円盤ライダー第31弾「かんむり」顔合わせ&本読み現場に潜入取材!
2019/05/17
役者志望の23歳・読者レポーターが、「円盤ライダー」のメンバーに直撃インタビュー!
「円盤ライダー」は、代表である渡部将之さんが交流のある役者を誘って結成した演劇パフォーマンスユニット。渡部さんをはじめ、メンバーの冠仁さん、森田和正さん、賢茂エイジさんはいずれも20年以上にわたって舞台や映像で活躍中。役者志望の23歳の読者レポーターが、「円盤ライダー」ならではの劇場ではない空間で芝居を作る面白さから、芝居の魅力、そして役者として大切なことなど、『デビュー』ユーザーのためになる本音のお話をたくさん聞かせていただきました。
「今の若い子はSNSなんかも上手に使いこなせるし、発信することでチャンスは絶対に広がると思う」
──今日はありがとうございました。僕は今23歳で、大学を卒業後に俳優を目指して熊本から上京してきました。みなさんはどんなきっかけで役者になろうと思ったんですか?(丸岡)
渡部将之「僕は大学時代に、部活の先輩から『彼女の舞台があるから、車出せ』とまったく関係ないのに連れていかれて……。当時は芝居とかぜんぜん興味なかったんですけど、運動部の先輩の命令は絶対だったので(笑)。それが演劇との最初の出会いだったんですが、それに衝撃を受けて、その日のうちに劇団に入って、しかも役者でやっていこうと大学も4年で中退しました」
──そこまでの魅力はなんだったんですか?(丸岡)
渡部「初めて舞台というものを見て、“人間ってこんなにも人前で汗かいて、大声出せるものなんだ!”というのが衝撃的だったんです。とにかく完全に人生が変わっちゃいましたね」
冠仁「僕はちょっと変わっていて、演劇集団キャラメルボックスを主宰されている成井豊さんが高校時代の国語の先生で。それがきっかけで、舞台ってどんなものかなと興味を持ったんです。当時は小劇場シーンがすごくアツくて、映画になる前の三谷幸喜さんの『ラヂオの時間』とか面白いのがたくさんあって、いろいろ観に行っていましたね」
森田和正「そうそう、あの頃は劇場もコクーンシートとか、学生が安く観られる席がたくさんあったよね。僕もその頃、キャラメルボックスさんもそうだし、あと野田秀樹さんの劇団夢の遊眠社とかすごい影響を受けました。僕は高校演劇からずっとやっているんですが、そのOB・OGで社会人劇団を立ち上げて、そこで活動していたんです。今はその劇団は休止中だけど、自分は役者を続けています」
賢茂エイジ「僕も高校演劇からですね。きっかけはモテたかったから(笑)。でも結局、モテなかったので大学で演劇をやめようと思ったんだけど、友だちに連れられて観に行った舞台がすごく良くて、自分でも劇団を結成して……。そこから延々、もう人生の半分以上舞台に立っているという感じですね」
渡部「なんだかんだ、みんな舞台を観て人生変わっているメンバーなんだよね、この4人は」
──僕、不勉強で今出た劇団名とかぜんぜん知らなかったです(丸岡)
渡部「演劇って、マニアックとか取っつきづらいっていうイメージもあるんじゃないかなと思っていて。だからこそ、円盤ライダーは、劇場じゃない空間で上演するのをコンセプトにしているんです。初めて演劇を観る人にも気軽に来てもらえるように。でも、それってけっこう責任が大きいなとも思っているんです。だって初めて観た演劇がつまんなかったら、二度と行かないってなっちゃうでしょ?」
冠仁「たしかにね、ここにいる4人みんな、実際に舞台を観たのがきっかけでハマったわけだから」
渡部「そうそう。恥ずかしい言い方になるけど、観た人の人生を変えてしまうくらいの力が芝居にはあるって、この4人はわかっている。だから、絶対に観にきてくれた人に何かを残すものにしなきゃダメだというのが、円盤ライダーのコンセプトなんです」
──劇場以外で上演するとなると、今までどんなところでやったのが一番印象深いですか?(丸岡)
渡部「それぞれどの会場も面白いんだけど、渋谷のハンバーグ屋さんでやったときに、本物の警察が来ちゃったのはすごく印象に残っている」
冠仁「銀行強盗が出てくる話で、お客さんを人質にするシーンがあったんです。それで、会場だったレストランがガラス張りだったので、外を歩いていた人が本当の強盗だと勘違いして通報してしまったみたいで」
渡部「パトカーが3台とか来てね、無線でどんどん増員も呼んで。でも東京の警察は慣れているというか、“撮影かなんかだね”ってすぐ帰ったんだけどね」
冠仁「でもストーリー的に絶妙のタイミングでパトカーが来たんで、臨場感がすごかったというか、お客さんも大喜びしてくれたよね」
