「私はずっとアイドルに興味が無かったばかりか、存在さえ知らずに生きてきました。芸能界にもまったく興味がなくて。きっかけになったのは19歳で専門学校生だったとき、友達がアリス・プロジェクトに所属していたタレントさんの大ファンだった影響で、私もその方のブログを見ていたんです。ふと、可愛いデザインのバナーがあるなと思って押してみたら、アリス・プロジェクトの事務所のサイトにつながって。そのときは応募しようとか思ったわけではないんですけど、そろそろ就活をしなきゃいけないという時期になり、“このまま普通に就職するのはイヤだな…”と。で、唐突に“芸能人になるってどうなんだろう？”と思いつきました(笑)」

「いえ、大阪でした。だから“東京にも行ってみたいし、ちょっとオーディションを受けてみようかな”という軽い気持ちで事務所に行ったんですね。アイドルの存在も知らなかったので、“タレントになりたいです”と言ったら、“タレントにもいろんな種類があるし、まずはアイドルから始めてもらうことになる”と言われて。私は“へ〜、アイドルなんてものがあるんだ。じゃあ、やってみようかな”という感じでした」

「いえ、まだ。ぴゅあふるとPrism（現存する派生ユニット）しかありませんでした。でも、ライブを観て衝撃を受けましたね。“東京ではこんなことが繰り広げられていたのか！”と(笑)」

「できれば誰にも気付かれずに生きていたい…という暗い青春でしたね。中学時代は校則で髪を縛らなきゃいけなかったんですけど、私は不器用で面倒くさがりだったので、昭和の生活に疲れた女の人みたいにひとつ縛りにしてて。超地味キャラでした。高校のときも、理系クラスだったのでまわりが男子ばっかり。私はいつも教室の隅っこに一人で座っていました。つけられたアダ名は『なんだか気だるい女』(笑)。本当はみんなと仲良くしたいのに、内気というか裏方が好きというか、性格的にそうできなかったんですよ。そのくせ、生徒会に入っていたり、文化祭の実行委員長をしたり。自分は目立つことをしたいと思っているわけではないんですけど、気がついたらそうなっていたという…」

「はい。やっぱり気づいたらそうなっていた、というのは同じですね。でも、当時は目立たないように生きていたので、きっと同級生はみんな私のことを覚えていないと思います。クラスメイトのことを思い出そうとしたとき、どうしても名前が出てこない人っていません？　私はそういうタイプだと思うんです」

「いやいや、もしかしたら何年か後には“リーダーやってたの誰だっけ？”みたいになるかも…」

「私、ちょっと変わった面白いことをするのが好きなんです。最近ハマっているのは、何でも油で揚げてみること。ガリガリ君とかビッグマックとかを揚げました(笑)。完全に趣味なんですけど、『日刊アイドル』（http://www.alice-project.biz/report）というサイトで『アイキャンフライ！』という動画になっているので、よかったら観てみてくださいね」

「ガラッと変わりました！　前は人前に出るのが嫌いでしたけど、今はたくさんの人に注目してもらいたいと思うようになりました。アイドルというのは、普通の生き方とは違って、喜怒哀楽が激しい毎日です。つらいことや悲しいことも多いですけど、楽しい、幸せって思える瞬間もたくさんあります。目標も生きがいもなく生きてきた私ですが、今は仮面女子が生きがいです。これは自信を持って言えますね」

「マジメなところ…？　よくメンバーから“マジメすぎる”と言われるんですよ。あと、あまり知られてないんですけど、実は私、仮面女子の副リーダーでもあるんです(笑)」

「リーダーの桜のどかちゃんはしっかりしているし、みんなを引っ張っていく力もあって、信頼もされています。副リーダーの私はそんなに信頼もないだろうし…」

「いやいや、本当に引っ張る力もないし、人間的にしっかりもしていないんです。でも、マジメで責任感はあるかなと。信頼されてない私ですけど、リーダーののどかちゃんやメンバーを陰ながら後押ししたいと思っています…」

「前進する気持ち、気迫がすごいと思います。もう後戻りできないというメンバーが多いので…」

「あ…いや…後ろを振り向かない、って言ったほうがよかったですかね(笑)。世間的にはアイドルの寿命は短いということになっていて、その中では仮面女子は平均年齢が高いほうですけど、そんな私たちを愛してくれるファンも増えています。一般常識を覆すのも仮面女子のすごさかなと。あと、マスクをしているので、私みたいなブスでも全然大丈夫…」

「アイドルって可愛い子がなるものだと思っていますし、自分なんて全然無理。でも、マスクをすることでインパクトが出るから、アイドルとしてやっていけるのかなって」

「ありがとうございます。アイドルになってから顔が変わったかも…って、何もいじってないですよ(笑)！　内面が変わったから、外見も変わったのかもしれません」

「仮面女子を好きになってくれる方を一人でも多く増やしたいです。そして、お茶の間でテレビをつけたら必ず仮面女子が出ている、というくらいの存在になりたいです」

「アイドルを知らなかった私が、ひょんなきっかけで人生が変わり、今は仮面女子として活動させていただいています。だから、皆さんにもちょっとしたきっかけ、出会いを大切にしてもらえたらと思います。実際にアイドルになってみると下積みは大変ですけど、“努力は必ず報われる”と信じて頑張ることが大切です。“努力は必ず報われる”はAKB48の高橋みなみさんが言っていた言葉で、私は何かあると必ず思い出すようにしています。皆さん、ぜひ強いハートを持って、アイドルの世界に飛び込んできてくださいね！」