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2020/12/13 08:31
『第44回ホリプロTSC』グランプリは圧倒的歌唱力で魅了した愛媛出身の中2・山崎玲奈さん、宮本亞門も「天才!」と大絶賛
榊原郁恵(「榊」は「木へんに神」が正式表記)、深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみなど、錚々たるメンバーを輩出したホリプロの伝統オーディション『第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン』(TSC)の決選大会が12日、新国立劇場 中劇場で行われ、愛媛出身(千葉在住)の中学2年生・13歳、山崎玲奈(やまさき・れな/※「崎」は「たつさき」が正式表記)さんがグランプリに輝いた。
ホリプロ60周年記念企画である第44回TSCのテーマは「未来のキング&クイーンを探せ!ミュージカル次世代スターオーディション」。これまでのTSCは、プロダクション事業部のマネージャーが実行委員長となり、新人の発掘・育成を担ってきたが、今回は歴史の長いマネージメント部と、数多くの舞台を制作しているファクトリー部の2つの部署が力を合わせて開催。また、“スカウトキャラバン”というオーディション名の通り、例年のTSCでは日本全国を周り各地で地方予選を行ってきたが、今回はオンライン面談を中心としたTSC史上初のリモート審査が行われた。
応募資格は、芸能プロダクションに所属していない11歳(小学6年生)〜20歳までの男女。9月1日からの1ヵ月の応募期間を経て、応募総数19,115人の中から第一次書類選考(WEB応募資料審査)を行い、リモートを中心とした審査や地方審査を実施。その選考を通過した候補者を対象に、リモートによるダンス・歌唱・芝居のレッスン、東京合宿、さらには1週間の個人配信など、様々な選考を重ね、女性9名・男性1名の計10名のファイナリストが決戦大会への出場を決めた。
決戦大会では、同コンテストのスペシャルアンバサダーをつとめた市村正親や、作家・演出家の鴻上尚史、演出家の宮本亞門ら審査員が見守る中、ダンス審査、演技審査、歌唱審査を実施。最初に行われたダンス審査では、2人1組で『The Greatest Showman』より「ザ・グレーテスト・ショー」の曲の一部を使ってのダンスを披露。途中、自身で考えた振付けでアピールする場面もあり、グランプリに輝いた山崎さんは、アクロバティックな側転を披露し、トレードマークでもある笑顔で元気いっぱいにダンスする姿が印象的だった。
続いての演技審査では、辻仁成の『ピアニシモ』を原作としたワンシーンの芝居を2人1組で披露。同じ台本ながらも、設定や二人の関係性、状況などそれぞれのペアが演出を考えたということで、各ペアがレッスンで積み重ねた練習の成果を遺憾なく発揮。感情を爆発させてお互いの想いをぶつけ合うシーンなど、それぞれが迫真の演技を披露し、レベルの高さを感じさせた。
最後の歌唱審査では、『ヘアスプレー』の「ユー・キャント・ストップ・ザ・ビート」という共通の課題曲に挑戦。ミュージカル『アニー』のアニー役(2019年公演)やミュージカル『スクール・オブ・ロック』(公演はコロナの影響で中止)など、オーディションで役を勝ち取ってきた経験がある山崎さんは、音域が広くピッチも早い難しい課題曲にも笑顔で楽しそうに歌い、圧倒的な歌唱力で審査員たちを魅了した。
3つの審査が終了した後、「すべての審査を思いっきり楽しみました」と笑顔で語っていた山崎さん。グランプリ発表で名前を呼ばれた瞬間、驚きの表情を見せ、涙を浮かべながら喜びを噛み締めていた。審査を担当した鴻上は「歌も演技もダンスも素晴らしく、満場一致でパーフェクトだった」と明かし、宮本も「あなたすごかったね。今日初めて聞いて、全身鳥肌が立った。正直言うと、あなた天才!!」と絶賛。さらに「今の瞬間を忘れないで。自分を信じて“できる”って思えば、あなたは日本どころか世界中に行ける力を持っています。期待しています。あなたの名前が世界に轟くことを夢見ています。頑張ってください」とエールを送る。
最後にはスペシャルアンバサダーの市村が花束を持って登場し、山崎さんのグランプリ受賞を祝福。山崎さんの誕生日が1月28日ということについて触れ、「実は僕も1月28日生まれなんです。だからこれは運命なんです。おめでとう!」と握手。そして「僕はいろんなミュージカルでお父さん役をやっていて、娘役が必要な役が多い。なので、近々、舞台でご一緒できることを楽しみにしています」と優しい笑顔で語りかけた。山崎さんは「グランプリを獲れたて嬉しいですし、市村さんと同じ誕生日ということにすごく驚きました。いつか共演できるといいなと思います」と笑顔をみせた。
決選大会直後の囲み取材では、たくさんの報道陣を前に、カメラマンからの様々なポーズのリクエストにも臨機応変に応えるなどの余裕も見せていた山崎さん。グランプリ受賞の感想については、「すべての審査において思いっきり楽しんでグランプリを獲れたので、心から本当に嬉しいです」とニッコリ。ダンス・演技・歌の審査の自己評価は「今回は自分に悔いなしということで、すべて100点」と振り返り、「ダンスに関しては苦手意識があるので、動きを大きくしたり、見ている人たちに自分がどういう風に踊っているのかちゃんと伝えられているかなということを一番意識しました」と明かす。
ミュージカル女優に憧れたきっかけは、小学4年生の頃に通い始めたミュージカルスクールだったそうで、「市民ミュージカルのオーディションに合格して、その稽古をしていくうちに、楽しいと感じて。“これを職業にしたい”というという想いがどんどん深まっていきました」と述べ、ミュージカルの魅力については「見ている目の前の人たちに、芝居だけじゃなくて歌やダンスで気持ちを伝えることができることが魅力なのかなと思います」とコメント。憧れの女優は高畑充希。将来の夢について「ミュージカルをはじめ、映画やドラマなど幅広く活躍できる女優さんになりたいです!」と意欲を輝かせた。
特技は「ものまね」だそうで、「前は『半沢直樹』だけだったけど、最近『となりのトトロ』のメイちゃんとかレパートリーが増えた」と明かし、記者からものまねのリクエストをされると、「うそー!」と驚きつつ、「どっちにしようかな。今日は可愛い服を着ているので、メイちゃんで」と、完成度の高いものまねを披露して会場を沸かせるなど、サービス精神も旺盛。
また、グランプリ受賞の喜びを「支えてくれた家族にお礼を伝えたい」と話していた山崎さんは、会場に駆けつけていた両親に檀上から直接思いを伝えることに。「お父さん、お母さん。グランプリになるまで私を支えてくれて本当にありがとうござます。お母さんは私が練習しているときによく一緒に居てくれて、ダメなところを指定してくれたし、『大丈夫だよ』って声をかけて励ましてくれて本当にありがとう。お父さんも『絶対、玲奈ならイケる!』って電話で励ましてくれて本当にありがとう。二人のおかげでグランプリになれました」と感謝の想いを伝えた。
この日の決選大会では、グランプリに輝いた山崎さんのほか、「17LIVE賞」には京都出身の高校3年生・佐竹桃華(さたけ・ももか)さんが選ばれた。