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2019/06/10 07:01

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映画界注目の女優・祷キララ、斎藤工ら3人が撮り下ろした初写真集を語る「私の18歳の1年間を素敵な方々に撮っていただけました」

初写真集『はじめての三人』について語る祷キララ(C)Deview
初写真集『はじめての三人』について語る祷キララ(C)Deview

 映画『左様なら』など、独特な雰囲気を漂わせ、映画界から注目を浴びる女優・祷キララ(いのり・きらら)。斎藤工(俳優・映画監督)、TAKAMURADAISUKE(カメラマン)、松本花奈(映像作家)の3人が彼女を撮り下ろしたはじめての写真集シリーズ第三弾『はじめての三人』(ギャンビット)が3月30日に発売され、その発売を記念したイベント「イノリキララときらきらの夜」が6月14日(金)17時から21時エムズカンティーナ(駒沢大学駅)にて行われる。今回、初めての写真集のリリースについて、そして大阪から上京し、新たな環境でスタートをすることについて祷に話を聞いた。

■祷キララインタビュー

――初写真集『はじめての三人』の企画がスタートした経緯は?

【祷】「昨年の春、高校卒業と同時に大阪から上京してすぐに、顔見せで出版社の方とお会いする時間を作っていただけて。ずっと上京したかったことや、今までの活動やこれからやっていきたいことについてなど、いろいろお話をしたんですが、その場で出版社の方が“写真集を作ろう!”と言ってくださって」

――初対面で即決だったんですね。

【祷】「驚きましたが、出版社の方が私のことを信じて言って下さった事が本当に嬉しかったです。写真集の話が決まったとき、私がやってみたいことを書き出してみると、“3つぐらいに色が分かれているね”と言われて。“だったらカメラが本業の人でもそうでない人でも、それぞれの色のキララを撮れそうなカメラマンさんを3人選んでみよう”って言ってくださって。そこから具体的に動き始めたんです」

――確かに三者三様の世界観でキララさんの多面性を捉えています。斎藤工さんのパートは全てモノクロですね。

【祷】「斎藤工さんは写真を全てモノクロで撮られていて、あまり説明的でない作品が多いんです。芝居をやりたいという気持ちを固めて上京して、親元を離れてここまで来てしまったからには…とか、自分自身のこれからについて一人で考える時間が増えて。そのなかで“今、東京にいるんだ!”って強く感じる瞬間もたくさんあって。言葉にならない心の動きやイメージを、心の中が新鮮なうちに写真に収めてもらえたら、面白いんじゃないかって思いました」

――2つめのパートのTAKAMURADAISUKEさんの写真は、新宿・歌舞伎町でのロケです。

【祷】「法律や決まり、常識があるから、みんなそれに従って生きているけど、本当に本当のところでは、言ってはいけないこともやってはいけないことも何もないのにな…って、昔から考えることがありました。東京に来て、いろんな人と会っていくうちに、改めてそう思うことがあって。そんなふうに隠していた反発心や、“こんなんでいいのか!?”って破りたい衝動みたいな部分を、写真で面白く撮れたらいいなって。やりたいことを見つけて東京に出てきて、時間も自由になったので、どこか解放された気分もあったのかなって思います」

――最後の松本花奈さんのパートは、ナチュラルな表情が印象的です。

【祷】「18歳の1年をかけて撮影した写真集なので、花奈さんのパートは、そのままの18歳の自分。一番シンプルだけど、この時にしかないかけがえのないものだから、そこはこだわって撮ろうと。背伸びをせずにありのままを写してもらえるような人とやりたいと思ったんです」

――こちら側が勝手に思う神秘的でクールな『祷キララ像』と全然違って、驚きがありました。

【祷】「そうですよね。“笑うんだ?”って言われたり(笑)。舞台挨拶でも“こんなに喋るんだ”って言われることがあって。これまで演じた役柄のイメージが強いし、世に出る写真もそういうタイプが多かったので。それが嫌だなと思ったことはありませんが、今回、〇〇役じゃなくてせっかく『祷キララ』という名前で自分の本を作れるなら、イメージと違ってもそのまんまでやってみようって、笑顔を多く入れてみたりしました」

――それぞれのパートでの撮影エピソードを教えていただけますか?

【祷】「あるテレビ番組で、斎藤さんがKinKi Kidsのお二人を撮っていらして。何処か分からない場所に椅子だけがあって、そこに腰かけている写真で、時代性も性別も意図もなにも感じさせないのに、深く印象に残る写真だったんです。そのころ高校3年生で、世界史の教科書の歴史上の人物の写真を思い出したんです。こんな写真を自分が撮ってもらえたら面白いなと思っていたんですが、実際にKinKi Kidsのお二人を撮影した写真館で私も撮影していただいたんです」

