おぶちゃ7周年記念公演『ポエム同好会』舞台稽古を読者レポーターが体験取材!|エンタメ体験企画「TeamD」Vol.16 | 特集 | Deview-デビュー

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おぶちゃ7周年記念公演『ポエム同好会』舞台稽古を読者レポーターが体験取材!|エンタメ体験企画「TeamD」Vol.16

2024/10/08

「おぶちゃ」主宰・大部さん&オーディションでキャスティングされた出演者にインタビュー!

『ポエム同好会』稽古取材

舞台の稽古見学&体験取材をさせていただいた後、「おぶちゃ」主宰の大部恭平さんと、オーディション経由で今作への出演が決まった宮越愛恵さん&紅羽りおさんに、TeamDレポーターが直撃インタビュー。
作品の見どころはもちろん、今回のオーディションで印象に残っていることや、オーディションでキャスティングする際に審査で重視していること、役者業の魅力についてなど、貴重なお話をたくさん聞いてきました!

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「いろんな自分になれるかもしれないという可能性を感じられることが、この仕事の魅力だなと」

『ポエム同好会』稽古取材(写真左より)紅羽りおさん、宮越愛恵さん、大部恭平さん

――まずは大部さんへの質問なのですが、「おぶちゃ」について、立ち上げたきっかけや特徴などを教えてください。(TeamDレポーター・越前谷さん)

大部恭平さん「私の名前が“大部(おおぶ)”なので、“大部のチャレンジする企画”略して「おぶちゃ」と名付けて、最初は個人企画として始めたのが立ち上げのきっかけです。もともと僕は役者からキャリアをスタートさせたのですが、「おぶちゃ」の前に違う団体に所属していて、そのときに気持ちだけで始めてしまったこともあり、なかなか思うようにいかなくて…。しっかりとイチから企画というものを学びたいと思って、10〜20席くらいのBarを借りて、1日限りの公演を行ったことが始まりでした。そこで、脚本・演出に限らず、制作全般を学んでいきながら公演を続けて、コロナ禍くらいから劇場でもやれるようになっていった感じです。“大部のチャレンジ”と言っているくらいなので、いつもと同じ仲間とばかりやらずに、常に新しい人たちとやっていこうと思って、毎回オーディションなどを実施して、いろんな方々と一緒に演劇を作っています」

『ポエム同好会』稽古取材TeamDレポーター・るなさん

――キャストの宮越さんと紅羽さんは、何がきっかけで役者を志したのですか?(TeamDレポーター・るなさん)

宮越愛恵さん「私はもともとモデル志望で、高校を卒業したあとに、“モデルのお仕事って楽しそうだな”と思って、関西から上京してきて。その後、芸能事務所に所属して、いろんなお仕事をやらせていただくなかで、お仕事の1つとしてお芝居や舞台に出会いました。そのときに、お芝居って楽しい、今後もやりたいと感じて、そこからずっとお芝居を続けているという感じです」

紅羽りおさん「私は中学3年生のときに、趣味でアニメとかのコスプレを始めて以降、ずっとコスプレを続けていて。その後、就職して去年まで保育士として働いていたのですが、保育士をやっているときに、“グラビアのお仕事、楽しそうだな”と思って、グラビアに挑戦したんです。その際にお世話になった事務所に、今回のオーディションの話が流れてきて、“いろんなことにチャレンジしてみたい”と思って、オーディションを受けました。チャレンジは何歳になってもできるけど、今この瞬間に来たものは今しかないし、飛び込んでみようと思って。私は今回が初舞台で演技経験もなく、演技はまだまだですが、とりあえずやってみよう!とチャレンジして、今に至っています」

『ポエム同好会』稽古取材TeamDレポーター・ちみかさん

――『ポエム同好会』の見どころや作品の世界観を教えてください。(TeamDレポーター・ちみかさん)

大部恭平さん「見どころは…ポエムです! ポエムをやっている高校生のお話しなのですが、ポエムをやっている高校生って、身近にいますか?」

――いないですね…。(TeamDレポーター・ちみかさん)

