二人ですが、それぞれに10代の頃のことを振り返ってみて、大人になったなって感じることはありますか？

宮�ｱ秋人「ドリンクバーでジュースを混ぜなくなったことかな（笑）。10代の頃はとにかくいろんなジュースを混ぜていたんですけど、もう混ぜようとも思わなくなったので大人になったなぁと。ポジティブな意味で大人になったっていうの、難しいですね。なんか自分、丸くなっちゃったなぁってなる。20代の子だってキラッキラしているし、時間と能力の使い方も考え無しなのがいい。経験してやり方を覚えてしまったら、つい省エネになるんですよ。生き方も何もかも効率が良くなっていく。それでいいんでしょうけど、ちょっとつまらないかも、とも思うことがあります」

綱啓永「僕もいろんなところで、クーポンとか使わなくなりました」

宮�ｱ秋人「それは大人になったというより、売れたってことだな（笑）」

綱啓永「いやいや！ あと、この仕事をしてるからというのもあって、人の目を気にするようになりました。学生時代は何もかもが自由で、当時のほうが人生を楽しんでいたかもしれないです」

宮�ｱ秋人「SNSが本当に浸透したから、余計に大変だよね。SNSで拡散されることが世の理みたいになってしまったから。切り取られて、誤解を受ける可能性があったりして。スマホで写真とか、よく撮る？」

綱啓永「ご飯屋さんでステーキとかパフェとか、全部写真撮ります。どこかにあげるとかじゃなくて、写真に収める癖というか（笑）」

宮�ｱ秋人「そうなんだ!? それは収めないなぁ。すぐ食べちゃう。携帯のカメラ機能、ほとんど使わない。最近は現場でもずっと一眼（カメラ）を持ち歩いていて、オフィシャルカメラマンかってくらい、人はたくさん撮っています。“みんな、SNS用に使ってね”って。だから自分の写真が全然ないんです（笑）。今回も現場に持っていくから、綱の写真もたくさん撮るね」

綱啓永「やったぁ！ 僕も秋人さん、撮らせてください。デジタルカメラは持っているので。ただ、全然使いこなせていない……」

宮�ｱ秋人「慣れないと難しいよね。僕も綱と同じカメラ持っていたから、使い方教えるよ」

綱啓永「やった！ よろしくお願いします！」