劇団『電動夏子安置システム』本公演出演者オーディションに潜入取材|読者レポーター企画「TeamD」読者レポーター企画「TeamD」Vol.2
2023/06/08
俳優志望の読者レポーターが、劇団「電動夏子安置システム」のメンバーに直撃インタビュー
オーディション体験終了後、劇団「電動夏子安置システム」のメンバー、道井良樹さん、新野アコヤさん、吉岡優希さん、劇団の演出・演出補の中山隼人さんに、TeamD読者レポーターの長谷川さん、露木さんがインタビュー。俳優の先輩を前に、俳優を目指す上で気になっていたことを直接聞いちゃいました!
「頭の中で役を作り上げるのは最終的には一緒だけど、それぞれアプローチの違いがある」
――俳優になるまでに、どのような努力をしてきましたか?(露木)
道井良樹「養成所が芝居を始めたスタートだったんですけど、みんなそうだと思うけど、“俺、今努力してるぜ!”って思いながらやっていたわけじゃなくて、その時に必要だと思うから発声練習や滑舌の練習をしていたわけで。俳優になるために努力したっていう感覚はなかったですね」
新野アコヤ「私は演劇や映画の専門学校に通っていて。そこで先生から“お前ダメだな”とかコテンパンに言われるんですよ。同期にはそこで学校を辞めちゃったり、俳優にならないって決めちゃう人もいたけど、私はそう言われてもへこたれない努力をしてきました。先生たちも学校の外に出た時に潰れないように、へこたれないような精神を作ろうとしてくれてるんじゃないかと思ったので、それも悪いことじゃないなって」
吉岡優希「私は新聞の社説の欄を毎日音読して録音しました」
道井良樹「努力じゃん!(笑)そういうのを聞きたいんでしょ?」
吉岡優希「言うのが恥ずかしくなってきた…(笑)。俳優になる前に、新聞の社説を音読して、それを演技を見てくれている人に毎週1本送って、フィードバックもらっていました」
道井良樹「『編集手帳』とか『天声人語』を音読するのは、結構オーソドックスな方法で、よく俳優の講師がやれって言う部類ですね。人には得意なことと不得意なことがあって。例えば僕は相撲が好きなんだけど、相撲のことを喋るときの熱と、セパタクローのことを喋るときの熱って違う。具体的にイメージできることとできないことで、喋るスピードも滑舌も色々変わっちゃうの。だから新聞の社説みたいに、色んなジャンルの話題が入ってくる文章を一定のリズムで読むっていうのはよく練習しました」
吉岡優希「あまり抒情的になったり、感情込めて読んだりするなって指導されて。務めて淡々と読むようにしたり、読み方をコントロールできるように訓練をしました」
中山隼人「僕は今となっては演出のほうを見ているので、逆に俳優にやってほしいなということで言えば、特に舞台においては、台本、戯曲をとにかくいっぱい読んでほしい。お芝居の台本って、小説みたいに読めないから、すごく読みづらいんです。だから数多く触れて単純に慣れてほしい。そして現代劇だけじゃなくて古典も読んでほしい。古典ってなんとなく避けちゃうんですけど、古典は必須です」
――次の質問いいですか? 舞台の初日から千秋楽の間で、一番緊張する瞬間っていつですか?(長谷川)
吉岡優希「初日!! 初日って、毎回“なんで自分こんなことしてるんだろう”って、自分の好きでやってることなのに嫌です(苦笑)。お客さんは、初めて観る人じゃないですか。どういう反応が返ってくるんだろう? 楽しんでもらえるかな?って考えている時かな」
道井良樹「自分たちは、お客さんを笑わせたいという台本でやってるから、笑ってくれるかどうかのドキドキは普通の芝居とはまた質が違うよね。僕は毎回緊張ですごい汗ですよ。舞台に出て喋り出したらもう大丈夫なんだけど、出る直前まではメンバーの中で一番緊張しいだと思うよ。初めの頃とかは手がすんげえ痺れて、当たったらジンジンするぐらい舞台袖で超緊張してた。舞台に出ちゃうと仲間がいるんで、演技に集中できるんだよね」
――役に入り込むコツってありますか?(長谷川)
道井良樹「舞台上で演じているときは、目の前でセリフを言っている人に集中すること。ついついお客さんのことが気になるけど、舞台の上に出てる人たちに気を持っていくことが“入り込む”ということだと思う。一方で、台本をもらって稽古をしているときの“役に入り込む”ってどういうことだろうね…」
