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2020/12/13 20:16
『第44回ホリプロTSC』決選大会、バレエ歴14年の京都出身 高3・佐竹桃華さんが「17LIVE賞」を受賞
榊原郁恵(「榊」は「木へんに神」が正式表記)、深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみなど、錚々たるメンバーを輩出したホリプロの伝統オーディション『第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン』(TSC)の決選大会が12日、新国立劇場 中劇場で行われ、応募総数19,115人の中から男女合わせて10名のファイナリストが決選大会に出場。ダンス・演技・歌唱審査が行われ、クラシックバレエ歴14年の京都出身・高校3年生の17歳、佐竹桃華(さたけ・ももか)さんが「17LIVE賞」を受賞した。
ホリプロ60周年記念企画である第44回TSCのテーマは「未来のキング&クイーンを探せ!ミュージカル次世代スターオーディション」。新型コロナウイルス感染症の影響で、舞台やミュージカル作品の多くが中止や公演延期を余儀なくされた今だからこそ、この期間に“世界に羽ばたける次世代ミュージカルスター”という新たな人材を発掘・育成するため、国籍不問の11歳(小学6年生)〜20歳までの男女を募集。
“スカウトキャラバン”というオーディション名の通り、例年のTSCでは日本全国を周り各地で地方予選を行ってきたが、今回はオンライン面談を中心としたTSC史上初のリモート審査が行われた。応募総数19,115人の中から第一次書類選考(WEB応募資料審査)を行い、リモートを中心とした審査や地方審査を実施。その選考を通過した候補者を対象に、リモートによるダンス・歌唱・芝居のレッスン、東京合宿、さらには1週間の個人配信など、様々な選考を重ね、女性9名・男性1名の計10名のファイナリストが決戦大会への出場を決めた。
決戦大会では、同コンテストのスペシャルアンバサダーをつとめた市村正親や、作家・演出家の鴻上尚史、演出家の宮本亞門ら審査員が見守る中、ダンス審査、演技審査、歌唱審査を実施。最初に行われたダンス審査では、2人1組で『The Greatest Showman』より「ザ・グレーテスト・ショー」の曲の一部を使ってのダンスを披露。途中、自身で考えた振付けでアピールする場面もあり、「17LIVE賞」に選ばれた佐竹さんは、クラシックバレエ歴14年の経験を活かした、指の先までしなやかなでキレイなダンスで自らを表現。
続いての演技審査では、辻仁成の『ピアニシモ』を原作としたワンシーンの芝居を2人1組で披露。同じ台本ながらも、設定や二人の関係性、状況などそれぞれのペアが演出を考えたということで、各ペアがレッスンで積み重ねた練習の成果を遺憾なく発揮。トップバッターのペアで登場した佐竹さんは、感情を爆発させて相手に思いをぶつけるシーンで、力強い眼差しと迫真の演技を見せ、おっとりとした佇まいとのギャップを感じさせた。
最後の歌唱審査では、『ヘアスプレー』の「ユー・キャント・ストップ・ザ・ビート」という共通の課題曲に挑戦。佐竹さんは歌唱前の紹介VTRで「見てくださっているみなさまの心に何か届けられたら。今日のために精一杯練習してきました。舞台上でしっかりと輝けるように、頑張ります」と意気込みを語っていたが、音域が広く難しい課題曲に対しても、リズムに乗りながら笑顔で歌い、自身のステージを楽しんでいる様子で、まさにステージ上で輝いている姿がとても印象的だった。
全ての審査が終了し、迎えた結果発表の瞬間。実行委員長の川畑良太は審査について「様々な意見をいただきまして、非常に難しい審査となりました」と審査が難航したことを明かし、今回の審査で1週間の個人配信を「17LIVE」で実施したことも踏まえ、これからの時代を切り開く新世代のスターになってもらいたいという願いを込めて贈られる賞「17LIVE賞」が設けられることが発表された。
そして、「17LIVE賞」で名前を呼ばれた佐竹さんは、「正直、まだ信じられないし、びっくりしています」と驚きの表情を見せ、「この賞に相応しいスターになれるよう、これからも精進してまいりたいと思います。本当にありがとうございます」と決意を新たにした。選出理由については「今大会はコロナ禍において非常に需要の高まったライブ配信を審査の一部に取り込ませていただきました。その中で佐竹さんはファンとのコミュニケーションもとても上手く、これからもぜひ発信し続けて、新しい女優の形として一緒に作り上げていきたいなと思いました」と川畑実行委員長が説明。「17LIVE賞」に選ばれた佐竹さんは、ホリプロ専属契約に加え、「17LIVE」のWEB CMへの出演も決定。
様々な審査を勝ち抜いてきたファイナリスト10人。リモートレッスンや東京合宿で歌やダンス、演技などの猛特訓してきた成果をそれぞれが発揮し、とてもレベルが高い決戦大会だった今回のTSC。審査員をつとめた宮本は「全員ミュージカルにすぐ立てるという感じ。レベルが高くて驚きました」と称賛。市村も「みんなにグラプリをあげたい。歌も芝居も踊りも素晴らしかった。本当に元気でエネルギーを貰ったなと思います」とコメント。
鴻上も「ファイナリストに残って、グランプリを獲れなかった9人は、ここまで来たことが奇跡ですから。約2万人の中から選ばれた“未来のミュージカルスター”ということで、僕らと必ずどこかで出会うことになるかと思います」と述べ、「もちろん、悔しいし、悲しいと思いますが、でもまだまだ夢を続けている限りは僕らと出会うと思うので、ファイナリストになったことを誇りに思ってください」とファイナリストへのエールを送った。
ホリプロ60周年記念企画「第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン」未来のキング&クイーンを探せ!ミュージカル次世代スターオーディションでは、圧倒的歌唱力と笑顔で会場を魅了した愛媛出身の中学2年生・山崎玲奈(やまさき・れな/※「崎」は「たつさき」が正式表記)がグランプリに輝き、京都出身の高校3年生・佐竹桃華さんんが「17LIVE賞」に選ばれた。未来を担う次世代のミュージカルスターとして、二人がこれからどんな風に羽ばたいていくのか、今後の活躍に期待したい。