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2018/06/15 18:01
主演・溝口琢矢「ぜひ勇姿を観に来てください」とアピール、舞台『ジョン万次郎』開幕
俳優・溝口琢矢が主演をつとめる、もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ第6弾、舞台『ジョン万次郎』が14日、EXシアター六本木にて開幕。初日公演に先駆けて、公開ゲネプロが行われ、座長の溝口をはじめ、荒木宏文、石原壮馬、正木郁、山下聖菜、細貝圭が囲み取材に出席した。
「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」は、教科書には載らないような歴史上の出来事を興味深く面白くエンターテインメントとして表現するシリーズ企画で、第6弾ではシリーズ初となる幕末を描いた作品を上演。アメリカに残された記録や資料をもとに描いた小説「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」(集英社文庫/マーギー・プロイス著/金原瑞人訳)を原案とし、幕末に初めてアメリカの地を踏んだ日本人・ジョン万次郎の半生を描く。
主人公・ジョン万次郎を演じる溝口は「学校の授業では習わない部分も多い人物なので、この舞台を通じて、こういう人生を歩んだ人なんだということが伝わったら嬉しい」と述べ、「周りの人に支えられて成長していった人物なので、いろんな人からたくさん吸収したのち、彼がどういう成長を遂げるのかというところをぜひ観ていただきたいです」とアピール。
1幕ではジョリーという外国人の漁師を演じ、2幕では武市半平太を演じる荒木は「この作品の見どころは、1800年半ば、海外ではどんなことが起きていて、日本では何か起きていたのか、両方を知ることができるところ。まさに、"もっと歴史が知りたくなる”ようなシリーズになっています」とコメント。
ジョン万次郎とともに遭難する日本人・五右衛門を演じる石原は「後半まで万次郎とともに行動していることが多いのですが、万次郎がけっこう好奇心旺盛でいろんなことを知りたいという感性を持っているなか、五右衛門は日本人の普通な考え方の持ち主です」と説明し、「万次郎を止めようとするけど、それでも万次郎はぐいぐい行く。そこでより万次郎の好奇心旺盛さが際立てばいいなと思って演じています」と役への想いを語る。1幕で寅右衛門、2幕では福沢諭吉を演じる正木は「初めて、日本人が外国の人と接したときに、言葉の壁を感じながらも、どうにか言葉や自分の気持ちを伝えようとする姿が、今回面白く描かれているので、そういった点にも注目してほしいです」と明かす。
無人島に漂流していたジョン万次郎たちを救出する、アメリカの捕鯨船のホイットフィールド船長を演じる細貝は「ホイットフィールドは、ジョン万次郎という少年に惹かれて、この子にいろんな知識を与えたいという想いで、アメリカに連れて帰って養子に迎えるのですが、本作の見どころはまさにそこだなと思います」と述べ、「ドラマティックで嘘のような本当の話で。当時のアメリカは差別がすごかった時代だと思うんですが、その中で日本人を連れて帰ったのはすごく勇気のある行動だし、その中で、二人が信頼関係を築きあげたというのもすごいことだなと思います」と吐露。
1幕でキャサリン、2幕で鉄を演じる山下は「アメリカ人の女性と日本人の女性と、二人はまったく違う女性ではありますが、二人ともジョン万次郎に影響を与え、そして傍で支えるという共通点があります。国も違えば文化も違うし、その支え方というのは、きっとそれぞれ違うと思うので、そういった違いを見せていけたら」と意気込んだ。
稽古場中にエピソードについて、溝口は自身の後ろで結んでいる付け毛について「ずっと自分の毛だと思いこんでいて。みんなに、『僕こんなに髪伸びたんだよ。コレ、カッコ良くない?』って言っていたら、『それ、付け毛だけどね』って言われて……。僕はそれで辱めを受けました」と天然エピソード語ると、細貝は「僕は、今回役者として入っているんですけど、なぜかあるときから英語の翻訳を頼まれるようになって。アメリカにずっと住んでいましたが、翻訳なんてやったことがないのに、容赦なく、どんどん増えてきて。"あれ?俺は何の人だっけ?”ってなりました」と、アメリカに居住していた経験のある細貝ならではのエピソードを告白。
また、正木は「今回、2役演じる方が多かったこともあり、僕をはじめ、役づくりの過程で、稽古中に見つけようとする方が多くて。初日の稽古ではちょっとおとなしい演じ方をしていた方が、次の日には同じ役を演じているのに、ひょうきんな感じになっていたりとか、そういう違いが稽古中は面白くて爆笑していました」と振り返った。
ジョン万次郎を養子としてアメリカに連れて帰り、親子として暮らす間柄を演じる溝口と細貝はお互いの印象についても告白。細貝が「ジョン万次郎という人間そのまま。セリフでもありますが、本当に好奇心旺盛で、一緒にお芝居をしていると、目がすごく純粋すぎて、なんか自分がすごく悪い人に思えてくる瞬間があって(笑)。申し訳ないって思うくらい、まっすぐな目をしている役者さんだし、素敵だなって思います」と称賛。一方の溝口は「普段は、細貝さんは稽古場ではたくさんお話されるタイプではなくて、僕が一方的にしゃべっているって感じなんですが、お芝居中は声もしかり、包み込まれるような感覚があって。細貝さんの目を見ていられるというのも、そういうところから来てるのかなって思います」と明かしていた。
最後に、溝口は「僕自身も歴史はそんなに得意ではありませんが、本当に楽しんでいます。なので、歴史が得意・不得意ではなく、一人の人生物語として観てもらえると思うので、気軽な気持ちで観に来ていただけたら」と語り、「この場には少しのキャストしか立ってませんが、たくさんの方に支えてもらってこの舞台は成り立っていますので、ぜひその勇姿を観に来てください」と力強く呼びかけた。
舞台『ジョン万次郎』は、6月14日(木)〜6月24日(日)まで東京・EXシアター六本木にて上演。
◆公演概要
舞台「ジョン万次郎」
【日程】2018年6月14日(木)〜6月24日(日) (全14公演)
【会場】EXシアター六本木
【主演】溝口琢矢(ジョン万次郎)
【出演】荒木宏文/石原壮馬/正木郁/石賀和輝/山下聖菜/細貝圭/石井智也/井深克彦/寿里/輝山立/鷲尾昇/武智健二/山崎樹範
【原案】「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」(集英社文庫)マーギー・プロイス(著) 金原瑞人(訳)
【脚本】鈴木哲也/金沢知樹
【演出】大関真(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)
【企画】座間隆司
(C)Based on “HEART OF A SAMURAI” by Margi Preus
Japanese language theatrical live performance rights arranged with
Margi Preus c/o Jennifer De Chiara Agency and Books Crossing Borders, New York
through Tuttle-Mori Agency, Inc., Tokyo
(C) Mizuhito Kanehara/Shueisha
(C)「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」製作委員会(テレビ朝日ミュージック ローソンHMVエンタテイメント)