陳内 将×池岡亮介 - D★DAYS Vol.88 | Deview-デビュー

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vol.88

「(出会った当時)亮介はまだ高校生で、すごく真面目な子に見えてた。でも、知れば知るほど、ボロが出ていったよね(笑)」(陳内)

陳内 将×池岡亮介

撮影/草刈雅之 取材・文/根岸聖子

陳内 将
陳内 将
池岡亮介
池岡亮介
――改めまして、2人の出会いのエピソードなどありましたら、細かく教えてください。
陳内「最初に会ったのはレッスンのときです。まだD2というグループもなくて、(池岡に向かって)『太郎』って呼ばれてた頃ね」
池岡「そうだそうだ! レッスンで先生が僕らひとりひとりにあだ名をつけていて、僕が“太郎”だったの。陳内さん、なんだっけ?」
陳内「俺はJJ。(山口)賢貴がリゲイン、阿久津(愼太郎)がリョウだった。当時、石川遼くんに似てるってことで。で、(山田)裕貴がニンニン。“忍者が好き”って言ったから」
池岡「うわぁ、懐かしい〜! あのときはまだ緊張してたし、みんなに気を遣ってたんだよなぁ。絶対に“さん”か“くん”をつけて呼んでたし。同期で年下の阿久津でさえも、『阿久津くん』って言ってた(笑)」
陳内「亮介はまだ高校生で、無口だったから、すごく真面目な子に見えてた。暗記ゲームみたいなことをやったときも強くて、“お〜秀才な子が来たぞ”と。でも、知れば知るほど、ボロが出ていったよね(笑)」
池岡「最初に“イイ子でいなきゃ”っていう立ち位置作っちゃったのが良くなかった(笑)。結構、悩んだ時期もあったんです。D2というグループの中で、自分のキャラや個性を出さないといけないし……っていう。その悩みを(土屋)シオンと電話で話し合ったりもしたなぁ。『どういう方向性でいったらいいのかな? いけぴーも悩んでるんでしょ!?』って」
陳内 将×池岡亮介
――初々しい(笑)。今はリラックスして話せる間柄の2人ですが、最初は先輩として“怖かった”とか、“緊張した”っていうのはありました?
池岡「そりゃあ、怖かったですよ!」
陳内「えぇ、俺が!?(笑)」
池岡「最初はね。でも、事務所のショップで1日店長的なことを2人でやったとき、陳内さんが『お互いタレ目だよな』って言ってきて。『名前つけようぜ』って、そこで2人で一緒に写真を撮って“タレ目〜ズ”って命名したの。あのとき、フレンドリーに話しかけてくれたから、“あ〜なんか兄ちゃんっぽいな”って緊張が解けた」
陳内「そっか〜。俺、第一印象だと怖いんだなぁ」
池岡「うん、怖いよ。怖い顔してるぜ!(笑)」
陳内「え〜そう!? そういえば前山(剛久)も、『最初、超ビビッてた』って言ってたもんなぁ」
池岡「先輩だからっていうのもあるけどね」
――距離が縮まったのは、いつぐらいから?
池岡「ミュージカル『テニスの王子様』のあとくらいかな」
陳内「俺さ、18歳、19歳、20歳の亮介の誕生日、全部ご飯連れて行ってるよね?」
池岡「うん。それが『テニス〜』終わってからなんだよ。最近は話す機会も増えたこともあって、陳内さんの役への入り方は本当にズバ抜けてるなって思った。集中力、熱さとか。陳内さんの話を聞いてると、自分もここまでしっかり考えないとダメだなって」
陳内「いやいや(笑)」
陳内 将×池岡亮介
――では、それぞれの最新のお仕事の話も。まずは陳内くんは『東海道四谷怪談』ですが、舞台『龍が如く』が終わってすぐ、稽古に入ったとか。
「そうです、舞台が終わった2日後に読み合わせがあったんですが、『龍が如く』ではヤクザの役で、普段からわざと声をつぶしていたので、すごいガラガラ声だったんですよ。それが『東海道四谷怪談』での役が女形なので、最初、全然声が出せなくて。“これはヤバイ!”と思っていたら、2、3日でガラガラ声も落ち着いてきたのでホッとしました。今は体重を落として、体を細くしていってます。たぶん、そんな無理なダイエットをしなくても、勝手に痩せていくと思うけど」
池岡「女形ってどう?」
陳内「難しい。日本の、和の古典作品だから、所作とかもあるしね。歌舞伎口調で独特な話し方だし、勉強しようと思っても、特に参考資料もない。稽古場で、それを知っている人にアクセントを確認してもらいながらやっている感じ。初日から稽古もみっちりやっているから、台詞のアクセントをきちんと勉強しつつ、稽古にしっかりついていけば、自ずと役として出来上がってくると思っています。稽古が進むにつれて、自分でもいいほうに変化が出てきてるって実感もあるし」
――池岡くんは、7月後半、夏休みシーズンに舞台『時をかける少女』に出演。映像作品として有名ですが、舞台化はなんと初なんですよね。
池岡「そうなんです。キャラメルボックスさんの30周年記念ということで、演出の成井(豊)さんが本当にやりたいものを……ということで企画し、原作者からOKをいただいたと」
陳内「それがキャラメルボックスのすごいところだよね。原作があって、映像化もされている作品を舞台化して、しかもすっごく面白いっていう。例えば『容疑者Xの献身』『鍵泥棒のメソッド』とか、いろんなジャンルの作品を舞台化しているのは、本当にすごいと思う」
陳内 将×池岡亮介
――二人はキャラメルボックスの作品に客演しているという共通項もあるわけですが、縁あって舞台に出演できてよかったと思うのは、どんなところですか?
陳内「僕の場合は、キャラメルボックスとコラボしたDステ15th『駆けぬける風のように』が、役者としてターニングポイントになったんです。これまで演じてきた役柄も考えて、僕という人間を沖田総司にキャスティングする人って、たぶん、少ないと思うんです。沖田の役はオーディションだったんですけど、あえて抜擢してくれた成井さんには本当に感謝していますし、自分はこういう役をやってもいいんだと思えた。正統派な役も、やればできるんだ!と。クセのある役柄が多かった自分だけど、正統派なキャラクターはむしろ、肩の力が抜けた状態でできたんです」
池岡「僕も、こんなに信用してくれるんだ!?という驚きがありました。客演でしかも最年少なのに。Dステ14th『十二夜』での僕を見てくださって、『涙を数える』で当て書きをしてくれたんですけど、『あのときの感じでやってくれれば大丈夫!』って言ってくださって。カンパニーの皆さんも、『池ちゃん、やりたいことやりなよ』と受け入れてくれた。なので、僕も好きなようにやらせていただきました。それを皆さんがバックアップしてくれたので、本当に心強くて。キャラメルボックス初参加で最年少の、まだキャリアの浅いのに信頼してもらえたこと自体、嬉しかったし、その分、“応えたい!”っていう気持ちも強くなりました」
陳内「わかる! 意識しなくても自然体で舞台に立てるんだよね。リラックスして芝居ができるから、心に余裕もあって視野が広くなるし、他の人の台詞もすっと心に入ってくる。キャラメルボックスのお芝居って、客席から観てると台詞のテンポが速くてポンポン進んでいくように見えるけど、舞台の上にいると、それが自然というか、特に速くは感じない。しかも、俯瞰で自分を見つめながら、自然に役として生きられるという、すごくいい状態でお芝居ができるんです」
池岡「そういう環境を作ってくれるというか、稽古場でも自然に出来上がってるんだよね。“悩んで悩んで作っていく”というよりは、お芝居に集中してみんなが楽しんでいる感じ。その中にいると、自分も余計なことは考えずに、同じように“楽しもう!”となれるのが嬉しかったな」
陳内「俺、もう“準劇団員”くらいの気持ちでいるよ。あくまでも気持ちの上でだけど(笑)」
池岡「僕は客演2回目だからね。そんなキャラメルボックスの30周年記念作品に携われて、本当に幸せです! 夏の『時をかける少女』に向けて、しっかりと準備に時間をかけて臨みます!」