大部恭平さん「そうですよね。僕の周りにもいませんでした。でも、もし身近にいたらどうなるんだろう?って思って。9年前に『ポエム同好会』の脚本を書いて初演を実施して、今回9年ぶりの上演になるのですが、最初はポエムを読む人ってシュールだなって思ったんです。そこからどんどん掘り下げていくうちに、ポエム同好会の彼らに対してだんだんと愛くるしさを感じるようになったり、もしかすると、僕らはお芝居をやっていますが、その感覚と変わらないんじゃないかなとも思って。皆さんも大好きな何かってありますよね? 僕の場合は日本語ラップが大好きなのですが、それを語っているときって、知らない人には何も通じない時間があるじゃないですか。きっとポエム同好会の彼らも、そこが僕と共通しているのかなと。内側の人にしかわからないけど、その中ではすごく盛り上がっていたりとか、そういう独特の空気感というのが、『ポエム同好会』で僕が可笑しみを感じる世界観の醍醐味の一つだなと思っています」

『ポエム同好会』稽古取材TeamDレポーター・匠音さん

――ポエムって独特だと思うのですが、そういう題材はどんなときに思い浮かぶんですか?(TeamDレポーター・匠音さん)

大部恭平さん「ポエムに関しては、僕のユニークな友達が『僕、最近ポエムを始めたんだよね』っていう切り口で話しかけてきたときに、“なんておかしな奴なんだ”って思ったんです(笑)。でも、本人はいたって真剣に、ごく普通にそう話しかけてきて。最初は“えっ⁉ ポエムを書始めた?”って、一瞬ちょっとバカにしちゃったけど、でも、よくよく考えたら、自分も名言集を読んだり、SNSで流れてくる格言みたいなものをついつい読んじゃったり、メモったりするなと思って、自分も一緒じゃんって思ったんです。その瞬間はこうやって言語化できなかったけど、ポエムだけで物語を書いたら面白いかも、5人いたらどうなるかな…だとしたら、学園モノか!みたいな感じで書き始めました。その他の作品でいうと、僕は日常の話が好きだったりするので、常日頃気になっていることを入れたいなと思って作っています。ただ、案外そういうのって大きなテーマにならなかったりするので、何か別の軸があるなかに、そういった日常で気になっていることを入れ込んでいくというパターンが多いのかなと思います。『ポエム同好会』初演のときは、ポエムのシュールさを伝えるためにやりたいと思っていたのですが、今回再演するにあたって脚本を書き直していたときに、ポエムのシュールさだけではない、自分の中でのブラックメッセージみたいなものを入れ込めていたりしていて。大きいテーマや軸があると、自分の思っていることや言いたいこと、さらに演者から受け取って感じた言葉とかを入れられる。そういった日常とフィクションがつながる瞬間が好きなので、そこをいつも探しているような気がします」

『ポエム同好会』稽古取材TeamDレポーター・愛美さん

――宮越さんと紅羽さんはオーディション経由で出演が決まったということですが、今回のオーディションで印象に残っていることやアピールしたことはどんなことですか?(TeamDレポーター・愛美さん)

宮越愛恵さん「台本を数ページ分いただいて、その台本を基にオーディションで芝居をやったのですが、なにせ大部さんがすごく楽しそうで(笑)。オーディションって、審査員の方がカッチリしていて、こちら側がどんな芝居をしようが、無表情で審査をする…みたいな現場も多かったりするので、そんなイメージでオーディションに参加したら、大部さんがすごく楽しそうにゲラゲラ笑っていて。それがすごく印象に残っています」

紅羽りおさん「オーディションを受けた日程は別々でしたけど、私も大部さんがすごく笑っていたのは印象に残ってます(笑)」

宮越愛恵さん「『もっとこうやって!』と、どんどんいろんな演出がついて、1ページのシーンだったとしても、いろんなパターンをやろうというのが伝わってきましたし、大部さんと一緒に一つの作品を作ったら絶対に楽しいだろうなと思いました。あと、私がオーディションでアピールしたことっていうのは、正直あまりなくて。台本をいただいたのがけっこう直前だったので、そこまで作り込んでいけなかったのですが、大部さんの『もっとこうやってみて』という、どんどん変化していく演出にどうしてもついていきたい!という気持ちが大きくて。自分がやりたかったアピールみたいなものではなかったかもしれませんが、とにかく楽しかったという思い出です」

