アニモプロデュース運営「アニモ俳優・声優養成所 Animo Actors Source」訪問取材|読者レポーター企画「TeamD」Vol.11
2024/02/10
新人養成の責任者と映像製作プロデューサーにインタビュー!
【お話して下さったのは】
アニモプロデュース
アーティスト養成事業部 部長
田中秀一さん
企画・製作事業部 部長
プロデューサー
前原美野里さん
――俳優、声優のマネジメントから映画製作・配給まで行われているアニモプロデュースさんですが、会社の特徴や強み、社風について教えていただけますか?(ゆいさん)
前原さん「アニモプロデュースは、アーティストのマネジメント事業、映画の製作・配給の事業と音響制作の事業、養成所のアーティスト育成事業と、とても多岐にわたる事業を展開しているのが一番の特徴だと思います。それを踏まえての“強み”なんですが、各部署の垣根を越えて、例えばドラマや映画を製作するときに自社のアーティストを起用したり、養成所の生徒さんがオーディションに参加したり、エキストラとして現場を経験したり、そうしたことを出来るのが他にはない強みかなと思っています」
――今回新しいスタジオを見学させていただいたんですが、このスタジオの魅力や、こだわりのポイントがあれば教えてください(ななうみさん)
田中さん「俳優志望から声優志望の方まで幅広く受講していただいているので、発声や滑舌などの演技の基礎的なトレーニングだけではなく、ダンスやアクションなど、さまざまなレッスンのニーズに対応できるスタジオを作りました。今取材をしていただいているのが一番広いスタジオAなんですけれども、ここでは主に演技のトレーニングやダンスレッスンなどを行っています。別のフロアには講義が中心のスタジオB、アフレコ実習ができるスタジオCを作り、即現場に人材を輩出できる体制を整えています。養成所のトレーニング以外でも活用していて、例えばドラマや映画のオーディション会場や打ち合わせ場所としても使っています。また撮影前のリハーサルを行う場所としても十分に活用できる広さがあります」
――アニモ俳優・声優養成所が養成所生を育成する際に、特に大事にしていることを教えてください(ゆいさん)
田中さん「カリキュラムを作成する上では、演技の基礎を身につけることを大事にしています。基礎といっても広いのですが、喋る技術や、相手を意識してお互いに影響を与え合うこと等について、理屈ではなく実際に体感して身につけることを重視しています。それが結果的には俳優・声優のどちらのジャンルにも対応できる人材を輩出することに結びついています。ただし、基礎のレッスンだけでは、みんな同じような演技になって個性がなくなってしまうことが危惧されます。やはり、自分にしかできないお芝居、自分の個性を見つけることがそれを突破する力になるんです。基礎を身につけながら、いつかぶつかる壁を突破するための自分の武器・特徴を養うということを同時に行う。それがうちの特徴かなと思います」
――養成所のレッスンでは、どんな人が伸びていくのでしょうか?(ゆいさん)
田中さん「今、これに人生をかけているんだなという熱意や情熱を感じる方、そしてコミュニケーション能力の高い方が上へ上がっている傾向があると思います。それは仲間同士のコミュニケーションや、我々事務局や講師に対する関わり方、はたまた養成所外の活動で人脈をどんどん作ったりと、自分の環境を増やしていけているような方が、やはり短時間で結果を出している印象があります。それは行動力や意思の強さと言えるかも知れません」
――養成所からアニモプロデュースに所属されたり、デビューされる方はどんな方ですか? またアニモプロデュースさんが今求めている人材についてお聞きしたいです(ななうみさん)
前原さん「養成所では半年に一回査定が行われるんですが、その際に弊社代表の成をはじめ、私のような製作側のスタッフやマネージャーが、半年間の成長度合いや実力の現在地をチェックします。そこで主にマネージャー陣が現場で仕事ができると判断した人が採用されます。よく成は“プロとアマの違いは、お芝居でお金が稼げるかどうか”だと言うのですが、まさに現場で仕事ができるプロになれるかという部分を見ています」
田中さん「養成所を担当している者からしますと、マネージャーが“こういう現場で活躍できそうだな”というイメージが湧く人かどうか、ではないかと考えています。演技が上手いんだけど、なかなか所属できない方もいるんですが、活躍してくれそうな期待を感じさせることができた人が所属に繋がっているように思います」
前原さん「そうですね。実際に営業する時に、マネージャーが“こういう役ができますよ”と、具体的にプロデューサーや監督にプレゼンが出来ることが大事で。そういう売れるポイントや強み、特徴があると有利だと思います」
田中さん「アニモ俳優・声優養成所は、“こういう人を使ってほしい”というマネジメント部門と、“こういう人を使いたい”という製作部門の両方のニーズを掴んでいるので、査定の確度が高いと思っています」
――アニモプロデュースは映画の製作も行っていますが、それは具体的にはどんなお仕事なのでしょうか。現在公開中の映画『笑いのカイブツ』などの例を教えてください(ゆいさん)
前原さん「『笑いのカイブツ』は、アニモプロデュースが企画・製作・プロデュースを行っています。映画はまず一番最初に“こういう作品を作りたい”という企画を立ち上げることから始まるんですけど、本作もアニモプロデュースが企画立案をしています。小説が原作なんですが、それを誰が脚本にして、誰が監督をするか、そして主演の俳優さんは誰がいいかというキャスティングまで、企画開発を一から行なっています。製作はそこからさらに撮影や、撮影した後に映画として仕上げていくまで、トータルで弊社で行っています」
――大変な大掛かりな作業ですね!(ゆいさん)
