――マネージャーさんから見て、綱さんが、特にここが成長したなと感じたのはいつ頃ですか？ 何か具体的なエピソードがあれば、知りたいです。（航輝さん）

マネージャー「個人的に成長を感じたのは2つあって、1つは『恋とオオカミには騙されない』に出させてもらっていたときですね。当たり前ではあるんですけど現場ではずっと、カメラが何台も回っている状態の中で行動するという感じだったので、カメラの向こうで見ている人たちというのを意識ができるようになったなと。それこそ、台詞ではない言葉、自分の感情を言葉にするっていうところでも、本人の言葉選びも含めて、お客さんに届けるという意識を学んできたなと感じました。もう1つは、本人もさっき言っていましたけど、『君の花になる』というドラマです。同世代の方たちと一緒に、ほぼ1年かけて、ドラマ以外にも8LOOMとしての音楽活動もやっていて。基本、ドラマとか映画というのはスクリーンやテレビを通してお客さんに届けることになるので、なかなか、お客さんやファンの人たちとの直接の交流というのはないんですよね。でも、イベントを通してお客さんの前に出ることもあったので、役者として、また一表現者としての自覚というか、覚悟が芽生えたんじゃないかなっていうのはありますね。マネージャーからの提案というのもありつつ、本人からも、こういうことやりたいと、いろいろと言ってくるようになりました。これから先の未来予想図を、しっかりと自分で考え出したなっていうところで、僕はすごく成長を感じました」

――マネージャーさんへの質問です。綱さんの役者としての強み、魅力というのは、どんなところだと感じていますか？（大久保さん）

マネージャー「例えば、演技が上手いって、どういうことなのかというのは、定義するのが難しいですよね。それこそ、いろんなタイプの役者さんがいますから。そういう意味では、彼は自分のキャラクターについて理解しているところ、それこそ最近よく演じているような、明るくて陽気で、気のいいお兄ちゃんみたいな、あの辺りのキャラクターを自分でちゃんと理解して、それを表現できるところは、強みになってきたなって思います。自分のどこを伸ばしたらいいのか、何をやったらいいんだろうっていうのは、本人にはわからないところもあると思うんですが、そこも自分で、いろいろと経験していく上で見つけていかないといけない。求められることもやりながら、自分自身に役を引きつける能力が備わってきたことが、強みのひとつかなと思います」

――綱さんは、今後、挑戦してみたい役柄とか、ジャンルとかってありますか？（多田さん）

綱啓永「最近（マネージャーさんと）話しているのは、何か問題を抱えているような、表情で訴えるような役をやってみたいなっていう話はしています」

――マネージャーさんとしては、将来、綱さんにはどのような役者になってほしいですか？（多田さん）

マネージャー「これは、綱啓永という役者に限らずなんですが、やっぱり一マネージャーとしては、業界を背負う、トップ・オブ・トップの役者になって欲しいなっていうのはあります。綱にも、代えのきかない人になって欲しいですね。『この役は綱さんにしかできない』と言われるような人になるのが、一つの大きなゴールだと思うので」

――綱さんへの質問なんですが、オーディションの失敗談とかありますか？（航輝さん）

綱啓永「オーディションって、本当に不思議なんですけど、独特な空気感があって、完璧に覚えたはずの台詞を飛ばしちゃうってことがあるんですよね。緊張で、全然台詞が出てこないっていう。だから、もう“そんなやる!?”っていうぐらい、めちゃくちゃ準備をして、オーディションに臨むようになりました。100点じゃなくて、120点くらいの自信を持って臨めるように。僕は緊張しがちなので、なるべく自信を持てるように、準備できることはやるっていうのが、緊張対策にもなっています」

――綱さんが俳優として、常に意識していることはなんですか？（大久保さん）

綱啓永「本当に基本なんですけど、礼儀と挨拶です」

――役を演じるときに、一番大切にしていることはどんなことですか？（多田さん）

綱啓永「相手の台詞をちゃんと聞くことです。本当に、お芝居の正解って未だにわからなくて模索中なんですけど、結局、一度にそんなたくさんのことを考えながらできることじゃない。僕の場合は、今目の前にいる相手の台詞をしっかり聞いて、それに対しての芝居に集中することを意識しています」

――今日は貴重なお話、ありがとうございました！（３人）