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2018/03/30 18:01

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「劇団鹿殺し」新メンバーオーディション締切迫る! オレノグラフィティ×橘輝×浅野康之による劇団員インタビュー

劇団鹿殺しのメンバー(左より)浅野康之、オレノグラフィティ、橘輝(C)Deview
劇団鹿殺しのメンバー(左より)浅野康之、オレノグラフィティ、橘輝(C)Deview

 座長・菜月チョビが丸尾丸一郎とともに旗揚げし、今年で結成17周年を迎える「劇団鹿殺し」。2013年には菜月が文化庁新進芸術家海外研修制度にてカナダへ1年間の留学を経験、丸尾は、乃木坂46主演舞台『墓場、女子高生』や朝井リョウ原作の舞台『何者』演出、秋元康プロデュース『劇団4ドル50セント』脚本・演出で注目を集めるなど、精力的に活動の幅を広げている「劇団鹿殺し」が、20周年、そしてその先を担う新しい劇団員を募集中。

 劇団員を代表して、劇団公演をはじめ、様々な作品で活躍するオレノグラフィティ、橘輝、浅野康之の3人に、それぞれが役者を志したきっかけから、「劇団鹿殺し」の魅力、オーディション応募者への応援メッセージなどを聞いた。

【オレノグラフィティ×橘輝×浅野康之 インタビュー】

◆海外ロケの番組に憧れて役者を志すも、上京して2ヵ月で目標を見失う

――それぞれ役者を志したきっかけから教えてください。

【オレノグラフィティ】「僕は小学校のときに、好きな女の子が演劇クラブにいたことがきっかけで、5年生から演劇クラブに入りまして。でも、演劇クラブに入ってみたら、僕が好きだった女の子はいなくて、男の子一人だったんですけど(笑)。そこから演劇を始めて、中学・高校でも部活や文化祭とかで演劇をやっていて、今につながっているという感じです。そう考えると、演劇に関わり始めたのはわりと早い段階でした」

【橘輝】「僕は、もともと映画が好きで、高3のときに地元で、映画祭を運営するボランティアスタッフをやっていて。その映画祭のときに、いろんな役者の方とお話させていただく機会があって、『映画監督になりたいんです』という話をしたら、日本大学に芸術学部があるというのを教えていただいて、映画学科を受験して入学したことが始まりです」

――監督コースに入学されたんですか?

【橘輝】「いえ。映画学科の演技コースでした。監督コースは試験に小論文があったこともあり、演技コースにしたんです。きっと、入学してしまえば、監督コースの人と一緒に作ることもできるだろうって思っていて。それで、演劇学科の人に『舞台に出てみない?』と誘われて出たのが、初舞台でした」

【浅野康之】「僕は高専(高等専門学校)に通っていた当時、海外ロケに行ったりする番組が好きで、その中でも『世界ウルルン滞在記』が大好きだったんです。海外にも行けて、しかもお金ももらえる。“なんだ、この一石二鳥な仕事は!?”と。その番組には若手俳優さんがたくさん出演されていたので、俳優になれば、僕もそういう生活が送れるんじゃないかという理由で東京に出てきました」

――『世界ウルルン滞在記』に出る俳優になるため、上京したと。

【浅野康之】「はい。学校を卒業する間近で中退して上京してきたんですが、東京に出てきて2ヵ月くらいで、『世界ウルルン滞在記』が最終回を迎えてしまって……。上京して早々、目標を見失いました(笑)。そんなことがあって、18歳〜20歳まで、2年間くらい路頭に迷っていて。20歳のときに、雑誌『デ☆ビュー』で劇団鹿殺しのオーディションを見つけて、応募したんです」

――オレノさんと橘さん、お二人の劇団鹿殺しとの出会いとは?

【オレノグラフィティ】「僕は大学のときに、社会人サークルの劇団が旗揚げするというので、そこに出たんですが、一人だけ若かったので、稽古でボコボコにされて。制作作業もぜんぜんわからないし、“もう絶対演劇やらない!”って思って、辞めたんです。でも、そのあとに、丸尾(丸一郎)に、鹿殺しに誘われたことが入団するきっかけです。実は、僕が高校生のとき、高校の演劇祭の演出助手をやっていたのが丸尾で、そのつながりで『お前には才能があると思うから、本気で演劇やるなら、鹿殺しに入ってくれ』って言われて。入団してから1ヵ月くらいで上京が決まって、こっちに来て路上パフォーマンスしてっていうような日々を過ごしていました」

◆初めて劇団鹿殺しを観たとき、“なんじゃこりゃ!?”という衝撃を受けた

――そのあと、約2年後に加入されたのが、橘さん。

【オレノグラフィティ】「確か、鹿殺しが初めて出演者オーディションをやった公演のときじゃない?」

【橘輝】「僕は、演劇をやっている友達から鹿殺しの『俺を愛ちて。』の公演チラシをもらって。当時は鹿殺しはもちろん、劇団の舞台ってあまり観に行ったことがなかったんですが、チラシの裏に、古田新太さんの推薦文が書いてあって。演劇を始めたばかりの俺からしたら、古田さんは大スターだったんですよね。鹿殺しのことを知らなかったし、そこまで大きい劇場でやるわけでもないのに、古田さんからコメントをもらっている劇団ってすごいなと。そのフライヤーのイラストにもグッとくるものがあって、何も知らない状態で公演を観に行ったんです」

――何も知らない状態で観た公演で、どんなことを感じたんですか?

