D-DAYS vol.143 和田正人×中尾暢樹 | 特集 | Deview-デビュー

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D-DAYS vol.143 和田正人×中尾暢樹

2020/01/07

「2019年はいろいろやらせていただき、どれもとてもいい経験になったのですが、中でも『あな番』は大きかった」

和田正人×中尾暢樹和田正人

――2019年を振り返って、それぞれに感じたことを教えてください。

中尾「2019年はいろいろやらせていただき、どれもとてもいい経験になったのですが、中でも『あな番』(ドラマ『あなたの番です』)は大きかったですね。それまで、僕は同年代と一緒の現場が多かったし、いろいろな世代の人たちやキャリアのある方々に囲まれてやる作品って、ほどんど経験がなくて。だからすごく怖かったんです。特に住民会議のシーンでは、そうそうたる面々が並ぶ中、カメラも7つぐらいあって。長回しで撮っているときに自分がNGを出したらやり直しだ!と、とても緊張しました。生瀬(勝久)さんは毎回芝居を変えられたりしていて、すごいなぁと本当に勉強になった現場でした」

和田「2019年は……確か、映画『Fukushima 50』の撮影から始まったのかな。振り返って思うことは、1年を通してすべての作品が自分の血肉となるような、本当に幅広い現場を経験させてもらいましたね。自分の引き出しや枠を広げてくれるような、多岐に渡る作品に携われたなと。なんだかんだで、2019年は15、6役ぐらいやったんじゃないかな」

中尾「すごいですね!」

和田正人×中尾暢樹

和田「ドラマのゲスト出演も含めたら、それぐらいになっていたのよ。2019年、2020年と、これから役者として歩んでいく上で、また新たな種を蒔けた、面白い1年でした。僕は中尾みたいに、学園ものとか、恋愛系の作品はやってないからね。デビューしたのが25歳だから、もう制服って年でもなかったし(笑)。そもそも、すぐにテレビとか出られなかったから。舞台で経験を積んで、オーディションをいっぱい受けて、ようやくドラマに出られたのが28歳ぐらいのときだった。そういう意味で、中尾が今からいろんな経験ができているっていうのは、すごく得なことだと思う。今しかできない役をしっかり頑張ったほうがいいよ」

中尾「そうですね。僕も23歳になって、役の幅が少しずつ広がってきました。子供がいる役もできましたし、芝居のほうも、ようやく少しだけわかってきた感じがするんです。新たな気持ちで、スタート地点に立てた年だったのかなと。和田さんみたいに、いろんな役を任せてもらえるっていうのは、役者としては憧れますね」

和田「何も考えてないんだけどね(笑)。こんな役がやりたいとか、そういうこだわりは全然、なかった。おもしろいことがしたい、おもしろい作品に携わりたいってだけ。今は、ただお腹を満たすためじゃなく、本当に美味しいものだけ食べたいっていう心境で、1作品1作品を大事にしたい。たとえ、おもしろくないなぁと感じたとしても、どうしたら自分がおもしろくいられるかを考えたりして、仕事の取り組み方も変わってきたんです。どんな現場、作品でも真剣に向き合っていれば、自然と自分が目指している方向に導かれていくんだなと」

和田正人×中尾暢樹中尾暢樹

――中尾くんや、デビューを目指している若い世代の人たちに、何かアドバイスはありますか?

和田「僕と同世代の役者がこの間、『今の若いやつは、本当に挨拶ができない』と、かなりシビアに話していて。中尾はちゃんとできていると思うけどね。僕らって、上も下もいる、ちょうど中間の世代みたいなもので。だから僕らが上手いこと、調整していかないといけないなと思いつつ、確かに、“この子、ちゃんと挨拶できていたら、それだけでいろんなことが上手くいくのになぁ”って思うことはあるなと(笑)。みんな、魅力があって、芝居ができる上でここにいるわけで、基本、いい子が多いんです。だからこそ、そこに一つ行動をプラスするだけで、状況がまた変わると思うんだよね。わざわざ先輩に挨拶に行くとか、古いって思うかもしれないけど、自然にそれができたら“ちゃんとした子だったな”“礼儀正しかったな”って、印象に残るもんなんですよ」

中尾「なるほど。勉強になります」

和田正人×中尾暢樹

和田「“タイミングが合えば挨拶しようかな”っていうのは、誰でもできること。活躍している若手ほど、ちゃんとやっているんです。“若いから仕方ない”でスルーしてしまうのは、僕ら大人が責任を放棄していることでもあるのかなと。“わざわざそんなこと言って、めんどくさい人だなって思われたくない”とかね。でも、そのめんどくさいことを僕らの親や先生はやってきてくれた。たかが挨拶だけど、本当に大事なんですよ。お互いが気持ち良くなれるし、いいコミュニケーションが取れれば、芝居にもいい影響を及ぼす。これ、絶対に役立つから!」

中尾「はい!」

和田正人×中尾暢樹

――オーディションでも挨拶は大事ですからね。では、それぞれ最新のお仕事情報の告知をお願いします!