――写真集のなかのコメントを読むと、斎藤さんともいろいろなお話をされたようですね。

【祷】「東京という『街』について話したことが記憶に残っています。私にとって東京は大きくて特別で、夢を持った人たちが集まる特異な街だと思ってたんです。でも斎藤さんは、目まぐるしくいろんなものが生まれては、同じ数だけ消えていく街だと言っていて。そして、東京には原宿生まれの人も、渋谷育ちの人もいて、その人たちにとっては特別な街ではなくて、故郷だと。だから特別なことをするより、今私がその街にいるっていうだけでいいんじゃないかって。私もそう思えたので、心の中にグッと迫った写真を撮っていただけました。実は、撮影の日が斎藤さんの誕生日だったんですよ! 撮影の合間にみんなで焼き肉を食べに行って、サプライズで肉ケーキを斎藤さんにプレゼントしました。そんな大事な日に、本当にビックリしましたし、ありがたいですよね。でも斎藤さんは“僕にとっては特別じゃないんだよ”って、おっしゃってましたけど(笑)」

――TAKAMURADAISUKEさんの写真は、夜間のロケで独特の雰囲気です。

【祷】「元々TAKAMURAさんの写真の、色の温度感とか、色味の質感とかがすごく素敵だなって思っていたんです。夜のネオンの中ならどこまでも行ける気がするって、自分のなかで惹かれている部分があって、ネオンの色味とそのなかの自分をTAKAMURAさんに撮ってほしいと思ったんです」

――かなりハードな撮影だったとか?

【祷】「TAKAMURAさんに撮ってもらえることが嬉しかった分、前日すごく緊張して、私はいったい何をしたらいいのかと考えてしまって。ちょうどそんなときに、TAKAMURAさんから“無理に自分以上のものを演じる必要はないけれど、自分自身の臨界点のようなものを見せてもらえれば”というメッセージをいただいて、その言葉が全部だなぁって思ったんです。おかげで、自分がやりたかったことや、その場の衝動で生まれたものなど、初めての気持ちや初めての表情をたくさん写していただけました。朝から晩まで自分だけにずっとカメラを向けられるのって、初めての経験だということに途中で気づいて。やれることが尽きたかも…って感じる瞬間もあったんですが、そこからがTAKAMURAさんとのセッションだ、ここが臨界点か!と思って。そこから最後まで全力で、終わったらヘトヘトになるぐらい、心と身体を使えたと思える撮影になりました」

――松本さんは以前に映画の仕事でご一緒していますね。

【祷】「私が高校1年生の15歳で、花奈さんが17歳のとき、『脱脱脱脱17』という映画でご一緒したのが最初です。新大阪駅のイタリアンみたいなところで初めてお会いして。カウンターに座って、2人でお互いの学校の話とか、花奈さんの受験の話とか、最近見た映画の話とか、他愛もない話をしたんです。今回の撮影も、そのときのそのまんまがいいなって。私は18歳に、花奈さんも20歳になっていたけど、友達みたいな感じでいろんな話をしながら、撮られているという感じが全然しなくて。“今からここに行っちゃおうか!”って、急に電車に乗ってちょっと遠出してみたり、スタッフの方もみんな女性で女子旅みたいな感じで、リラックスして“そのまま”を撮ってもらえた気がします」

――他では見ることができないキララさんの表情が写し出されています。

【祷】「これは誰にも言ってないんですけど、その日の夜に江ノ島に行ったんです。その日が江ノ島の花火大会の日で、赤のワンピースに着替えて花火をみんなで観に行ったんですが、すごいゲリラ豪雨に襲われて、びっしょびしょになりながら花火バックで写真を撮りました。すごく面白かったんですが、真っ暗過ぎて、上手く写っていなくて写真集には載せられなかったんです。そういうテイクも今回のイベントでちょっと飾ったりできたらなって思っています」

――初めての写真集で3冊分の経験を積めたようですね。

【祷】「写真集ってハードルが高くて、敷居が高いイメージがあったので、今でいいのかな?って思いました。でも当時のマネージャーさんが“祷キララを検索したとき、18歳のキララが詰まった書籍が1冊出てきたらすごく素敵じゃない?”って言ってくださって、すごくワクワクしたんです。私の最初の区切りの1年間、ずっと作り続けて、その一瞬一瞬の姿を、本当に素敵なカメラマンの方々に撮っていただけたので、このタイミングで良かったなって思っています」

■「映画から入ったから、どんどん映画の世界を知って行きたい」

――芸能活動は、元々子役としてスタートしているわけですね。

【祷】「事務所に入っていたわけではなく、初めて出た映画を観た方が声を掛けてくださって別の作品に出たりと、作品がつながっていったんです。高校1年の時に映画『脱脱脱脱17』に出演したときに、前の事務所のマネージャーさんが声を掛けてくれて、大阪まで来て話を聞いてくれたんです。そのころ、自分がどういう大人になりたいのか、将来の夢が分からないのが苦しかった時期で。演技は今まで続けて来たのなら嫌いではないし、やって来れたということは何か意味があるはずだと。今やりたいことが分からないのなら、今までやってきたことにもう一歩踏み込んでみたら、何か分かるのかなと、一番初めの大きな決断として事務所に所属したんです」

――そこから女優を仕事にしていきたいと思えたのは?

