エンタメ界の新人開発に特化したオーディションメディアとして2023年に40年を迎える『デビュー／Deview』が、芸能プロダクション141社が参加する新人募集特集『冬の特別オーディション2023』を開催中。それに合わせて、同企画に参加する事務所が2023年にプッシュする新人をピックアップしてインタビュー。｢仮面ライダーセイバー｣出演の高野海琉､ ｢ウルトラセブンX｣主演の脇崎智史らが所属、映像系のマネージメントに強く、海外にも強いコネクションを持つヴァンセット・プロモーションがプッシュする池上秀治は、会社員と並行して俳優活動を行っており、「映画を観ていて気付いたらいる」と思われるような、必要とされる俳優を目指す

【ヴァンセット・プロモーション所属：池上秀治（いけがみ・しゅうじ） インタビュー】

――デビューのきっかけは？

「23歳で大学院に通っているときにスカウトされて、1年ぐらい大阪のプロダクションに所属していました。その1年の間に卒業・就職して、化粧品会社で研究開発の仕事を並行していました。当時所属していた事務所は音楽やモデルを総合的にやっているところだったんですが、ちょっと自分のやりたいこととは違うなと思っていて。『デビュー』で新しい事務所を探しました。すでに社会人になっていたので、多くの事務所が年齢制限にひっかかる中で、ヴァンセット・プロモーションは年齢制限を設けていない上に、映画や特撮に出演していて知っている俳優さんもいる。さらに海外にコネクションがあるという会社プロフィールを見て応募させていただきました」

――芸能の仕事には元々興味を持っていたんですか？

「映像の芝居の仕事には興味を持っていたんですが、親が厳しかったので、きちんと進学して就職するという道を進みながらチャンスをうかがっていました。身近に芸能界を目指している子がいたんですが、自分がそこに行けるとは実際は思っていなかったんです。でもスカウトを受けたことをきっかけに、自分にも可能性はあるのかなと興味を持ち始めました。そして活動をしてみたら、やっぱり自分がやりたいことはお芝居で。映像関係に強くて、少人数で自分をちゃんと見てマネージメントしていただける事務所を探しました」

――すでに就職をしていたなかで、事務所を移ってもまた芝居を続けたいと思ったのはなぜでしょう？

「先ほども言ったように家が厳しかったので、前の事務所を一回辞めたあとは、会社の仕事をきちんとしていたのですが、かつての知り合いが大手の事務所で活躍していたり、ドラマに近い世代の人がどんどん出てくる中で、ふつふつとやってみたいという気持ちが再発してきました。会社の仕事が一区切りしたこともあり、このままじゃ終われない、これが最後と思ってチャレンジして、ヴァンセットに出会うことが出来ました」

――ヴァンセット・プロモーションのオーディションを受けた時の印象は？

「ちゃんと対面で向き合って自分を見てくれたなと思います。大手の事務所のオーディションも受けたんですが、流れ作業みたいな感じを受けたんです。そんな中ヴァンセットは、まだ所属していないにも関わらず、親切なアドバイスをいただいたり、映画や特撮の所属俳優さんの実績や、日本だけじゃなく海外にコネクションがあるという話も、自分の頑張り次第で可能性があると感じました。あとは、オーディションで所属俳優の方にも見ていただいて、直接お話させていただける機会があったんです。CMやドラマで見たことのある俳優が面接官だったので、テンションが上がりました」

――所属後、事務所からはどんなサポートを受けていますか？

「ヴァンセットの場合は、オーディションの案件も、社長がこれが自分に合うんじゃないかと厳選していただいた上で受けるのでハマりやすいと思います。自動的ではなく、一人一人をマネージメントしていただいているという安心感がありました。その分仕事が決まったら失敗はできないので、先輩方に演技を見てもらって助けてもらうこともあります」
――現在も大阪に住んで、会社の仕事は続けているとのことですが？

「事務所には大阪に住みながら仕事を続けることを許容していただいています。俳優の仕事で稼げるという確証が得られたときには逆転はしたいと思っているんですが、バイトしながらの活動となると本末転倒になりがちだと思うので、そこは慎重に判断したいと思っています」

――これまでの活動の中でターニングポイントになったのは？

「所属してすぐに、木ドラ『さぼりリーマン 甘太郎』（TX）と舞台『うんちゃん2』の仕事が近い時期に入ったんですが、ドラマと舞台の感動は全然違うんですけど、やっぱり自分は映像で行きたいという確信を持ちました」