中尾「僕は1月24日から公開の映画『シグナル100』に出演します。主演の橋本環奈さんをはじめ若手女優・俳優が勢揃いで、スーパー戦隊シリーズや仮面ライダー出身の子も多いんです。メインキャストだけじゃなく、全員に役名があり、横並び感が感じられる、とてもいい現場でした。その現場は、みんな、挨拶もちゃんとしていましたよ(笑)。ある特定の行動を取ると自ら命を絶ってしまう“自殺暗示催眠”をかけられた生徒たちがによるデスゲームが描かれる作品なんですが、特殊メイクやCG技術など、今までにない撮影の裏側は、見ていてとても楽しかったです。同期の(東)啓介も初めての映像作品だって言っていたから、その初映像で一緒に仕事ができて嬉しかった。人数が多い分、キャラクター描写の芝居やリアクションは、やや大きめにやっていて。登場人物は多いけれど、それぞれどういうキャラクターの子なのか、わかりやすいと思います」

和田正人×中尾暢樹

和田「僕は3月に映画『Fukushima 50』が公開されます。原作は、震災後、福島第一原子力発電所で働いていた50人の闘いを描いたノンフィクション。原発に対しての賛否という映画ではなく、ただただ、当時、何が起こっていたかを描いています。“感動作!”という作りではないのに、観終わったあとに心が鷲掴みされて、僕は涙が止まらなかった。日本人であるからこそ、こんな感情になってしまうんだなと。震災を経験した誰もが、多かれ少なかれ心に傷を負った。そこをえぐるような話ではなく、日本はこれからどうしていくべきなのかを考えるキッカケになる作品だと思います。いつか、3.11が記憶から記録になる瞬間がやってくる。だからこそ、この映画はこの先もずっと存在していなきゃいけない。それと、この映画で共演させてもらった渡辺謙さんとは、今度『ピサロ』という舞台でも共演させていただきます。約2ヵ月のロング公演だったり、海外の演出家など、新しい挑戦になるので、今からこちらも楽しみです」

Special Movie

和田正人×中尾暢樹が2020年の抱負を明かす

PROFILE

和田正人(わだ・まさと)●1979年8月25日生まれ、高知県出身。近年の主な出演作は、映画/『花戦さ』、『関ケ原』、『空母いぶき』、ドラマ/平成29年 大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)、連続ドラマW『東野圭吾 肩想い』(WOWOW)、日曜劇場『陸王』(TBS)、『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」(日テレ)、ドラマBiz『ラストチャンス 再生請負人』(テレ東)、フジテレビ開局60周年特別企画「教場」、舞台/『光より前に〜夜明けの走者たち〜』など。今後、2月1日 (土)深夜0:58スタートのドラマ『LINEの答え合わせ〜男と女の勘違い〜』(読売テレビ)、3月13日より上演されるPARCO劇場オープニング・シリーズ第1弾「ピサロ」への出演が控える。。

中尾暢樹(なかお・まさき)●1996年11月27日生まれ、埼玉県出身。主な出演作は、ドラマ/EX『動物戦隊ジュウオウジャー』、FOD・CX『パフェちっく』、MBS・TBS『マジで航海してます。〜Second Season〜』、MBS・TBS『文学処女』、tvk・KTVほか『今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?』、『あなたの番です』、MBSドラマ特区『カカフカカーこじらせ大人のシェアハウスー』、TOKYO MX『おやすみ、また向こう岸で』、AbemaTV『フォローされたら終わり』、映画/『チア男子!!』、『殺さない彼と死なない彼女』など。

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Information

映画『シグナル100』
2020年1月24日(金)全国ロードショー

『シグナル100』©2020「シグナル 100」製作委員会

宮月新、近藤しぐれの25万部以上を売り上げる同名ベストセラーコミックを実写映画化。突如として自殺暗示催眠をかけられた36人の高校生たち。自殺催眠発動のシグナルは全部で100。死の暗示を解く方法はクラスメイトの死のみ……。平和な日常が崩れ去るリアルな恐怖、「シグナル100」の謎……。ゲームは動き出したら、止めることができない。その結末は、原作とは異なるオリジナルとなり、想像を絶する展開へと発展していく―。

映画『Fukushima 50』
2020年3月6日(金)全国ロードショー

『Fukushima 50』© 2020『Fukushima 50』製作委員会

2011年3月11日。東日本大震災によって福島第一原発は危機的状況に陥る。 原発内に残り、事故の収拾にあたった地元福島出身の作業員たちは海外メディアからFukushima 50(フクシマフィフティ)と呼ばれた。あの中で本当は何が起きていたのか? 真実は何か? 東日本壊滅の危機が近づく中、苦渋の決断を迫られる彼らが胸の内に秘めた思いとは?
豪華キャスト・スタッフ、日本映画最大級のスケールで贈る超大作。

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