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2012/11/26 20:01
大型新人・能年玲奈、監督に怒られても「ご飯はおいしい…」
11月23日に都内で映画『カラスの親指』の初日舞台挨拶が行われ、主演の阿部 寛、村上ショージ、石原さとみ、能年玲奈、小柳 友、伊藤匡史監督が出席。豪華な顔ぶれがステージに揃った。
過去、『麒麟の翼』で刑事役、『テルマエ・ロマエ』では古代ローマ人と濃いキャラクターを演じてきた阿部が今回、詐欺師となって登場。直木賞作家の道尾秀介の本格ミステリーを映画化。阿部の相棒を演じることになるのが、初めて本格的に映画に挑む芸人・村上ショージだ。さらに、実力派女優として活躍中の石原と大型新人・能年は美人姉妹に扮し、本作のために10kgもの増量し役作りを行った小柳は石原の恋人役を演じる。この5人が一つ屋根の下に集まり、共同生活を送ることに……。あらゆるシーンに伏線がちりばめられた、どこも見逃せないスリリング展開と人情味たっぷりの本作。
映画経験初心者の村上とタッグを組む阿部は「ショージさんとの、このコンビネーションがすごく楽しくて」とにこやかに語り、村上からは「阿部さんからは温かい言葉をいっぱいかけてくださって、映画が全然分からなかった私に、ちょっとだけ映画を教えてもらったような気がしてホントにありがとうございます」と恐縮しきりの様子。
一方で村上は「皆さんホントにすごい役者さんで、本番始まったら全員セリフを覚えてきてるんですよ。僕それが全然わからず、一人テンパってずっと助監督とセリフ合わせをして。みんなはワイワイと余裕で遊んでる状態で、気が狂いそうでした」とのぼやきも。阿部、石原から「遊んでるって…(笑)」と返されると、「そういう風に見えるんですよ。余裕がありますから」と切り替えし。
また村上からアドバイスを求められることもあったという阿部。「ショージさんから、“これから長セリフがあるんですけど、どうやったら覚えられるでしょう?”って聞くから、もう覚えるしかないですよ」と一言。これには村上も「思わず“ハーッ……”て言ってしまいました」とがっかりしたようだ。
さらに撮影の思い出について聞いてみると、「監督がすごく粘る方なんで、スタジオで1週間くらい1日18時間くらい撮影したのかな。自然と疑似家族というか“和”みたいなのができて、それが映画の中でもイキイキと写ってるんで、それはよかったなと(阿部)」としみじみ。
この監督の“粘る”にはそれぞれ思い出があり、まず阿部が「僕がタバコを吸うシーンがあるんですが、これは20テイクくらいやりましたから」と振り返り。それに続き石原も「能年ちゃんとの滑り台のシーンで、あのテイクは重ねましたね。すごかったんですよ」と。小柳にいたっては「牛乳を飲むシーンがあるんですけど、最終的に牛乳を4リットルくらい飲んで」とかなり苦労したそう。「カメラテストのときから、『飲まないと分からない』って言って飲んでたから。テストで4回くらい飲んで、その後7テイクか8テイクやって。最後には腹壊して、顔青ざめて撮ってたっていうね(阿部)」となかなかの試練があったようだ。
ただ、さすが大型新人・能年。先輩女優の石原から「能年ちゃん、テイク重ねても全然顔色一つ変えないんですよ。私は『今、何がいけなかったんだろう』って落ち込むんですけど、ホントにカラッと、ずっとそのまんまの状態で重ねてて、すごいですよね(石原)」と賛辞のお言葉をもらう場面も。さらに「意外と怒られても、普通に昼ごはんおいしく食べてましたからね。落ち込まずにそういうとこは、すごいなって思いました(村上)」と芸能界の大先輩からもお褒めの言葉をもらうと、能年は「ご飯はおいしいっていうか……」となんともちぐはぐな返答。
ほかにも、最後の挨拶で緊張で言葉に詰まる能年に、阿部・村上がズッコケる場面や宣伝用のムービー撮影中、MCから「何かおっしゃっていただいてもかまいませんが、村上さん」と振られて、観客から「ショージさん、どゆこと?」に「しょうゆこと!」と持ちネタを返し会場を沸かせるなど、終始楽しい舞台挨拶となった。
出演者はそれぞれ「最後面白い展開になってます(阿部)」、「いろんなところに伏線があるので、細かいところまで目を開けてしっかり見てください(石原)」、「今の自分の感じとは違うので、それだけで騙せたんじゃないかと思う(小柳)」とキャスト全員“騙し”に自信満々。映画『カラスの親指』は現在東宝系にて全国公開中。