撮影/横井明彦 取材・文/根岸聖子

陳内 将 陳内 将
じんない・しょう
1988年1月16日生まれ、熊本県出身。ワタナベエンターテインメント所属。主な出演作に、『特命戦隊ゴーバスターズ』(テレ朝系)、キャラメルボックス30th vol.1「クロノス・ジョウンターの伝説『パスファインダー』」、初主演映画『ガチバン NEW GENERATION』など。
池岡亮介 池岡亮介
いけおか・りょうすけ
1993年9月3日生まれ、愛知県出身。ワタナベエンターテインメント所属。『7Days BOYS〜ボクタチの超育成計画〜』(tvkほか)に出演中。8月1日公開の映画『コープスパーティー』に出演。10月に上演されるDステ17th『夕陽伝』にも出演決定。
東海道四谷怪談
舞台『東海道四谷怪談』
6月10日(水)〜28日(日)
新国立劇場 中劇場
1825(文政8)年、江戸三座のひとつ、中村座で初演された、四世鶴屋南北の代表的な芝居、『東海道四谷怪談』。初演以来、本家の歌舞伎は言うに及ばず、平成の今日まで、落語、現代劇、映画、テレビから絵画、漫画、アニメーションまでジャンルを越えて様々なかたちで繰り返し上演、上映されている人気作。
時をかける少女
キャラメルボックス 30th vol.3『時をかける少女』
【東京公演】7月28日(火)〜8月9日(日)サンシャイン劇場
【大阪公演】8月20日(木)〜24日(月)サンケイホールブリーゼ
キャラメルボックス創立30周年記念公演の第三弾。1983年に原田知世主演で映画化されて以降、映画、ドラマ、アニメなど、幾度となく映像化されている人気作品『時をかける少女』(原作・筒井康隆)が、ついに初の舞台化! 原作者の許諾を得て、『時をかける少女』で描かれた、その後を描く。


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