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2015/02/04 18:01
Juice=Juice、フレッシュさ勝負から“パフォーマンス力で魅せる”グループへ
ハロー!プロジェクトの5人組グループ・Juice=Juiceが、ファーストライブツアーの東京公演を新宿ReNYで3日からスタートした。公演中、新曲『Wonderful World』を初披露。またサプライズで、5月2日、3日に初の中野サンプラザ単独公演決定が発表されるなど、メンバーにとって大きな思い出になった公演。そこでは、2015年、また一つ成長したJuice=Juiceの姿を見せた。
昨年から続くハロー!プロジェクトの大変革。最近では、ハロプロ研修生から8人組の新グループが誕生、カントリー・ガールズのメジャーデビューなど、新たな動きが続々生まれている。
そんな中、Juice=Juiceはこの日結成丸2年を迎えた。結成以来、フレッシュさを魅力として走り続けてきたメンバーたち。新グループの誕生だけでなく、メンバー増員、グループ名の変更などほかのグループで大きな動きが続く中、Juice=Juiceは大きな変更もなくコンスタントに活動を続けてきたが、高木紗友希(17)が「私たちから目を離されないように、フレッシュだけに頼っているのではなく、パフォーマンス力で認めてもらえるようにならなければ」と語るなど、この日のライブや直前の記者会見でも、各メンバーとも危機感を口にしていた。
そんな中スタートした『ファーストライブツアー2014〜2015 News=News〜各地よりお届けします!〜』の東京公演。昨年6月からスタートしたツアー、約50公演を行ってきたが、東京での公演は今回が初となる。
このライブツアーのために誕生した5thシングル曲『伊達じゃないよ うちの人生は』からスタート、ファンも待ちに待った東京公演ということで、序盤から一気にヒートアップした。
ステージではこの2年にリリースした楽曲を次々と披露していく。そのほとんどの曲で真ん中の場所にいる宮本佳林(16)は歌もダンスも一段と磨きがかかり、尊敬する松田聖子の20歳前後頃を思わせるような、甘くハリのある歌声を聴かせた。また「ほかのグループに負けず輝いていきたい!」などエースとしての自覚を感じさせる発言も見られた。
その宮本とともに長年ハロプロ研修生としてスキルを磨き、歌とダンスでグループを引っ張る高木紗友希は、そのボーカルがさらに力強くなり、5人の中でも特に迫力があった。高木は曲の最後のパートでソロをとることが多いが、その力強い歌声により曲が引き締まる。
キャリアの長い二人に対して、Juice=Juice結成の1年前は普通の女子高生だった金澤朋子(19)。この日のステージでも「普通の女の子だったら味わえなかったことを経験できて幸せに感じています」と2年間を振り返って喜びを表した。ひときわ艶っぽいボーカルは『イジワルしないで 抱きしめてよ』や『裸の裸の裸のKISS』などオトナ路線の曲では欠かせないものとなっている。
また金澤はメンバーの中でもトーク力の高さに定評があり、MCタイムを仕切ったり、大事な告知を担当する機会も多い。ライブ前の記者会見では、トークの上手さで定評のあったモーニング娘。道重さゆみに続く存在になりたいと意気込み、Berryz工房・嗣永桃子に対して「負けないくらいトーク力を磨きたい」と対抗心を燃やす場面もあった。
メンバー最年少で、結成当時は最もシャイな印象だった植村あかり(16)は、弾けたパフォーマンスを見せたり、MCでも声を張り上げたりキャラを前面に出したトークをするなど、その個性がより前に出るようになった。
リーダーの宮崎由加(20)は歌の面で特に成長を見せた。昨年ミュージカル『恋するハローキティ』出演を経験したことで歌に自信がついたようで、今後、その成果が発揮できる場面が増えることが期待される。
ステージ中盤では、4月8日発売の新曲『Wonderful World』を初披露。金澤は「これまでで一番明るい曲。ささやかな幸せに目を向けた、前向きな歌詞で…」と紹介(記者会見より)、これまでの彼女たちとは一味違う魅力を見せている。ダンスは、テーマパークをイメージしたといい、楽しくキラキラした雰囲気を出している。この新曲は、これまで彼女たちの楽曲を手掛けてきたつんく♂によるものではないが、宮崎は「最初は驚きもあったんですけど、歌い込んで、素敵な曲になっていったら」と語っている。
そして、この日のクライマックスは、ツアー恒例のその地方のニュースを読み上げるコーナーで起こった。ニュース原稿を読むリーダー・宮崎が、台本の最後のニュースの部分がなくなっていることに気づく。慌てる宮崎のもとにスタッフから巻物が届けられた。サプライズの予感にメンバーが舞い上がる中、ほどかれた巻物に書かれていた文字は「5/2&3 中野サンプラザ 単独ライブ決定!」。とびきりのニュースだった。メンバーが声を合わせて読み上げると場内から大歓声! 初のホールコンサート開催の喜びをファンとともに分かち合った。
発表後のMCで、「台本がすっからかんになっていて、私ミスしちゃったのかな、もうダメだと思った」と、その瞬間の慌てぶりを明かした宮崎。「(ほかのグループのように)大きな変化がない中で、Juice=Juiceがみなさんに楽しんでもらうにはどうしたらいいんだろう……。私がパフォーマンス力をもっともっと上げなければいけないなと…」とリーダーとしてのプレッシャーものぞかせ、話しているうちにどんどん感極まっていき、「こうやってみなさんに嬉しいご報告ができて、すごい嬉しくて…」と話しながら涙で声を詰まらせた。場内から巻き起こる大歓声の中、「これからもみなさんに嬉しいお知らせがもっともっとできるように」とうれしそうに誓う宮崎だった。
結成丸2年、歌やダンスのパフォーマンスはもちろん、メンバー個々の個性もどんどん前に出てきて、カッコ良く、かつ楽しいステージを見せたJuice=Juice。大きな変化などの要素は今はいらない。そのステージをじっくり楽しみたいと思わせるグループに成長した。だが今はまだ進化の途中。まだまだ伸び代を感じさせてくれる5人だった。
Juice=Juiceの6枚目のシングル『Wondeful World/Ca va ? Ca va ?(サヴァ サヴァ)』は4月8日に発売。また、中野サンプラザ公演に続いて、23日には大阪・NHKホールでの単独公演も開催される。