演劇パフォーマンスユニット「円盤ライダー」の第31弾公演「かんむり」の初日舞台稽古に、TeamDが潜入取材！ 初見の台本に対して役者さんたちがどう取り組むのかを間近で見学させていただきました。稽古後には「円盤ライダー」のメンバーである渡部将之さん、賢茂エイジさん、森田和正さん、そして本公演をもって円盤ライダーを卒業する冠仁さんの4人に、役者を目指す23歳の読者レポーターが「今一番聞きたいこと」を直撃インタビュー!!

「円盤ライダー」は2006年に旗揚げされた演劇パフォーマンスユニット。「役者がいる所が舞台だ！」を合言葉に、カラオケボックスやボウリング場、ギャラリー、レストランなど、劇場以外の空間をそのまま活かしたオリジナル公演を行っている。気軽に足を運べる場とエンタメ性あふれる内容で、初めて演劇を観る人にも楽しんでもらいたいというのがコンセプトだ。

メンバーは男性役者4人。これまでは客演キャストを迎えて公演を行ってきたが、第31回公演「かんむり」はメンバーの1人である冠仁のラスト公演ということもあり、4人だけで舞台に立つ“最初で最後”の公演となる。

本作の物語は、とあるビルの休憩室で展開する。ビル清掃で働く4人の男たちは20数年来の仲。休憩中は今日も今日とておバカな話で盛り上がっており、40歳を過ぎてもその関係は昔と変わらないままだ。とは言え、年齢と共に身のこなしがニブくなっていることも実感している。実はこの4人には、かつてアイドルグループ「かんむり」として1曲だけヒットを飛ばしたという過去があった。あの曲でもう一度、ステージで歌って踊れるのか？　いくつになっても成長しない（？）男たちの笑いと汗と涙にまみれた青春が、今再び幕を開ける！

この日は稽古初日で、キャストとスタッフの顔合わせが行われた後、メンバーに初めて台本が配られた。ざっと目を通しながら「やっぱ4人だとセリフ量がハンパないな！」「覚えられるかなぁ」と苦笑いする4人。しかしその後すぐに始まった本読みでは、セリフのキャッチボールの息もピッタリ。感情の入ったセリフ回しは、この日台本を初めて読んだとは思えないほどだ。

脚本・演出の菅野臣太朗さんによると「今回は基本的に4人とも当て書き（演じる俳優のイメージや性格に合わせて役を設定すること）」とのこと。とは言え、稽古初日でこの完成度はやはりキャリアを積んだ役者だからこそ成せるワザ。コミカルな場面ではTeamDの丸岡さんも思わずクスッと吹き出してしまったほど、4人のセリフと物語の面白さに引き込まれていた。

なお、4人はかつて歌って踊れるアイドルだったという役どころのため、今回は「円盤ライダー」では初となるオリジナル曲も用意されている。振り入れやボイトレ、レコーディングと長いキャリアの中でも初挑戦の要素が多い本作。4人は「とにかく体を壊さないことが大事だな」「本番は酸素ボンベ用意しとこう(笑)」と冗談を飛ばしながらも、役さながらにワクワクしているようだった。
今回の会場は、東京・代々木にある山野美容専門学校。演劇ファンはもちろん、「演劇って見たことないけど、ちょっと興味がある」という人にはぜひ“入門編”としておすすめしたい。