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2018/02/04 14:38
西銘駿、初主演舞台が開幕「今は不安なく千秋楽まで突っ走っていける」と意気込み
ひぐちアサによる人気高校野球マンガを原作とした舞台『おおきく振りかぶって』が2日より、東京・サンシャイン劇場にて開幕。初日公演を前に、公開ゲネプロが行われ、主演の西銘駿、猪野広樹、久住小春、白又敦、納谷健、脚本・演出の成井豊が囲み取材に登場した。
コミック累計発行部数1000万部以上の人気高校野球マンガを原作に、キャラメルボックスの成井豊が脚本・演出を手掛け、ついに舞台化される本作。
祖父が経営する中高一貫校の中等部で野球部のエース投手だった三橋は、チームメイトから「ヒイキでエースをやらせてもらっている」とうとまれ続けたため、極端に弱気で卑怯な性格になってしまい、県立西浦高校へと進学を決める。そこで部員わずか10人、全員1年生という新設されたばかりの野球部に入部することになり、三橋の秘めた力をいち早く見抜いた捕手・阿部隆也をはじめ、新たなチームメイトとに支えられながら成長していく姿を描く。
本作で舞台初主演を務める西銘は「僕自身、舞台は2作品目。それで主演ということで、最初は本当に緊張しましたし、年上の方がたくさんいらっしゃるので、千秋楽までちゃんと主演としてやっていけるのかという不安はありました」と明かし、「でも、稽古でみなさん、すごく優しく接してくれて。今は不安なく千秋楽まで突っ走れるんじゃないかなと思います」と語る。
見どころについては「原作では表しきれない部分を舞台で表現したりするシーンもたくさある」と話し、「アニメの1シーン1シーンを凝縮して舞台でお届けしているので、すべてのシーンが見どころです!」と宣言。自身が演じる役については「三橋は内気で弱気なタイプなんですが、それを阿部くんはじめ、みんながバックアップしてくれて、三橋の人間性もどんどん変わっていくシーンはすごく好きで、見どころなんじゃないかなと思います」とアピール。
西銘演じる三橋とバッテリーを組む、阿部を演じる猪野は原作について「絵がすごく可愛らしいタッチなんですが、話自体はすごく熱くて青春だなって感じました」と感想を述べ、キャラメルボックスに憧れを抱いていたと明かし、「好きだからこそ、稽古場でも舞台上でも戦って、最後までみんなで走りぬこうと思いました」と力強く語る。
女性監督・百枝まりあを演じる久住は「男まさりな役は今までやったことがなかったので、自分にできるかなと思いました。稽古場でも成井さんから『男っぽく見えない』と言われて、どうしようかなって悩みました」と明かし、「でも、稽古場からみんなが助けてくれて支えてくれて、なんとか初日を迎えられたなと思います」と胸をなでおろした。
西浦高校野球部の主将・花井梓を演じる白又は、役作りのために丸めた坊主姿を披露し、「好きなシーンは、練習風景も舞台上で描かれているんですが、チームが出来上がっていく感じの、高校球児らしさが描かれているので、そこにも注目してほしい」とアピール。役同様、ムードメーカーだったという田島悠一郎役の納谷は「笑いの絶えない稽古場で本当に楽しく稽古させていただきました」と振り返り、「稽古終わった後も、キャプテン役の子がみんなをまとめたり、各々がキャラクターとして居て。僕自身も先輩を見習って場を温めていかないといけないなと思ったりしました」とコメント。
また、稽古後に、みんなで野球をして絆を深めたそうで、「稽古後に、みんなっで柔らかいボールとプラスチックバットで野球をするのが一番楽しかった」と語り、「稽古が終わってからもみんなで一つになる瞬間がたくさんあって、絆がどんどん深まっていった」と告白。そして「外は雪が降っていますが、サンシャイン劇場を夏に変えて、みんなでキラキラ熱い舞台をお届けしたいです」と笑顔でアピールしていた。
小学2年生から6年生まで野球をやっていたという西銘は「野球はずっとやってきたのですごく好きなスポーツです」と明かし、「でも三橋が、すごくできるっていう感じの投球フォームではないので、アニメの三橋のフォームを研究して、緩やかなフォームだけど打たれないっていうのをうまく再現できればいいなと思ってやりました」とコメント。
一方、野球未経験という猪野・白又・納谷の3人。白又が「バッティングセンターに通い詰めた」と話すと、納谷も「田島は天才球児の役なので、体の動かし方など、どういうことに意識を置けば、本当に上手な選手として見られるのかというのを特に意識して稽古を重ねてきました」と打ち明ける。猪野は「稽古後にやっていた野球練習で、まあ、打ちまして。センスあるなって思いました(笑)」とドヤ顔を見せつつ、「キャッチャーの役なので、座り方とか映像を見たり本を読んだり、野球をやっている共演者に聞きながら、フォームとかを改善していきました」と語っていた。
劇中でバッテリーを組む西銘と猪野。二人のコンビネーションが物語の見どころの一つでもあるが、西銘は「稽古場でアドリブを出してもすぐに突っ込んでくれるし、ずっとアドリブという状態で阿部と演じているので、三橋としてすごく楽しかったです」と笑顔を見せると、猪野は「僕はちゃんとセリフもしゃべってますからね!」と弁解し、笑いを誘う。さらに西銘は「お芝居でもプライベートでも引っ張ってもらっています。稽古場で、自分たちがバッテリーだったらどうするとか話し合いながらやってきました。現実でいう三橋と阿部なのかなという感じです」と語った。
そんな西銘に対して猪野は、「バッテリーを組むということで、稽古が始まった頃は積極的に仲良くならなきゃなと思っていて。僕は人見知りなので頑張っていたんですが、駿は、人の垣根を越えてくるタイプで。人に対しての壁がなくて、本当に人懐っこいので、結局、駿のペースに飲み込まれるという感じだった」とコメント。「でも、途中から負けてられへんって思って、駿をイジりはじめたり、一発芸やったり、二人でわきゃわきゃするような、そんなバッテリーになりました」とお互いの顔を見つめあって満面の笑みを浮かべていた。
漫画原作の作品を手掛けるのが今回が初となる成井は、「一番苦労したのは舞台上で野球をやるということ」と明かし、「たとえば、ピッチャーゴロだとしたら普通はアウトになるはずなんですが、舞台上でやるとホームベースと1塁がすごく近いので、バッターがすぐに1塁に到達してしまうから、セーフになってしまう。それをいかにアウトにするかというのを、みんなで相談していろいろな工夫をしました」と吐露。「僕のアイディアだけではなく、役者みんなにアイディアを出してもらって、その結果、おそらくはちゃんと野球の試合にみえるようにできたんじゃないかと思う」と自信をのぞかせ、「お芝居の半分近くが野球の試合ですが、その1つ1つが全部見どころです」と胸を張った。
本作について、西銘は「役と自問自答しながら、こうやって初日を迎えることができました。みんなで素敵な舞台にしたいと思ってますし、絶対に納得いくような舞台にしたい。ぜひ応援よろしくお願いします」と呼びかける。猪野も「世界観をどう出すかということを大事にやってきました。それプラス、22人の役者の各々の個性をプラスして、舞台だからこそできる『おおきく振りかぶって』というものをみんなで作ってきました。“こんな一面もあるんだな”と原作ファンのみなさんにも楽しんでもらえたら」と胸の内を明かした。
舞台『おおきく振りかぶって』は、2月2日(金)〜12日(月・祝)まで、東京・サンシャイン劇場にて上演。また、2018年6月6日には、同公演のDVDが発売される。