渡部「そのときこのメンバーでやっていて良かったなと思ったのは、そういうハプニングが起きても芝居が止まらなかったんですよ。警察が来たからと言って誰一人素に戻らないで、そのまま芝居を続けられたから、お客さんも楽しめたのかなと思うんですよね」
──この4人のメンバーはどのようにして集まったんですか?(丸岡)
渡部「みんな個々で役者としてやってきて、最初に知り合ったのは映画とか舞台の現場で。僕がさっき言った「円盤ライダー」のコンセプトを構想して、それぞれに声をかけました。その時点ではもう、みんな役者として完全に確立していた状態でした」
冠仁「今もあんまり劇団という感じではないんですよ。それぞれ別の仕事もするし、公演のときに集まる感じで」
賢茂「冠仁くんも今回の公演で円盤ライダーは抜けるけど、別に喧嘩別れじゃないんですよ(笑)。そんな喧嘩でどうのこうのっていう年齢でもないしね」
冠仁「うん、僕としては、今後は自分でもプロデュース公演をやりたいなと思っていて。でも、また円盤ライダーにも客演で呼んでもらいたいです」
──さっき、今回の公演はセリフが多いとおっしゃっていましたが、台本っていつもどうやって覚えているんですか?(丸岡)
渡部「いや、それはね、俺も知りたい(笑)。100本以上、舞台出ているけど、みんなどうやっているんだろうね」
森田「いろいろですよね。セリフをレコーダーに録って、延々と聞く人とか。自分は自分のセリフ以外も全部覚えます。相手の出方がわかっていると、自分のセリフも入るので」
賢茂「さすがに全部は覚えないけど、最近ちょっと変えていて。僕は自分から話題を発信するところはキッチリ抑えるようにしていますね。ほかはいかにリアクションするかだから」
冠仁「たしかに一人芝居でない限り、相手がいるわけだからね。僕はあんまり台本に集中して向かって覚えるというよりは、まったく別の作業をしながら自分のセリフを言っていることが多いです。わりと気が散る環境のほうが入ってくるんですよ」
賢茂「そういえば、僕もけっこうセリフを覚えるときに、音楽をかけっぱなしだったりしますね」
渡部「わかる。電車とか雑音のある環境のほうがいいんだよね。結局、舞台の上って雑音が聞こえて来るじゃない? お客さんが咳をしたりとか。で、それで動揺して芝居が止まっちゃったらアウトだし。まあ、でも方法はいろいろだし、何が一番じゃないけど、とにかく役者はみんな頑張って台本を覚えています(笑)」
──最後に僕は23歳なんですけど、今のうちに「これをやっておけ」というアドバイスをいただけますか?(丸岡)
森田「さっきの話じゃないけど、なるべく質の高い芝居を観るといいと思います。役者をやり始めるとね、付き合いだとかなんだとかで、知り合いの芝居を観に行く機会が増えるんですよ。ただ、それだけで資金が尽きちゃうことって往々にしてあって、いわゆる大きい劇団とか観に行けなくなっちゃうみたいな。それって正直もったいないので」
冠仁「役者あるあるだよね(苦笑)。たしかに話題になっている作品にはそれなりの理由があるはずだから、観ておいて損はないと思う。僕も若い頃はどうしても観たい芝居があって、それがそこそこ高いものだったときは、知り合いの芝居を2〜3個とか『すいません!』って断ったりしていました」
賢茂「あと、僕は経験ないんだけど、養成所とかで学ぶのって、多少はやっといてもいいのかなと思うんですよね」
渡部「この4人はみんな独学だよね」
――みなさん、独学なんですか(丸岡)
賢茂「僕らは独学でやってきたんだけど、たまに時代劇とかで所作ができてないとか言われると、“あー……”って思うんだよね。それでもなんとか作品ごとに頑張ってやるんだけど、基礎くらいはやっといても良かったかなと思うことはいまだにある、正直なところ」
森田「僕は芝居以外のこともいろいろ経験するのがいいと思いますけどね。芝居しかしてない人ほど、得てして芝居もつまんなかったりするし(苦笑)」
冠仁「うん、結局、役者っていろんな人間を演じるわけだから、芝居関係以外でもいろんな人と会ってしゃべったほうが、身になることは多いと思う」
渡部「それとの繋がりで僕がアドバイスしたいのは、演劇で大事なのは集客ということ。いや、冗談じゃなくてね、同じくらいの年齢と背丈と芝居の力の人の中から、1人キャストを選ぶってときに、つまりオーディションで選ばれるのは、やっぱり集客力がある役者っていうのはポイント高いと思う。集客って最初は、バイト先でもいい、遊びで知り合った人でもいい、そういった自分の夢を応援してくれる身近な人から始まるんだけど、そういった人をいかに増やすかという努力をすることって大事。芝居の勉強とかは熱心だけど、意外とそこをやらない役者って多いんですよ」