中山隼人「役って結局自分ではないので、本当に入り込んでしまった場合、精神的にちょっと危うくなる可能性があるから、僕はあまりお勧めはしてないです。やってもらうとすれば“役を着る”という練習ですよね。自分にどんどん枷をつけていく。段取りをすごくいっぱい身に着けると、それっぽく見えてくる。そうした状況で、“役がそう思っているんだ”と意識しないといけない。どうしても“自分が思っていること”をやりがちなんですが、それが役に入り込めない一番の原因だと思うんです。自分はその役の人じゃないから、本当のところは分からない。だから、その役ならここが一番近いかなみたいなものを当てていく作業をすると、形的に役になっていく。よく“内面を動かして”みたいに言いますけど、それってすごくハイレベルなことなので、外から固めていったほうが、多分中が動きやすくなると思う」
道井良樹「僕は役がしっくりこないときは、その役のまま30〜40分、自分の家で生活します。紅茶を入れる動きとか、テレビを観ている時も多分こうツッコむだろうなとか。お風呂に入るときは? 飯はどんな食い方する? どうやって朝起きるかな? その役として台本以外の生活ができるようにしますね」
新野アコヤ「私は台本をよく読み込みます。なんでこの人は今語尾で“だわ”って言ったのかな。“だよ”じゃなくて何で“だわ”だったのか。そう言う人ってことは、もうちょっと前のセリフは違うのかな? みたいに調整をしていって、そのセリフが必然的に出てくる人を頭の中で作り上げます」
吉岡優希「私は本を読むのが好きなので、その人のプロフィールみたいなものを書きますね。他の舞台に出た時は、自分一人で考えないでみんなで考えて共有するということもあって、それも面白いなと思いました」
中山隼人「台本って台詞しか書いていないですし、説明が足りないですからね。書いてないことをいっぱい考えないといけないですし、考えた人ほど役作りがしっかりしている印象があります。僕は役者さんには言わないですけど、その役柄の所得を考えます。所得には生活感が出ますからね。親の年収は大体これぐらいかな、とか決めて行くと、育ってきた環境もある程度固まってくるので、意外と役を捉えやすくなります」
道井良樹「頭の中で役を作り上げるのは最終的には一緒だけど、皆それぞれアプローチの違いがあるんだね」
――今日オーディションを受けてみて、間の開け方やセリフの句読点まで一字一句台本通りにやるほうがいいのか、自分なりに変えていいのか、悩ましいなって思いました(長谷川)
道井良樹「台本一字一句その通りでお願いしますという人と、どうぞ自由に変えていいですよという人と、半々ぐらいいるイメージですね。さっき言っていたように、語尾ってキャラクターがすごく出るし、句読点の配置もそうだと思うんです。本を書いた人や演出さんのイメージするキャラクターで行くなら、その通りにやらないと成立しない。僕の場合はどんどん変えていいよっていうタイプですが、変えるんなら絶対に元より面白くしてくださいねと思う。変えたのにつまんないのはマナー違反。意図を持って書いた人や演出さんが一回“それも面白いね”って唸るまで、死ぬ気で面白く作らなきゃダメだなと」
中山隼人「個人的には台本通りにやってほしいタイプです。それでどこまで探れたかを見たいし、当然それを壊してほしいというのもあるので。面白いものを出してくれればそれが正解なわけですから。ただ、本当に一言一句絶対に変えさせない、必ず右足から出さないと絶対いけないみたいな演出家さんも多いので、俳優さんは反射神経を養って、自分のプランをなるべく早く現場に合わせられるようにしたほうがいいと思います」
――最後に、劇団としての今後の展望は?(露木)
道井良樹「いわゆるちゃんとした賞を獲ってみたいです。コメディがちゃんとしてないわけじゃないですけど。いままでコメディ関係のところではご評価いただいてますが、コメディってなかなか演劇界で評価されづらいジャンルなので、ストレートのちゃんとした重厚な賞をコメディで獲りたい」
新野アコヤ「演劇って、芸術っぽい感じがすごくもてはやされた時期があるんだけど、コメディも芸術なんだぞってところを推していきたいですね」
道井良樹「僕は第2回目公演から出てるんですけど、正直こんなに続くとは思ってなかったんですよ。お客さんが笑顔で劇場を出ていくのを見ることが出来るから、たぶん20何年続いてるんだと思う。それは絶対に絶やしたくないです」
道井良樹(みちい・よしき)●座長。第二回公演から参加。劇団の中心だが正式に劇団員になったのはつい最近。寿司と相撲を愛し、寿司のYouTube「寿司チューブ」も配信。
新野アコヤ(しんの・あこや)●子供から年配の役まで幅広く演じ分け物語を牽引。芸能プロダクションの社長という顔も持つ。
吉岡優希(よしおか・ゆき)●2019年に入団。身長174cm トリッキーな役もこなす。スペースクラフトエージェンシー所属
中山隼人(なかやま・はやと)●演出家。電動夏子安置システムには演出、及び演出補として参加。当劇団の自称:準劇団員。演技指導、俳優のメンテナンスも行う。
