人気コミックを原作とした、木村了主演舞台「【最終章】學蘭歌劇『帝一の國』-血戦のラストダンス-」が、17日にAiiA 2.5 Theaterにて開幕。初日公演直前には、公開ゲネプロが行われた。

　同作品の原作は、『ジャンプスクエア』（集英社）にて連載中の古屋兎丸による『帝一の國』。“學蘭歌劇”と銘打った舞台シリーズは、2014年4月に【第一章】、2015年7月に【第二章】が上演され、原作ファン・舞台ファンのみならず、あらゆる層から注目を集め、ついに今作で【最終章】を迎える。幾多の人材を政財界に輩出してきた超名門・海帝高校を舞台に、生徒会長の座を巡る権力闘争が描かれる、ダークかつ濃厚な学園ストーリー。

　【第一章】から引き続き、“首相となって理想の国を作る”という野望を抱き、その一歩として生徒会長就任を目指す主人公・赤場帝一役を木村了が演じ、帝一の良きライバル・大鷹弾役に入江甚儀、帝一の親友であり、公私ともに帝一を支える名参謀・榊原光明役に三津谷亮（俳優集団D-BOYS）、かつて帝一の恋人でありながらも、大鷹と帝一の二人を好きになってしまう乙女・白鳥美美子役には、Wキャストとして乃木坂46の井上小百合と樋口日奈が出演（ゲネプロでは井上が出演）。さらに本作から、千手先まで読める天才棋士の一年生・羽入慎之助役で原嶋元久が新たに参戦。

　オープニングでは、同じ制服に身を包んだキャスト陣が一斉に登場し、息のぴったり合った迫力あるダンスパフォーマンスを披露し、一気に『帝一の國』の世界観へと誘う。その後舞台上には、前作同様、平沼紀久をはじめとするオールラウンダーズ（作品における全風景を担う役であり、最も過酷な役）が登場し、人形を使った芝居でこれまでの物語をおさらい。原作を読んでいない人や、【第一章】【第二章】を観ていない人でもわかりやすい演出が施されている。

　原作よりも先に舞台版で物語のラストがひと足先に明らかになることで話題を呼んでいる今作。【最終章】では、帝一、大鷹、東郷菊馬（吉川純広）による学園政権闘争もさらに白熱。美美子を巡る帝一と大鷹の三角関係に、新たに現総理大臣の息子であり、イケメン俳優でもある1年生・野々宮裕次郎（市川知宏）が加わり、より複雑になる恋模様。そして友情や仲間との絆、相手を陥れるような卑劣な策略、裏切り……一人一人濃すぎるキャラクターたちのさまざまな感情が舞台でうごめき、物語は目まぐるしく展開されていく。

　芝居のところどころには、”學蘭歌劇”の名の通り、女の子のようにキュートな夢島玲（佐藤永典）と心優しき不良・久我信士（佐藤流司）の友情を超えた絆の歌や、東郷による「世界の終わり」を唱えた楽曲など、それぞれのキャラクターの心情や関係性を表した楽曲たちが舞台をさらに彩る。海帝祭の途中に繰り広げられる『マイムマイム』のシーンなど、時折キャスト陣が客席に降りて、会場全体を一気に楽しい空間へと変えたり、ところどころに思わず笑ってしまうギャグや掛け合いがあるなど、コミカルな演出もふんだんに織り込まれており、観るものを飽きさせない。原作ではまだ明らかになっていない、帝一たちの運命の結末。彼らの”血戦のラストダンス”は、ぜひ劇場で確かめてほしい。

　【最終章】學蘭歌劇『帝一の國』-血戦のラストダンス-は、3月17日(木)〜27日(日)までAiiA 2.5 Theaterにて上演中。3月27日には全国の映画館にて、千秋楽公演のライブ・ビューイング上映が決定している。また、千秋楽公演では【卒業式】が行われることも決定しており、ライブ・ビューイングでその模様が生中継される。