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2022/01/01 13:05
トライストーン・エンタテイメント所属の演技派女優・東野絢香「2022年は映画の現場に携わりたい」
NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』でヒロインの親友・みつえ役を好演し、話題を呼んだ東野絢香さん。この冬は連続ドラマ『じゃない方の彼女』(テレビ東京系)にレギュラー出演した。俳優養成/演技研究所「トライストーン・アクティングラボ(TSAL)」を経て、事務所・トライストーン・エンタテイメントに所属して3年。2022年にはさらなる飛躍が期待される若き演技派女優に、成長と充実の2021年を振り返ってもらった。
■東野絢香インタビュー
── NHK朝ドラ『おちょやん』のみつえ役がSNSで何度もトレンド入りするなど大反響でしたね。
「自分では意識していなかった細かいところまで汲み取ってくださったり、感情移入して見てくださったりと、純粋にとてもうれしかったです。ただこういう経験は初めてだったので、あまり重く受け止め過ぎないようにしていたところもありました」
──お嬢さん時代から戦争未亡人まで、長い年代を演じてみていかがでしたか?
「髪型や衣装にも助けられましたが、見た目にはどうしても限界があるので、内面の変化をいかに表現するかを考えました。台本をもとにみつえの人生の背景を想像しながら、年齢を重ねるごとに声のトーンを落ち着かせていったり、一方でお転婆なお嬢さん時代の面影を少し残したり。芝居で一番大切なのは"役の人生を生きる"ことだとTSALでもずっと教わってきましたが、みつえの人生をまさにじっくり時間をかけて生きる貴重な体験ができました。多くの若手俳優が朝ドラを目指す理由が改めて実感しましたね」
──10月期の連ドラ『じゃない方の彼女』でもヒロインの親友役を好演しました。
「いわゆる”普通の女の子”を演じるのは、初めての経験でした。共演者も同年代が多くて、ちょっとした青春って感じでしたね。監督さんもすごく熱意を持って若手俳優に指導してくださって、何度もテイクを重ねたり、芝居のアイデアを出し合ったりとすごくライブ感のある現場でした」
──NHKと民放の違いについて、発見はありましたか?
「作品における自分の役割を果たすという点では何も変わりはなかったんですが、『じゃない方〜』は自宅から現場に通うのが私にとってはすごく新鮮でした。『おちょやん』はNHK大阪放送局の製作だったので、撮影期間はホテルに滞在していたんですが、自宅に戻るとやっぱり日常にリセットできるんですよね。『じゃない方〜』は現代のお話だったので、その環境がいいほうに作用したように思います」
──“ヒロインの親友役”を続けて演じましたが、主演をしてみたいという欲はありますか?
「主演は目標のひとつですが、今はまだイメージできないです。『おちょやん』の杉咲花さんも『じゃない方〜』の山下美月さんも、主役を務められる方というのは、何かしら人を惹きつけるものをお持ちなんだなと間近にいて感じました。役者は芝居が第一ですが、そのほかにも『この人の演技を見たい』と思ってもらえるような何か──。私もそれをつかみたいなと思いましたね」
──2021年はドラマの間にも、夏にパルコステージの舞台に出演しました。
「約2年ぶりに舞台に立たせていただきましたが、やっぱり私は演劇が大好きなんだなと思いました。共演者もみなさん芝居好きな方ばかりで、初日から千秋楽にかけてどんどん熱が高まっていき、とても刺激を受けましたね。本番が始まってからも挑戦できることはたくさんあるんだと、演劇の面白さを存分に味わえた作品でした」
■「日常の1つ1つを丁寧に送って、メンタルを整えておくことも芝居には大切なんだなと考えるようになりました」
──とても充実した1年だったと思いますが、2020年の自分との変化をどう感じますか?
「2020年は夏くらいから『おちょやん』の撮影が始まったのですが、私にとっては初のレギュラー作品だったこともあり、プレッシャーや焦りで思考がてんやわんやしていました。ちょっと眠れなかったこともあります。それが現場にも慣れたこともあってだいぶ落ち着いて、適度にストレスを緩和したり、心身を整えたりする時間が取れるようになりました。」
──心身を整えるために、どんなことをされていましたか?
「自炊が好きで、最近は牛すじを使った料理をよく作るんです。牛すじって煮込むのにけっこう時間がかかるんですけど、鍋に無心で向き合っているうちに、心も整ってきて。結果、作り過ぎてお母さんに大量に渡すことになるんですけど(笑)。でも、もともと芝居に集中すると私生活が疎かになるほうだったんですね。だけど美味しいご飯を食べたり、しっかり睡眠を取ったり、身の回りを整理整頓したり、そういった日常の1つ1つを丁寧に送って、メンタルを整えておくことも芝居には大切なんだなと考えるようになりました」
──俳優を目指してギラギラしていた頃は、そこまで落ち着いて考えられなかったですか?
「TSALに入る前の私はどちらかというと殻に閉じこもっていた感じですね。傷つけられたくないから、あまり他人と関係性を持たないようにして。つい先日もTSAL時代の同級生に会ったんですが、『初めて会った頃は一匹狼だった』と言われました(笑)。でも芝居は人との関係性で作っていくもの。今、自分が現場で感情を開放して芝居ができているのは、TSALの仲間たちがレッスンを通して私の心の蓋をこじ開けてくれたり、引っ張り出してくれたりしたおかげだったんだなと改めて思い出しました」
──俳優の仕事は多岐にわたります。今後は演じる以外の仕事にも広がっていくことが予想されますが、どう考えていますか?
「2021年はドラマの関係でバラエティ番組にも出させていただいたんですが、おしゃべりは本当に得意じゃなくて。だけど芝居の現場では出会えない方とお話させていただくことは、確実に自分の栄養になっていると感じます。もちろん自分のメインは芝居だと思っていますが、人生一度きりですし、チャンスがあればいろんな仕事に取り組みたいと思っています」
──最後に2022年に実現したい目標を教えてください。
「映画はまだ経験したことがないので、携わってみたいです。ドラマも演劇も演じるという点では同じですが、現場の空気感はやっぱり違うものがあります。映画の現場にもきっと流れている独特の空気を、ぜひ体感してみたいですね」
(撮影/厚地健太郎 取材・文/児玉澄子)
PROFILE
東野絢香(ひがしの・あやか)●1997年11月9日生まれ、大阪府出身。身長170cm。2018年VIPO主催アクターズセミナー賞優秀賞受賞。特技:大阪弁、ピアノ。趣味:カメラ、料理。舞台:イキウメ『獣の柱』、劇団ロ字ック『掬う』、『リボルバー〜誰が【ゴッホ】を撃ち抜いたんだ?〜』、ドラマ:KTV『猪又進と8人の喪女』、WOWOW連続ドラマW『夜がどれほど暗くても』等に出演。2021年はNHK連続テレビ小説『おちょやん』に岡田みつえ役、連続ドラマ『じゃない方の彼女』(テレビ東京系)に橋本彩菜役でレギュラー出演。
最新情報は、事務所の公式HP( https://www.tristone.co.jp/)、Twitter @ayaka_higashino、Instagram @aya_kirin にて公開。
■トライストーン・アクティング・ラボ
http://www.tristone.co.jp/tsal/