前原さん「そうですね。この映画で言えば、2018年から準備をして、企画を立ち上げてから3、4年経って撮影をして、公開は今年、2024年になりますので」
――私が想像していた5倍以上の期間でした!(ゆいさん)
前原さん「その後も、映画館での公開が終わったらDVDを出したり配信をしたりと、ずっと作業が続いていくので、とても長い期間関わっていますね。この作品もオーディションをたくさん行って、多くの俳優さんや芸人さんに出ていただいていますし、うちの所属俳優や養成所生もたくさん出演してくれているので、私たち映像製作のスタッフだけではなくて、アーティストマネジメント事業部、養成所のスタッフのみんなで作り上げたという気持ちです」
田中さん「養成所の俳優志望のメンバーにとっても、現場経験を積めるという意味で非常に助かっています」
――養成所生の段階から現場に繋がっているから、即戦力のメンバーが生まれるんですね(ゆいさん)
田中さん「半年に一回の査定以外でも、自社の作品の現場に出ることで、実際にプロデューサーがレッスン生を現場で見ることができるので、それもアピールの場の一つになったりするんです」
前原さん「『笑いのカイブツ』の場合は、仕上げの時に、例えば車の中で流れるラジオとか、主人公のお母さんが観ているテレビの音声だったりとか、いろんなところでアニモの養成所生がアフレコを行っていて。映像に出ていないところでも、よりリアルな世界観を作るために、それぞれができる形で参加してくれています」
――それを知っているとすごく楽しいですね、もう一回見直さないと(笑)。例えば、実際に映画を作られている方々が、今求めているのはどういう人材なのかを教えていただけますか?(ななうみさん)
前原さん「今の映画業界や映像業界、エンタメ全般で多岐にわたるコンテンツが増えてきていると思うんです。例えば映画も最初は劇場のスクリーンで公開されるものだったのが、配信にすごく力を入れる作品も増えてきましたし、配信だけで公開されるコンテンツもたくさんあります。以前だとテレビに出て人気を得た俳優さんじゃないと、なかなか認知されないこともありましたが、今はそうではない形で人気になる方もたくさんいらっしゃるので、一概に今求められる人材についての答えを出すのは難しいです。ただし多岐にわたるからこそ、今映画業界でどんな作品が多いんだろうかとか、どんな監督がいるんだろうか、といったことを自分で勉強して理解している人が絶対に強いと思います。私たちも一作り手として、理解度の高い俳優さんとお仕事するほうが楽しいし、より良いものが作り出せると思っています。常にインプットしている俳優さんは、その分アウトプットができるし、引き出しがすごく多い。そういう方が求められていると感じています」
田中さん「やっぱり映画が好きな人で、映画業界を盛り上げたいという気持ちがある人じゃないかと思います。作り手は映画に対する情熱を持っている方が多いので、その情熱に俳優が負けてはいけないと思います。実際にオーディションで対面した時、俳優さんからの熱ってきっと制作陣に伝わるんですよ。情熱を持った人と仕事をしたいというのは、映画業界に限らず、一般社会においても同じなんじゃないかなと思います」
――私は俳優を目指しているのですが、普段どんなことを心がけるべきでしょうか?(ゆいさん)
田中さん「“人間を演じる”ということを考えると、己を知ることも当然大事なんですが、自分以外の人に興味・関心を持つことは必要です。いろいろな人と会って話すことというのはアナログな方法ではあるんですが、自分以外の人を知って、関わる機会を増やすべきだなと思っています。コロナの時は難しかったんですけれども、状況が変わってきた今こそ、周りと差をつけるために人と関わることを心がけてほしいですね。単純にただ人に会うのも難しいですから、趣味を増やすとか、コミュニティを増やすとか、まだチャンスが少ない若手の内にできる準備の仕方はいろいろあると思います。あとは映画を観ること。映画って創作物ではありますが、違う人生を生きている誰かの一部分に触れられるわけですから、そこから刺激を受けて人間を知ってほしいですね」
前原さん「私たち作り手が現場で俳優さんとどんなことを話しているかと言うと“ここはあの映画のあのシーンみたいに撮りたいんだよね”といったことが多くて、ドラマや映画が共通言語だったりするんです。監督と脚本家とプロデューサーが脚本を練る時にも、同じような会話が会議室の中で行われているので、私たち作り手は昔の作品だけじゃなくて、日々新しい作品も観ていなくてはいけないんです。そうやって作った脚本を、現場で俳優さんが演じることで映画は出来上がるので、俳優さんも同じように共通言語を持っていたらすごくいいと思うんです。普段からそういう意識を持っていろんな作品を観てほしいと思っていますし、そういう俳優が求められているんだと思っています」
――(2人)本日はありがとうございました
■アニモ俳優・声優養成所 Animo Actors Source 養成所生募集 https://animo.school/
小野賢章、濱津隆之ら人気声優・俳優が所属する「アニモプロデュース」が運営する。アニモ俳優・声優養成所が、現在2024年5月からの養成所生を募集中。俳優、声優などジャンル問わず様々なレッスンを受講可能で、声優志望でも俳優のトレーニングを、俳優志望でも声の演技レッスンを受講できる環境を備えている。卒業生には、アニメ『BanG Dream! ガールズバンドパーティ!』桐ヶ谷透子役に抜擢された直田姫奈(AAS 1期生)や『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』『沈黙の艦隊』に出演している鈴木武(AAS 1期生)らがいる。
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