『ポエム同好会』稽古取材宮越愛恵さん

紅羽りおさん「私が印象に残っていることは、一緒にオーディションを受けた方々が『ダンスができます』『殺陣が得意です』『ミュージカルやっています』とか、そういう方々ばかりのなか、私は何も経験がなかったので、“何を話そう、何をアピールしよう”ってすごく迷って、一気に汗が出たことをすごく覚えています。その緊張でオーディションの記憶が飛んでしまって。どんなことを話したかとか、あまり覚えてないのですが、大部さんが笑っていたのはすごく覚えています。楽しそうだなって(笑)」

大部恭平さん「すごく楽しかった(笑)」

宮越愛恵さん「楽しそうに話してくださるので、こっちの緊張もほぐれて、ぜんぜん緊張しなかったです」

紅羽りおさん「確かに、雰囲気はすごく柔らかかったなって思います」

『ポエム同好会』稽古取材TeamDレポーター

――オーディションでキャスティングする際、審査ではどんなところを重視しているのでしょうか?(TeamDレポーター・匠音さん)

大部恭平さん「 “この作品で一緒にやりたい”という部分はけっこう大事なのかなと思います。言ってしまえば、参加していただく方は皆さん魅力的だし、魅力的だなと思う人は本当にたくさいるしキリがない、でも役柄と人数の枠などは決まっているので…。選ぶ側の見るポイントってきっとそれぞれあると思うのですが、良い・悪いというよりも、“今のこの作品はこの人とやりたい”みたいな選び方なのかなと思います。それと選ばれる人のなかには、たぶん自分の狙い通りにやっている人って、意外といないんじゃないかなと。それはお互いそうだと思うのですが、思う通りにいくオーディションって案外少ないのかなと。出たとこ勝負みたいなところもあるので、そこまで用意せずに来てくれた人のほうが、その人の人間味みたいな部分が見れたりするんですよね。ちなみに、宮越さんは何もアピールしなかったとおっしゃっていましたが、オーディション会場出たあとに、鞄からドローンを取り出して『これ、使わなかったな』って言っていて、すごく面白い子だなと(笑)」

『ポエム同好会』稽古取材紅羽りおさん

宮越愛恵さん「特技披露で見せるものが何もなくて…。ドローンの免許は持っているので、そういう人ってなかなかいないんじゃないかなと思って、ドローンを飛ばそうかなと持っていっていたんです。でも、特技披露をする人としない人がいて、雰囲気的にここでドローンを出すのはちょっと気まずいと思って止めました(笑)」

大部恭平さん「紅羽さんも特技披露はしなかったのですが、オーディションのときに、お芝居がしたいからワークショップとかで学ぼうと思ったけど、Yahoo!知恵袋か何かで調べたら、“なかには悪徳なものもあるから気を付けたほうがいい”って書いてあったことを鵜呑みにしたみたいで、『怖くて結局行けませんでした』って言っていて。そういう嘘をついていない感じがすごく面白くて良かった。なんで正直に言っちゃうんだろうって(笑)。そういうふうに、採用した人は何か印象に残るエピソードみたいなものがあるような気がします」

『ポエム同好会』稽古取材大部恭平さん

――披露できるような特技がない場合、何をアピールしたら良いのでしょうか?(TeamDレポーター・るなさん)

大部恭平さん「僕も役者としてオーディションを受けることがあるのですが、自分もそんなに秀でた何かがあるわけでもないし、“強いて言えば、これが得意です”っていうものをやったりするけど、しっくりこなかったりすることがあります。でも特技披露って、上手い・下手で勝てないのであれば、どれだけ好きかというところだったり、やりきるということが大事なのかなと思います。オーディションのときに特技披露やりますけど、実際本番でその特技を使うかっていうと、使わないことのほうが多いじゃないですか。ということは、特技披露ではその人の人となりという部分を見たいんですよね。特技だから頑張って披露するというよりも、自分自身を見てもらうため、自分を出し切るための方法って思ってやってみたらいいんじゃないかなと思います」

『ポエム同好会』稽古取材TeamDレポーター・越前谷さん

――役者の仕事の魅力や面白さはどんなところですか?(TeamDレポーター・越前谷さん)

