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2018/09/07 12:10
”おお振り”舞台版の続編が開幕、主演・西銘駿「甲子園に負けない熱気で戦い抜きたい」と意気込みを語る
俳優の西銘駿が主演を務める、舞台『おおきく振りかぶって 夏の大会編』が、6日より東京・サンシャイン劇場にて開幕。初日公演に先駆けて、公開ゲネプロが行われ、西銘をはじめ、猪野広樹、大橋典之、渡邊安理、白又敦、脚本・演出の成井豊が囲み取材に応じた。
第10回手塚治虫文化賞新生賞、第31回講談社漫画賞(一般部門)受賞に輝く、人気野球漫画を、キャラメルボックス成井豊の脚本・演出により、2018年2月に初の舞台化。
祖父が経営する中高一貫校の中等部で野球部のエース投手だった三橋は、チームメイトから「ヒイキでエースをやらせてもらっている」とうとまれ続けたため、極端に弱気で卑怯な性格になってしまい、県立西浦高校へと進学を決める。そこで部員わずか10人、全員1年生という新設されたばかりの野球部に入部することになり、三橋の秘めた力をいち早く見抜いた捕手・阿部隆也をはじめ、新たなチームメイトとに支えられながら成長していく姿を描く。
続編となる本作では、初の公式戦である夏の大会で、前年度甲子園出場の強豪・桐青高校に初戦初勝利をおさめた西浦高校がさらなる強豪チーム、崎玉高校や美丞大狭山高校との戦いに挑む。
主人公・三橋廉を演じる西銘は、「前回に引き続き主演としてみなさんの前に立てること、そして三橋廉としてマウンドに立てることを本当に嬉しく思います」と笑顔を見せ、「前回の公演が終わってから1週間後に20歳になりまして。初演では西浦のメンバーやカンパニーのみんな、スタッフのみなさんに支えられての主演でしたが、20歳になり、みんなを支えていけるような主演になりたいと思って、今回は現場に入りました」とコメント
さらに、本作について「初演では、阿部くんに引っ張ってもらって、自分の意思では動かなかった三橋が、今回はエースとしてみんなを引っ張っていくため、自分で考えて動くという、三橋が成長する物語です。それを原作通りに忠実に再現していきたい」と語り、「今年の夏にあった甲子園に負けずに、僕たちも熱量や必死さをこの舞台で出していって、全19公演戦い抜いていきたいと思います」と決意を新たにした。
三橋とバッテリーを組む阿部隆也を演じるのはダブルキャストの猪野と大橋。前作からの続投となる猪野は「(大橋とは)同じ役を演じますが、二人で同じ方向を目指してしまうと、ダブルキャストの意味が薄くなってしまうと思ったので、段取りや試合のシーンとか統一する部分のルールだけ作って、あとは各々違う阿部を作っていった」と打ち明ける。大橋も「二人の阿部の違いをぜひ見ていただきたいですし、阿部と三橋の関係性もちょっとずつ変わったりするので、そういう部分を注目して観てもらえたら。僕自身、この作品がすごく好きで、愛を込めて演じさせていますし、頑張ります!」と意気込み、「本物の野球よりもピッチャーが近く感じたりするので、そういう臨場感をぜひ劇場で味わってほしいです」と力強く語った。
男勝りで情熱的な女性監督・百枝まりあを演じる渡邊は「(自分の性格と比べて)共通点がなくて、最初は苦労しました」と明かし、「でも、相手のことや人のことをとても思いやる人物なんだなというのを感じたので、西浦のメンバーのみんなや共演者の方々とたくさんコミュニケーションをとっていくことで、共通点が出てくればいいなと思って演じていました」と役づくりについての苦悩を告白。
キャプテン・花井梓を演じる白又は、「前作から西浦のキャストが半分近く入れ替わっていて。その中で、初戦の桐青戦を乗り切ったっていう苦労をチーム間で出したいなという想いがあり、キャプテンとして引っ張っていくという意味で、新メンバーが入っていろいろと考えたり悩んだりしました」と吐露。そして「今年の夏は甲子園(全国高等学校野球選手権)100回記念大会で、平成最後の夏という意味でもすごく大事な年。そんな年にこうして甲子園を目指す球児を題材とした作品をやらせていただけるのはすごくありがたい。僕らの甲子園にもぜひ注目してもらえたら」とアピールした。
脚本・演出をてがける成井は、前作で野球の試合を舞台上で表現することに苦労したことを明かしつつ、「今回は方法論はあるから楽にできるだろうと油断していたのですが、稽古始まってみたらぜんぜん大変さが変わらなかった」と述べ、「前作よりも試合が乱戦なんです。そういう意味でも前作をご覧になっている方でも、試合の様相がだいぶ違うので楽しめると思います」とコメント。続けて「今回、出演者に野球経験者がだいぶ増えたので、芝居の練習とは別に野球の練習もたくさんしました。前作以上にそこをじっくりやったので、野球の試合のリアリティは増したと思います」と胸を張る。
さらに、「“おお振り”史上最大の事件が後半で起こります。西浦のメンバーたちにとって非常に危機的な状況が起きるのですが、そこをどう乗り越えていくのかというのが、今回の最大の見どころ。私は演出家ですが、稽古とか堪らない気持ちで観ていました。ぜひ、それをお客さんにも味わっていただけたら」と呼びかけた。
舞台『おおきく振りかぶって 夏の大会編』は、9月6日(木)〜17日(月・祝)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、9月28日(金)〜30日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。なお、9月15日(土)17時公演のニコ生配信が決定。さらに、同公演のDVDが2019年2月2日に発売予定。
(C)ひぐちアサ・講談社/舞台「おおきく振りかぶって 夏の大会編』製作委員会