【橘輝】「観たときに、“なんじゃこりゃ!?”という衝撃を受けて。ビシバシ殴られるような感じもあり、最後にワ〜と包まれる感じになって。“老若男女の心をガツンと殴ってギュッと抱きしめる”という劇団のキャッチフレーズを見て、これは面白い劇団だなって思いました。そのときにもらったチラシの中に、次回公演のキャストのオーディションチラシが入っていて、これは運命だと思って、オーディションを受けて。そして、その公演の後に、新人の劇団員を募集するという話を菜月と丸尾から聞いて。そのときちょうど大学4年生で、特に就職活動もしてなくて、漠然と芝居やっていくのかなと思っていたけど、自分の進路を決める覚悟で、劇団員オーディションを受けました」

【オレノグラフィティ】「その4年後くらいに、ヤス(浅野)が入ったんだよね?」

【浅野康之】「はい。路頭に迷っていた間、事務所のオーディションに合格して研修生としてレッスンを受けたりしていたんです。でも、なんか気が進まなくて。そんなときに、知り合い経由で、小さい舞台に出始めるようになって。そこから、レッスンにお金をかけるより、生活が苦しくなってもいいから、舞台に出て経験していったほうがいいなと思い始めて。そんなときに、『デビュー』で鹿殺しの募集情報を見つけて。当時は鹿殺しを知らなかったし、観たこともなかったけど、面白そうだから受けてみようって応募しました」

――お互い、初対面のころって覚えていますか?

【オレノグラフィティ】「輝は、オーディションのときの作文がすごく良かったのは覚えている。書類審査の時に、履歴書とは別でどんな人物かを知るために、作文を書いてもらう審査があって。輝はその作文が100点だったんです」

【橘輝】「初めて劇団鹿殺しを観たときの衝撃を書いたんですが、めちゃくちゃ熱かったんだと思います」

【オレノグラフィティ】「あと、輝は、オーディションを受けたメンバーの中でも、体もキレるし、人当りも良くて、平均能力が高かったんですよね」

【橘輝】「ヤスはオーディションで裸踊りしてたよね?」

【浅野康之】「オーディションの特技披露でやりました(笑)。僕は20歳そこそこで、何も武器を持っていなかったので、家で一生懸命マジックでお腹に顔を書いて仕込んできたんです。でも、当時のオーディションメニューがすごくストイックで……。最後に特技披露だったので、お腹を出したら汗で流れてしまって真っ黒になってしまっていて。顔か何かわからない状態で、裸踊りを披露するっていう、そのガムシャラさに胸を打たれたんじゃないかなと」

【オレノグラフィティ】「そんなことはない(笑)」

【浅野康之】「あれ!? 違いました?(笑)」

【橘輝】「でも、可愛いなって思った。あれを一生懸命、仕込んできたんだなって好感は持てたよ」

【オレノグラフィティ】「ヤスも平均値が高い印象だった。面白さというよりも、なんでもそつなくこなすっていう印象が強かったかも」

――オレノさんに対する第一印象は?

【橘輝】「初めてお会いしたときは、金髪でしかも名前がオレノグラフィティって、わけわからない人がいるって思いました(笑)。でも、しゃべってみると気遣いもできて、優しくて、とてもいい人でした」

【浅野康之】「入った同時、僕が20歳で、オレノさんが25歳だったんですが、25歳には見えない貫禄があって。でも、接してみるとすごく優しい人で、この人はどんな人生経験をしてきたんだろうって思いました」

◆劇団としてやっていく上で、必要なことは全部自分たちでやっていこうという姿勢

――みなさんが思う、劇団鹿殺しとは!?

