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2016/06/24 17:01
松井玲奈、9代目・沖田総司を体当たりで熱演 演出家は「もう松井以外でやりたくない」と大絶賛
松井玲奈が主演を務める舞台、つかこうへい七回忌特別公演『新・幕末純情伝』が、23日に天王洲 銀河劇場にて初日を迎えた。初日公演前には公開ゲネプロが行われ、座長の松井のほか、相手役の坂本龍馬を演じる石田明(NONSTYLE)、細貝圭、早乙女友貴、味方良平、荒井敦史、演出・岡村俊一氏が囲み取材に出席。舞台への意気込みを語った。
同作品は、幕末の京都を舞台に、”新撰組の沖田総司が実は女だった”という、つかこうへいのユニークな着想のもと、1989年8月 PARCO劇場にて上演されて以降、幾度となく上演され続けているつか作品の代表作の一つ。これまで、藤谷美和子、広末涼子、石原さとみ、鈴木杏、桐谷美玲、河北麻友子など、数多くの女優が演じてきた、紅一点のヒロイン・沖田総司役を今作では松井玲奈が演じる。
舞台の冒頭から、沖田総司の登場シーンで、激しい雷鳴が鳴り響く中、中央から登場した松井が、舞台中央に刺してある刀・菊一文字宗春を抜き、激しい立ち回りを披露し魅了する。小さい頃から“男”として育てられ、剣術に長けていた総司。しかし、肺病を患っていたため、周りから疎まれ孤独を味わっていた。そんな中「百姓にはうつらない」と優しく接してくれた土方歳三に恋い焦がれる総司だったが、日本に新しい時代をもたらす男・坂本龍馬にもしだいに心惹かれていく。
裏切りと憎悪が渦巻く暗黒の時代に、自身の新撰組としての使命と恋する想いに揺れ動く総司を松井が大胆かつ繊細に表現。新撰組隊士として、そして男として生きる姿を凛々しく演じたかと思えば、土方や龍馬とのシーンでは、恋い焦がれる女としての優しい眼差しへと見事に移り変わる。石田とのキスシーンや、味方に胸をわしづかみにされるなどのラブシーンはもちろん、激しい殺陣やアクションなど、まさに体当たりで演じている。
舞台では、岡村氏の演出ならではの、時事ネタをふんだんに盛り込んだ、思わず笑ってしまうようなシーンも満載。味方が出演していた、ミュージカル『テニスの王子様』の1シーンを彷彿とさせるような演出や、DAIGOのアルファベットを省略したDAI語を駆使したセリフなどの小ネタもどころどころに散りばめられており、観る者を飽きさせない。
演出の岡村氏は「松井がここまでやるとは!という感じ。動きがキレキレで張り合える子はそういないんじゃないかな。もう、この作品は松井以外でやりたくない……そういう感じがします」と大絶賛。それに対して松井は、「ありがとうございます。恐縮です」と語り、「今までいろんな方が演じてこられた作品ですし、私自身も人生賭けてステージに立ちたいと思っているので、そう言っていただけるのは嬉しいです」と喜びを噛みしめる。
また、石田とのキスシーンについて松井は「やっているときは、坂本龍馬を愛するという気持ちでやっているので、照れはない」と語り、「私が作品の中に入れば入り込むほど、観ている方にもステキなシーンに映るんじゃないかと思うので、心に残るシーンになったらいいなと思って演じています」とコメント。
土方歳三を演じる細貝は「長い公演なので、みんな怪我なく無事にこの公演を乗り越えられたら」と語り、つかこうへい氏の七回忌も触れ「七周忌の年ということで、歴代の幕末純情伝の出演者に恥じぬよう、まっすぐ千秋楽まで突っ走っていきたいと思います」と宣言。早乙女も「七回忌ということをキャスト全員で背負って、全力で本番に向けて頑張りたい」と気を引き締めながら、「絶対面白いものになっています!」と自信をのぞかせる。
そして、勝海舟を演じる荒井は「歴代の勝海舟を演じてこられた役者さんの中で、僕が最年少だと思うんですけど、若いからこそ表現できるものもあると思うので、精一杯演じきりたい」とコメントし、「初めてのつか作品なので緊張はありますけど、全力でぶち当たっていきたい」と力強く語る。味方は「岡村さんが『傑作だ』と言っていたので、1ヵ月後もそういって頂けるように頑張りたい。今、自分ができることよりちょっと無理して上のことができたらいいなと。この公演が終わったときに大きくなったところを見せられたらと思います」と意気込む。
最後に石田は「今までいろんな人が演じてきた中でも、一番ひょうきん者の坂本龍馬が演じられたらと思います」とコメント。松井は「今回、つかさんの七回忌ということで、『新・幕末純情伝』を再演することができて、今回のメンバーでできるということがすごくありがたいことだと感じています」と語り、「一人でも多くの方に観ていただけるよう、私たちも千秋楽まで誠心誠意、頑張りたいと思います!」と力強く意気込む。そして最後に、岡村氏が「松井玲奈の『新・幕末純情伝』は傑作です!」と太鼓判を押し、囲み取材を締めくくった。
つかこうへい七回忌特別公演『新・幕末純情伝』は、6月23日(木)〜7月3日(日)まで天王洲 銀河劇場にて上演され、その後、7月6日(水)〜7月17日(日)まで紀伊國屋ホールにて、7月22日(金)〜7月24日(日)まで梅田芸術劇場メインホールにて上演される。なお、オーディション&エンタメサイト『Deview/デビュー』では、松井玲奈のインタビューを掲載中。