「実際にオーディションを見て、今まで持っていたイメージと全然違っていてびっくりしました。そして、今回の審査と同じ課題を体験して、演技のなかで笑いを取ること難しさを実感しました。参加者の方々の場の作り方がそれぞれ全然違っていて、すごくいいな!自分もやってみよう!と思ってもなかなか上手く出来ないもどかしさもありましたし、勉強になりました。劇団員の方々にもたくさんの質問に答えていただいて、多くのことが学べました。
私は女優を目指しているんですが、今回コメディ演技に触れて、お客さんに笑ってもらいたいなってすごく思いました。どんなに悲しい物語でも、嬉しい物語でも、お客さんに心を動かして帰ってもらえるような女優になりたいって思いました。
今日ご一緒した露木さんは、台詞の言い方にもちょっと特徴があって、すごく笑ってもらえていたので、ちょっと悔しいなって思いました(笑)」(長谷川さん)
「オーディションを第三者の視点で見る経験はとても新鮮でした。何より参加者の方も審査員の方もみんな笑っていて、すごく和やかな雰囲気でしたし、見学していても楽しかったので、コメディが大好きになりました。演技って、役を内面から作り込んでいくものだと思っていたんですが、普段の行動から変えていくとか、外側から作っていくアプローチもあると聞いて勉強になりました。
私は、演技も歌もダンスもコメディも全部できるパフォーマーになりたいと思っています。今日、コメディ演技を体験して、やっぱり審査員の方が笑ってくださるのを聞くとすごく嬉しかった。しかも、私だけにしかできない役のやり方で笑ってもらえるのがすごく幸せでした。これからも自分だけの個性や演技力を磨いて、皆さんが笑顔にできるようなパフォーマーを目指したいです。
長谷川さんは年下なのに落ち着いていて、演技も自然でした。インタビューもしっかり受け答えしていて、皆さんが憧れる女優さんになれるんじゃないかと思います!
」(露木さん)
開催中のDeview特別オーディション
新規TeamD読者レポーター大募集!
ドラマ・映画出演者にインタビュー取材をしたり、舞台の稽古場潜入取材をしたり、なりきりモデル体験をしたりなど、エンタメ現場をリアル体験する企画や、芸能プロダクション訪問や新人開発担当者との模擬面談、スクール体験レポやオーディションレポート、ビューティー企画、『デビュー』スタッフとユーザーとの座談会参加など、主に『Deview/デビュー』が企画する読者参加型コーナーに、TeamD読者レポーターとして参加してもらいます。
普段はなかなか覗けない・体験できないエンタメ現場のウラ側が体験できちゃうかも!?
一緒に『デビュー』を盛り上げてくれるコ、大募集です♪
『デビュー』読者レポーター&エンタメ体験企画
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.16
おぶちゃ7周年記念公演『ポエム同好会』舞台稽古を読者レポーターが体験取材!
-
【デビューセミナー】
デビューユーザー限定「俳優の教科書CLUB」特別オンライン講座
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.15
読者レポーターが「デビュー×圭三プロ」オンラインレッスンを体験取材!
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.14
読者レポーターがオーディション履歴書添削を体験!
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.13
佐野瑞樹がプロデュースを手掛ける『sitcomLab』の舞台稽古を読者レポーターが体験取材!
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.12
中高生の声優コンテスト「声優魂」の最終審査を取材
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.11
アニモプロデュース運営「アニモ俳優・声優養成所 Animo Actors Source」訪問取材
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.10
芸能プロダクション「ステッカー」訪問取材
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.9
話題の写真スタジオ「スタジオ☆ディーバ」でオーディション写真撮影を体験取材!