【祷】「本当にやりたいと思ったきっかけは映画のオーディションだったんです。グループオーディションを初めて受けたとき、同じ役でも人によってセリフの間、声色、話すスピード、表情、目の動きからまばたきの速さまで、そういうものが全然違うことに気付いて。ひとり一人全然印象が違うし、一人の印象が違えば、それを受ける役の人の返し方も変わって。何回もローテーションで演じると毎回シーンが全然違って見えるのがすごく面白くて。その帰り道に胸がずっとざわざわして、“これがやりたい!”って思ったんです。しかも、なんとその映画のオーディションに合格する事が出来ました。ただ、その時は大阪の高校に通っていたので出れなくて。その悔しさもあったので、“絶対に上京しよう、絶対に東京に行って女優をやりたい!”と思ったんです」

――東京に居を移して、1年ほど経ちましたが。

【祷】「いろんな考えやいろんな感性を持った人たちと、もっとたくさん出会えるようになって、そういう人たちと話すなかで自分自身の考え方も変わって、いろんなことをもっと知りたいと思うようになりました。そのように変わって来れてることは良かったと思っています。あとは、ミニシアターや名画座など、東京って本当に映画館がめちゃくちゃたくさんあるなぁって思いました。自分は映画からこの世界に入ったから、どこか嬉しくて。映画館で監督さんや俳優さんとの出会いがあったり、毎日のように映画関係者のトークショーがあったり。映画を作っている方の生の声を聞く機会も増えて、刺激を受けてます」

――映像で観るキララさんの佇まいには、映画人やクリエイターの心をくすぐるところがあるように感じるんですが。

【祷】「さきほども言ったように、トークショーや舞台挨拶に行くたびに、“こんなに笑うんだ?”って言われるぐらい、普段の素の自分と遠い役を演じることが多くて。そんな陰のある役は自分とは遠いと思っていたんですが、本当に素の自分に近い役は逆に難しかったりして、演じるって面白いなって思います。もっと違うタイプの役をやってみたら、もっと違うことに気付けたりするのかと思うと楽しみですね」

――大阪出身ということで、やっぱり地は関西人?

【祷】「友達や家族といるときはバリバリの関西弁です。東京出身の方からは“『なんでやねん!』って本当に言うの?”って聞かれるんですけど、『なんでやねん!』はめちゃくちゃ言いますよ。関西人同士だと喋るテンポもめちゃくちゃ速くなるんですけど、“関西の人ってキツイ”って思われると悲しいので(笑)、いつからか馴染みの友達以外の人とは標準語で話したりすることも増えました」

――新しい展開を迎えて、今後やってみたいことは?

【祷】「私の一番大きな目標は、自分がおばあちゃんになったときに“私の人生、めちゃくちゃやったけど、面白かったな”って笑って振り返られるような人生を送ることなんです。やりたいことをたくさんやって、無茶なことも時々したりして、自分の心に真っすぐにに生きたいと思っています。演じる仕事も、自分が楽しいと思える限り、どんどん突き詰めていきたい。だから一番は、ただのひとりの人間・祷キララとして人生を全うしたいということで、今はその過程なだけ。せっかくやりたいと思えることを見つけたんだから、自分が好きだと思えるうちは自分の身を削ってでも飛び込んでいきたい。まずは映画から入ったから、どんどん映画の世界を知って行きたいと思っているんです」

――写真集に寄せた文章を読んでも、とても鋭い感性を持っているような気がします。

【祷】「東京にきてからもっと『言葉』が好きになって。読むことも好きですし、自分の言葉を書くのも好きなので、例えば文章を書く連載にも挑戦してみたい。あとは小中学校のころは、低い声がずっとコンプレックスだったんですけど、演じる仕事のなかで声を褒めてもらえることもあって。自分の声でなにかを発信するって素敵だと思うので、ラジオの番組もいつか持ってみたいって思います。女優としていろんな役の人間と出会いながら、様々な表現に携わりたいです」

■祷キララ初写真集イベント「イノリキララときらきらの夜」
日時:6月14日(金)17時〜21時
場所:エムズカンティーナ(駒沢大学駅徒歩1分)
ゲスト:TAKAMURADAISUKE(カメラマン)
   :松本花奈(映像作家)

■祷キララプロフィール
いのり・きらら●2000年3月30日生まれ、大阪府出身
2012年:第8回シネアスト・オーガニゼーション大阪CO2新人賞
2013年:第14回TAMA NEW WAVEベスト女優賞
2013年:第7回田辺・弁慶映画祭映検女優賞
2016年:ミスiD2016選考委員個人賞(市川沙椰賞/東佳苗賞)
2019年:ヨーロッパ企画第39回本公演『ギョエー!旧校舎の77の不思議』にゲスト出演。(8〜10月全国11都市で公演)
映画『左様なら』(石橋夕帆監督・主演)9月からアップリンク吉祥寺他全国順次公開。
映画『アイネクライネナハトムジーク』(伊坂幸太郎原作、今泉力哉監督、三浦春馬・多部未華子出演)9月20日TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。
映画『楽園』(瀬々敬久監督、綾野剛・杉咲花・佐藤浩市出演)10月18日公開。
映画『やまぶき』(山崎樹一郎監督、ヒロイン役)2020年以降公開。

関連写真

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