【オレノグラフィティ】「劇団らしい劇団だと思います。劇団としてやっていく上で必要なことは全部自分たちでやっていこうという姿勢でやっていて。“良い作品を作りたい”という目的がはっきりとしているので、それを作るためには何が必要が、何が足りないのか、この作品をこの層に届けるためには、どういう媒体で情報を流したらいいのか?……とか、昔は週1回、事務所に集まって会議を4時間くらいずっとやっていました」

【浅野康之】「ただ単にお芝居を磨くだけでなく、劇団としてできてないことがあったら、それをどうやって習得するか、すごい細部までやっているイメージがあります」

【オレノグラフィティ】「ある意味、プロがいないので。だから、どうやったらプロになれるのかというのを、みんなで探っている感じです。輝も小道具担当だけど、もともと得意でも何でもなかったしね」

【橘輝】「作品を作るために必要だからやるっていう感じでした。やっぱりお芝居したいじゃないですか。でも、“芝居がしたいから小道具を作りたくない”じゃなくて、“小道具をもっと上手に短時間で作れるようになれば、その分、お芝居に時間を使える”という考えで、やっていく内にだんだん小道具を作るのが上手くなっていった感じです」

【オレノグラフィティ】「その分、技術が上がって、ほかの舞台の手伝いに行ったりするくらいのレベルになっているんです。ヤスも今、振り付け部だけど、元々ダンスやっていたわけじゃない」

【浅野康之】「ダンスはぜんぜんやってなかったんです。ただ単に、その代のメンバーの中では体が利くから、『とりあえず振り付け部に入って』と言われて入ったんです。それで、どんどん先輩がいなくなってしまって、今は僕がチーフみたいな感じでやっているんですが、僕も最初はぜんぜんできなくて、段々とできるようになっていきました」

――基本的に、みなさん独学なんですね。

【オレノグラフィティ】「基本的にはそうですね。僕も音楽を担当していますが、完全に独学です」

【浅野康之】「手に職つけるくらいのレベルになってきていますよね」

【オレノグラフィティ】「劇団で役者だけで食べていくって、今のご時世、難しくて。劇団で演劇に関わりながら、そういうやれることの幅が広がるというのは、鹿殺しに関しては、可能性が多いかもしれませんね」

――劇団というと、閉鎖的になりがちなイメージもありますが、鹿殺しは様々なジャンルの方々とのコラボや、外部作品の出演、演出など、間口が広いイメージがあります。

【オレノグラフィティ】「元々はわりと閉鎖的な劇団だったんです。劇団公演も多かったし、他のことができない時期もあったんですが、最近はそういうところをもっと開いていきたいというのがあって。チャンスの数はほかの劇団よりは多いんじゃないかなと思います」

【橘輝】「僕らのモチベーションとして、もっと多くの人に見てもらいたいっていうのがあって。だからこそ、ミュージシャンの方とコラボしてやったりするのも、そのミュージシャンの方が好きな人に、鹿殺しの良さを伝えたいっていうのもあるし、演劇界だけでなく、いろんな世界に届けたいっていう気持ちがあります」


◆劇団に新しい風を吹かせてくれるような人と出会いたい

――現在、鹿殺しでは新メンバーを募集中ですが、どんな人に出会いたいですか?

【オレノグラフィティ】「野心がある人。動機が不純だろうが、なんでもいい。こういうお芝居に出たい、こういう作品を作りたい、売れたいとか漠然としたことでもいい。野心があるということは、エネルギーがあるということなので。野心がある人からは僕らも刺激を受けますしね」

【橘輝】「新しい劇団員が入ったりすると、劇団も変化したり転機になったりするんです。なので、“鹿殺しは自分には合わないかも”と思っている人とか、これまでの劇団員とはまったく違うテイストの人にも会ってみたいなと思います。新しい風を吹かせてくれるような人がいいなと思います」

【浅野康之】「僕は最初のころ、若かったし、まだまだ経験もなかったということもあって、うまく自分を発揮することができなかったんです。でも、先輩の劇団員のみなさんとも対等にしゃべる勢いがあったら、もっと早く成長できたかもしれないなと思っていて。なので、人として堂々としていて、物怖じしない人と出会いたいです」

――では、最後に受けようかどうしようか迷っている読者へのメッセージをお願いします。

【オレノグラフィティ】「僕は若いうちに劇団に入って良かったなと思うことしかないんです。いろいろと心眼で見極める感覚が身に付いたというか。自分の中で物事を判断する基準がたくさんできたんです。だから、僕は舞台から始めるのもいいんじゃないかなって思います。どうせ経験するなら、若くて体力があるうちに経験しておいたほうが、後々の財産になる。あと、劇団に入るには、覚悟が必要ですので、野心と覚悟を持って、オーディションを受けにきてほしいです。少しでも引っかかるものがあったら、ぜひ僕らに会いに来てください」

 劇団鹿殺しの新メンバーオーディションの募集概要は、同劇団の公式サイト(http://audition2018.strikingly.com/)ならびに、オーディションサイト『Deview/デビュー』(https://deview.co.jp/)にて掲載。なお、同募集にあたり、現在、劇団鹿殺しの代表作「電車は血で走る」(2017)が無料配信されている。

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