-
読者レポーター企画 番外編
デビュー調査隊が行く!『本命よりも自分用!?』バレンタインのいまを徹底調査♡【PR】
-
デビューセミナー
杉咲花主演映画『市子』戸田彬弘監督 ”俳優志望者のための”トークイベント
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.8
芸能プロダクション「ソニー・ミュージックアーティスツ」訪問取材
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.7
芸能プロダクション「ワタナベエンターテインメント」訪問取材
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.6
注目の若手俳優・綱啓永×担当マネージャーに直撃取材
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.5
芸能プロダクション「ホリプロ」訪問取材
-
読者レポーター企画「TeamD」 Vol.4
「ちぃたん☆KISS〜愛のROCK BAND〜」のワンマンライブ」に潜入!
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.3
芸能プロダクション「フラーム」訪問取材
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.2
劇団『電動夏子安置システム』本公演出演者オーディションに潜入取材
-
読者レポーター企画「TeamD」Vol.1
人気インフルエンサーが多数出演、インキュ学園祭に潜入取材
最近の記事
-
“声の仕事”特別オーディション2024秋
声優、アナウンサー、キャスター、ナレーター、ラジオDJなど、声を武器に活躍するタレントの所属事務所が新人を募集!
2024-11-15 15:28:00
-
連載「D-DAYS +Plus」vol.201 日野友輔
「諦めずに続けてきた結果、目標の一つにしていた『仮面ライダー』に辿り着くことができたのかなと」
2024-11-01 16:50:00
-
マンガ原作エンタメ特別オーディション2024
人気作の実写化作品に出演する俳優が所属!★芸能プロ新人募集特集★
2024-11-01 11:38:00
-
【PR】Cospanic Entertainment アイドルオーディション
次世代タレントを創出するプロダクション「コスパニック・エンタテインメント」が世界中で輝きたいアイドル、タレント、アーティストを募集中!
2024-11-01 00:00:00
-
全国コンテスト&オーディションWINNER名鑑
オーディションGPから地方ミスまで全国で見いだされた逸材をチェック!
2024-10-22 15:15:00
-
20歳以上でも歓迎! 芸能プロ新人オーディション特集2024
幅広い年齢層の人材を求めている芸能事務所が大集合!
2024-10-15 16:45:00
-
「TeamD」Vol.16 おぶちゃ7周年記念公演『ポエム同好会』舞台稽古を読者レポーターが体験取材
『デビュー』TeamD読者レポーターが舞台の稽古場に潜入取材!
2024-10-08 19:50:00
-
オーディション&コンテスト 結果まとめ【2024年7月〜9月】
2024年7月〜9月のオーディション&コンテスト結果を一挙掲載!
2024-10-07 16:15:00
-
デビューOG・OB ニュース【2024年7月〜9月】
デビュー出身、元読者の“デビューっ子”たちの活躍を一挙紹介!
2024-10-03 12:16:00
-
連載「D-DAYS +Plus」vol.200 東啓介
「20代は本当にいろんなことを経験させてもらったので、この先もっと飛躍していけるよう幅広く能力を向上させていきたい」
2024-10-01 21:20:00
ようこそゲストさん
コンテンツ
-
#active_productions#
-
#audition_report#
1次審査速報一覧
オススメ
-
マンガ原作エンタメ特別オーディション2024
-
“声の仕事”特別オーディション2024秋
-
オーディション情報掲載(無料)についてのお問い合わせはこちらから
-
おぶちゃ7周年記念公演『ポエム同好会』舞台稽古を体験取材!|読者レポーター企画「TeamD」Vol.16
-
Deview読者レポーター「TeamD」メンバー募集
-
「TeamD」Vol.9 話題の写真スタジオ「スタジオ☆ディーバ」でオーディション写真撮影を体験取材
-
読者レポーターが注目の若手俳優・綱啓永×担当マネージャーに直撃取材!
-
読者レポーターが芸能事務所「フラーム」を訪問取材!
-
連載「D-DAYS +Plus」vol.201 日野友輔 インタビュー
-
『デビュー』で芸能プロ所属のきっかけを掴んだ「合格者インタビュー」
-
デビュー公式LINE
-
デビューちゃん公式Twitter
-
先輩スターの“オーディション”エピソードまとめ
-
「バレずに盛れる」メンズメイクLesson
-
好感度アップ間違いなし!「デビューメイク」
-
全国コンテスト&オーディションWINNER名鑑
-
オーディション&コンテスト 結果まとめ【2024年7月〜9月】
-
デビューOB・OGニュース
-
芸能人が多数誕生!
オーディションメディア41年の『デビュー』とは? -
1次審査速報オーディション結果確認