森田「たしかに役者やっていることを、バイト先なんかで隠している子っているよね。照れ臭いのか、なんなのか。でもバイトしている自分は本当の自分じゃない、みたいなのは違うような気がする」
賢茂「夢を応援してもらえるってことは、人間として魅力的だからだよね。それって役者としての魅力にも繋がっていくんじゃないかな」
渡部「そうだね。最初は身近な人からだけど、今の若い子はSNSなんかも上手に使いこなすでしょ。結局のところ、発信力って、芝居と同じくらい大事だと思います」
──そこは目から鱗でした。芝居だけやっていればいいというわけじゃないんですね(丸岡)
渡部「アドバイスにしても、いろんな人がいろんなことを言うと思うけど、発信することでチャンスは絶対に広がると思うので、そこは臆せずにやっていくといいと思います」
初代ライダー(代表):渡部将之(わたべ・まさゆき)●1978年8月1日生まれ、愛知県出身。名古屋で芝居に出会い、佃典彦氏(B級遊撃隊主宰・劇作家)に多大な影響を受け、数々の舞台を経て上京。舞台、映像、声優を中心に活動する傍ら、殺陣・アクションでも活躍している。
2号:冠仁(かんじ)●1974年12月20日生まれ、東京都出身。最終学歴/東京理科大学一部理学部応用数学科卒業。舞台、映像など幅広く活動中。第31弾公演「かんむり」をもって、円盤ライダーを卒業する。
3号:賢茂エイジ(さかしげ・えいじ)●1974年7月15日生まれ、長野県出身。信州大学の演劇サークル『山脈』出身者による劇団「夢想舎」に所属し、地元長野でしばらく活動をしていたが、「夢想舎」が活動拠点を東京に移すにあたって一緒に上京。共に所属メンバーだった猿山のぼると、元メンバーだった黒木崎六九と共に、2000年に「さるしげろっく」を旗揚げ(現在は休止中)。役者として舞台を中心に活動。
4号:森田和正(もりた・かずまさ)●1980年4月21日生まれ、東京都出身。1998年、演出家・坂田真とGooday Co.を旗揚げ。2008年まで副代表として劇団を中心に活動。劇団の活動休止後はフリーの役者として様々な舞台に出演。
丸岡賢広くん「初めての稽古現場見学、とても面白かったです! みなさんキャリアがある方ばかりなので純粋に楽しんでしまいました。特に勉強になったのは、稽古後のインタビューです。芝居とかの技術面だけでなく、発信力を磨くことも大事というのは目から鱗でした。今すぐにでも始めたいと思います。僕は熊本地震のときに地元に来てくれた多くの俳優さんたちを目の当たりにして俳優を目指すようになったんですが、人に元気を伝えることと発信力を磨くことは繋がる話だなと思いました。もともとドラマをよく観ていて、特に『義母と娘のバラード』や『とんび』『天皇の料理番』といった脚本家の森下佳子さん、演出の平田雄一郎さんコンビが好きで、いつかこのお二人の作品に出るのが俳優としての目標でした。演劇はあまり観たことがなかったんですが、東京にも住み始めたことだし、今後は芝居もいろいろ観に行こうと思っています」
円盤ライダー第31弾「かんむり」
2019年5月23日(木)〜6月5日(水)
山野美容専門学院マイタワー27階
キャスト/渡部将之、冠仁、賢茂エイジ、森田和正
親愛なるメンバーへ
俺達はその昔、
共に汗をかき涙した。
夜が明けるまで語り尽くし笑い合い、
時には、
立てなくなるまで殴り合った。
希望と言う名の光を目指して走り続けていた。
あれから随分と時が経ってしまった。
歳をとって背負うものも増えただろう。
あの頃の見た目とは結構違うかもしれない。
だけど。
もう一度取り戻さないか?
あの輝きを。
もう一度立たないか?
あのステージに。
だって俺達は……アイドルなんだから!
K
【プレゼント】同公演に、デビューユーザー5名様をご招待!
[招待日]
・5月26日(日)16:00公演
【応募のきまり】
件名:円盤ライダー 公演招待 と明記し、本文:[氏名]、[電話番号]を記入して、下記メールアドレスに送信して応募。
【応募メールアドレス】
deview-oubo@oricon.jp
※上記アドレスをクリック or タップでメーラーが開きます。
【応募締切】
2019年5月23日(木)23時59分まで。
※抽選の上、当選者のみにメールでご連絡いたします。当落のお問い合わせにはお答えできませんので、ご了承ください。
※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
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