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2016/05/29 21:32
加州清光役の佐藤流司「個々のスキルアップが目覚ましい」ミュージカル『刀剣乱舞』 〜阿津賀志山異聞〜が開幕
大人気ゲームを原作とした「ミュージカル『刀剣乱舞』 〜阿津賀志山異聞〜」が、27日より渋谷・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕。初日公演を前に、公開ゲネプロと囲み取材が行われ、キャスト陣が登壇し舞台への意気込みを語った。
原作である「刀剣乱舞-ONLINE-」は、名立たる刀剣が“刀剣男士”と呼ばれる個性豊かな男性キャラクターとして登場し、歴史上の戦場を駆け巡り、歴史改変を目論む謎の敵を討伐していくという、今、最も注意を集めている人気コンテンツ。同ゲームを原案とし、2015年10月にトライアル公演を上演。1部は刀剣男士が激しく戦い、歌う、優雅に舞うミュージカル。2部ではオリジナルの衣裳を纏った刀剣男士が、華麗なライブパフォーマンスを繰り広げるという斬新な二部構成で、話題を呼んだ本作。今回の本公演では、トライアル公演をパワーアップさせ、新たな楽曲も追加した完全版として、東京を皮切りに、大阪・京都と三都市で上演される。
この日の囲み取材には、刀剣男士を演じる黒羽麻璃央、北園 涼、崎山つばさ、佐伯大地、大平峻也、佐藤流司、演出を手掛ける茅野イサム氏が登壇。三日月宗近役を演じる黒羽は「顔合わせのときに、茅野さんから『お前らはずっと俺の第一部隊だから』という、すごく嬉しい言葉をいただいて。その言葉を今回観に来ていただく審神者(さにわ)のみなさんに同じことを思っていただけたら、刀剣男士として僕達は幸せ。いいパフォーマンスができるようにが日々頑張っていきたいです」とコメント。
小狐丸役の北園は「芝居、歌、ダンス、すべてにおいてトライアル公演で悔しい想いをしてきた」と前回公演を振り返り、「今回、本公演ということで、トライアル公演以上の小狐丸を、ゆるりと舞台上で表現できたらなと思います」と意気込む。石切丸役の崎山は「世の中は伊勢志摩サミットです。世界が日本に注目している瞬間かなと。ミュージカル『刀剣乱舞』も、日本の刀をモチーフにしたものなので、日本人の誇りとして、世界に発信できるような、そんな舞台にしたい」と時事ネタを絡めつつ、「全身全霊で励んでいきたいと思います」と力強く宣言。
岩融役の佐伯は「この6人をはじめ、カンパニー全体が楽しみにしてきた本公演を迎えることができて、非常に嬉しく思っています」と喜びを噛みしめ、「みんなで力を合わせて、チームワークを見せつけてやろうと思うので、楽しみにしていてください」と呼びかける。義経の守り刀・今剣役の大平は「本公演に向けて、義経のことを調べたり、鞍馬寺に行ってみたりした」と役作りでの努力を語り、「歌・ダンス・殺陣も含めて、前回よりも深く重い作品にできたらと思います」とコメント。
物語の中で、第一部隊の隊長に任命される加州清光役の佐藤は「隊長として、責任を感じながらトライアル公演からやってきた」と振り返り、「三条らしい自由なところもあって、トライアル公演以上にとっても楽しい作品になっていると思う。刀剣男士という人ならざる「モノ」が演じる、美しい人間ドラマをみせられた」と意気込みを語る。また、二部のライブに関して「個々のスキルアップが目覚ましい」と自信をのぞかせ、「新曲はもちろん、既存の曲も歌詞が変わっていたり、アレンジが加わっていたり、まったく同じではない。なにより、新曲を聞いて、覚えて、一緒に楽しんでもらえたら」とアピール。
自身が演じる刀剣男士について、6人はそれぞれの魅力を語る。「岩融は武蔵坊弁慶が持っていたとされる薙刀。豪放磊落でありながらも、僧であった弁慶の高尚な部分も持ち合わせていて品がある。僕は、男らしくて真っ直ぐなところが好き」(佐伯)、「三日月宗近は、天下五剣の一つでもあり国宝にもなっている刀。すごく長い歴史を生きてきた刀なので、いろんなことを知っている。つかみどころがない性格という部分が個人的に好きです」(黒羽)、「小狐丸は、狐が相槌を打ったという、ある意味伝説の刀。神だからすべてを悟っている面もあり、余裕がある分、加州清光や今剣と一緒に遊んであげている部分が好き」(北園)
また、義経の守り刀・今剣役の大平が「短刀ということで、子供っぽくて、天真爛漫で純粋な子。誰よりも早く、飛んだり跳ねたりする子です」と語ると、佐伯は「可愛いよね。飼いたい」と絶賛。石切丸役の崎山は「刀自体がご神体で、石切剣箭神社にモチーフが奉納されていて。その神社が”腫れ物の神”なので、もし、腫れ物でお悩みの方は私のところへ来てください」と呼びかけ、笑いを誘う。