――2017年のオーディションで所属し、滑り出しは良かったといえ、新型コロナの影響で芸能の仕事の中断を余儀なくされました。そのようななかで事務所のケアはいかがでしたか？

「コロナの期間は、この先どうなるか分からないから“耐える期間”だというサポートはいただいていました。幸い僕は芸能の仕事に一本化していないうえに、専門職なので働き方も変わりませんでした。その時期はオーディションもなかなか受けられなかったのですが、そんな中でも事務所の所属メンバーと定期的に会わせていただいたり、お籠り期間中に映像を観るなど芝居の肥やしを増やすようにアドバイスをいただいた、常にモチベーションが下がらないような配慮をしていただきました」

――化粧品の新商品を開発する研究者の顔を持つ俳優というのは、役者としても付加価値になりそうですね。

「化粧品の商品開発の仕事で、中身の処方から新商品の入れ物やパッケージのデザイン、マーケティングなども一通りにやっています。研究者の役など、どこかで役者の仕事に活きたらいいなと思いますね。以前サラリーマン役の一人として出演した時には、社会人経験が活きて、違和感なく演じられたんじゃないかなと思います。34歳といってもまだまだ新人ですから、プロだと思うとおごってしまうので、そこはずっとスポンジのようでいたいと思っています。吸収できるものは吸収したいし、貪欲でいたい。若い俳優からも勉強できることがたくさんあるし、自分の糧になればと思っています。自分のアップデートになることが楽しいので、現場では常に謙虚で新しいことを吸収しています」

――俳優の仕事で大変だと思うことは？

「監督のやりたいことをいかにスピーディーに汲みとって表現するかが大変です。台本だけじゃ読み取れない部分もあり、そんなに回数を試せない中でどんな演技のバリエーションをチョイスするのか。今までの映像を研究して、この監督さんはどういう演技が好みか分析したりして…。相手役もいてのことなので外しちゃうこともありますけどね（笑）。今はいろいろな現場に挑戦して訓練したいと思います」

――現在の目標や夢を教えてください。

「まずは認知されたいので、小さな役でもいいのでドラマなどに出たいですし、それを実績に次に繋げたいと思っています。そして、自分は映画が好きなので、いずれは商業的な映画に出演して、好きな映画の一部分でいるというのは目指したい目標としてあります」
――今いる役者さんで憧れている方、目標としている方はいますか？

「ちょっと失礼かもしれないんですけど、ブレイクする前の田中圭さんのようなポジションに行きたいんです。まだドラマ『WATER BOYS』のサブだったころ、いろんな映画に出ていてもメインじゃないんですよ。気付いたらいるじゃん！っていう俳優になっていたいという意味で目標にしています」

――これからオーディションに応募しようと考えている人に向けてエールをお願いします。

「まずは、考えずに挑戦してほしいということに尽きます。僕もいろいろと考えてしまっていた分ブランクがあるので。その結果で自分がどうするのかを自分で決められるので、挑戦しないまま諦めたり、自分で結果を出してしまうのはすごくもったいない。ちょっとでも興味を持ったら挑戦することをお勧めします。自分は、諦めていなくてよかったと思います。最初は所属できると思っていなかったし、お仕事がもらえるとも思っていなかったのに、実際にお仕事をもらったら、感動したりもっとやりたいという意欲が湧いたので。まずは動いてみることが大事だと思います」

【プロフィール】
池上秀治（いけがみ・しゅうじ）●1088年10月4日生まれ、大阪府出身。ヴァンセット・プロモーション所属。
映画／『トラガール』
ドラマ／木ドラ『さぼりリーマン 甘太郎』（TX）
舞台『うんちゃん2』
CM／ゆき法律事務所「名前のルーツを探る」
特技：バスケットボール、バレーボール、サッカー
資格：英検2級、色彩検定3級

◆担当マネージャー・スタッフからのイチ押しポイント◆
地道に一歩一歩努力を積み重ねて､全ての物事に前向きに挑む性格が最大の長所です｡ また弊社では珍しく理系企業での研究者経験もある俳優故､30代に多いホワイトカラー系､白衣職系を問わず､様々な役どころに幅広く活躍させたいと考えています｡