宮越愛恵さん「魅力はたくさんありますし、現場によってそれぞれ感じる面白さがあります。今回の『ポエム同好会』に関しては、仲良くなるスピードがすごく早いなと感じていて。そんななかで台本をいただいてみんなで読んだりしているときに感じたのは、台本って文字だけなので、人によって感じ方が違っていたり、脳内で再生されているイメージが違っていたりするのですが、他の人が演じているのを観たときに、『めっちゃ面白い!』って思って。自分の中には無かった台本のキャラクター性みたいなものを垣間見れたり、意外性とかギャップみたいなものが私は結構好きなんです。今回の『ポエム同好会』のキャストの方々は、みなさん面白くて最高だなって感じています。人によって演じ方や表現の仕方が違うのですが、それがいい感じでまとまっていて、今すごく稽古が楽しい。それがこの現場では一番いいなと思っているところです」

紅羽りおさん「私はもともと人と話すことがすごく苦手で、学生時代は人前で声を出して笑うこともできなかったんです。でも、コスプレという趣味と出会ったことで、自分ではない何かになれることの楽しさを知って。お芝居も自分ではない役を演じるじゃないですか。それがすごく楽しいなと思っています。学生時代は人前で笑うのも、歯を見せるのも苦手だった自分が、コスプレやお芝居を通して笑えるようになったし、普段過ごしていたら出会わないような人たちと出会えることも楽しいです。舞台やお芝居をやっている人のなかには個性的な方も多くて、“こういう考えや生き方もあるんだ”という新たな発見があって、私もいろんな自分になれるかもしれないという可能性を感じられることが、この仕事の魅力だなと。私はこれが初の現場ですが、そういうところが素敵だなと思います」

『ポエム同好会』稽古取材

――オーディションを受けるとき、頭が真っ白になってしまって、言いたいことが言えなかったりすることがあるのですが、緊張したときにやっていることって何かありますか?(TeamDレポーター・ちみかさん)

紅羽りおさん「私も“ここで失敗したら、次に会ったときにつまらない人間だったと思われるかもしれない”って、考えてしまうことがあります。でも、もし何かやらかしたとしても、“きっとこの人たちにはもう会わないだろうし、だったらやるだけやろう!”っていうくらいの気持ちでやっていました」

宮越愛恵さん「私はあまり緊張を感じないというか、身体が固まっているのを感じて、“私、緊張しているんだ”と、自分の緊張を客観視してしまうタイプで。緊張しそうだなと思ったときは、オーディションの前に少し早めに家を出て、カラオケに行って大声を出すようにしています。好きな曲を入れて好きなように歌って、一回思い切って大きな声を出して、“よし、大丈夫”“よし、今日も可愛い、きっといける!”“絶対に受かる!”という気持ちを作って臨むようにしています」

紅羽りおさん「吹っ切るって大事ですよね。“私は大丈夫!”って思って行ったほうがいいのかなと思います」

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Information

おぶちゃ7周年記念公演『ポエム同好会』

2024年10月9日(水)〜10月14日(月・祝)中目黒キンケロ・シアター

「ポエム同好会』」稽古取材

作・演出:大部恭平

キャスト:
石渡真修 吉田知央
望月雅友 真野拓実 岡部直弥
未菜 宮ア想乃 宮越愛恵
工藤菫 彩島圭叶 鈴理 紅羽りお
柳下大 畑岬
小谷 嘉一


■story■

とある高校に転校してきた関春生。
数ある部活の中、わりとモテそうな関が入ることになったのは学校一地味で抜群にモテない『ポエム同好会』だった。
内弁慶・権藤太志からのポエムの指導に反発する関だったが、矢先に突然の廃部通告をうける。
メンバーは同好会存続のため、文化祭で“何かしらの活動”をすることを迫られる。
部長・志村蓮、シスコン・松原真之介、箱推しオタ・弓崎琉輝亜、そして権藤と関たちはポエム同好会を存続させることができるのか?
全ての不器用たちに贈るポエティックハイスクールコメディ。
これも青春?これぞ青春?

◆公式サイト
https://ofcha.biz/poem2024

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