加州清光役の佐藤は「沖田総司が使っていた刀で、愛されたいという欲求が強くて、着飾るが好きなキャラクター。自分もそうなので似ている部分がある」と語り、「新撰組はポピュラーな歴史の一つ。その中でも加州清光はポピュラー中のポピュラーで、一番スタンダードな刀。だからこそ、ミュージカル『刀剣乱舞』の加州清光は、すっと入りやすいというか、誰からも愛されるキャラクターになっていると思います」と説明。さらに「要約すると、一回見ていただけたら、解けない魔法にかかっちゃうよっていうことですね(ドヤ顔)」と語り、場を盛り上げていた。
トライアル公演に続き、演出を担当した茅野氏は、そんな刀剣男士6名に対して「自信を持って、一番良くなったと思うのが、彼らの戦闘力。演技やダンス・殺陣。歌、すべてにおいて良くなった。この半年間、稽古始まる前に、自分たちでレッスン等積んで、スキルアップしてきた」と称賛し、「前回がLv.50くらいとしたら、今回はLv.80まで上がっているんじゃないかな。公演中になんとかカンスト(レベルが上限に達すること)してくれたらいいなと思います」と期待を寄せる。
さらにこの日は、ネルケプランニングの松田誠氏より、刀剣男士 team三条 with加州清光による1stアルバムが8月10日に発売されることと、7月に「ミュージカル『刀剣乱舞』公式ファンサイトプレミアム会員限定LIVE」を開催することが発表された。松田氏は限定LIVEに関して「45分くらいのプレミアムライブを予定していて、その後、刀剣男士がみなさまをお見送りします」と語り、「なかなかチケットが取れない公演になっているので、なるべく多くの方々に彼らを観てもらいたいということで企画しました」とコメント。
トライアル公演から半年を経て、個々のスキルアップも含めて、パワーアップした”完全版”である本作。文治5年の阿津賀志山を舞台に、源義経と武蔵坊弁慶にまつわる物語が描かれる。第一部隊の隊長に任命された加州清光が、弁慶が使っていたとされる薙刀・岩融や、義経の守り刀・今剣ら「三条派」の刀剣男士とともに、文治5年の阿津賀志山に出陣することになり、物語は大きく動き出す。すでにこの世を去ったはずの義経と弁慶が、歴史修正主義者によって蘇り、源頼朝を追い詰め、歴史改変を目論んでいた。
かつての主が生きていると知り、歴史を守る使命を与えられた刀剣男士でありながらも、主を守りたいという想いが募り、葛藤する今剣。そんな今剣を案じつつも、己の使命を全うしようとする岩融もまた、弁慶との思わぬ再会に心が揺れ動く。第一部隊の隊長を任された加州清光は、自由きままな「三条派」に苦手意識を抱きつつ、悪戦苦闘しながらまとめようと奮闘。しかし、焦りから仲間を危険にさらしてしまうなど、なかなか思いようにいかずに思い悩む――。
トライアル公演よりも、より個々のキャラクターが際立っており、それぞれが抱える葛藤や想いが繊細かつドラマティックに描かれ、深く重い人間ドラマが展開されていく。また、それぞれの心の揺れ動く心情や関係性などを表した楽曲たちが舞台をさらに彩り、ミュージカルならではの魅力も満載。特に、今剣が歌う『きらきら』と岩融が歌う『名残月』のソロ曲は、それぞれの切ない想いがダイレクトに伝わり胸を刺す。そのほか、小狐丸と岩切丸による『うたかたの子守唄』や石切丸と加州清光による『矛盾という名の蕾』、刀剣男士6人による『おぼえている』の新曲3曲も必見。
第2部のライブでは、色鮮やかな衣装を纏った刀剣男士6人が舞台を駆け巡り、歌って踊るライブパフォーマンスを披露。トライアル公演で披露された『mistake』や『漢道』などのお馴染みのナンバーに加え、6人による『描いていた未来へ』、三日月宗近のソロ曲『Endless Night』、小狐丸・石切丸・岩融・今剣による『えおえおあ』の新曲3曲を追加。『えおえおあ』では、サビの振り付けを刀剣男士が教えてくれるため、観客も一緒になって楽しめる演出もあり、会場全体のボルテージも一気に上昇し大盛り上がりだった。
「ミュージカル『刀剣乱舞』 〜阿津賀志山異聞〜」は、東京公演が5月27日(金)〜6月12日(日)までAiiA 2.5 Theater Tokyoにて、大阪公演が6月17日(金)〜19日(日)森ノ宮ピロティホールにて、京都公演が6月23日(木)〜26日(日)京都劇場にて上演される。
(c)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会