疾走感溢れるクライム・カーアクション・ムービー『ダブルドライブ 〜狼の掟〜』が、25日に公開初日を迎え、主演をつとめた藤田玲をはじめ、佐藤流司、小宮有紗、波岡一喜が舞台挨拶に登壇した。

　本作は、窪田正孝らが歴代の番長を務め、不良たちのド派手でリアルな喧嘩ファイトを描いた『ガチバン』シリーズや、山田裕貴を主演に据え、金と欲望にまみれた裏社会のリアルな闇を描いた『闇金ドッグス』シリーズをてがけた製作陣が新たに放つ、車が紡ぐ流れ者たちの生きざまを描いたクライム・カーアクション。

　本シリーズの前日譚作『ボーダーライン』に引き続き、主人公・我妻アベルを演じる藤田は、「アベルという役をもう一度演じられて、とても幸せです。こうしてみなさまの前に帰ってこれたことを嬉しく思っています」とコメント。また、撮影を振り返り、「前作での運転シーンは、"運転している風"に撮っていたんですが、今回、ちゃんと自分でGT-Rを運転することができて楽しかった」と語りつつ、運転しながらの芝居には苦戦したそうで、「"このセリフ言ったあとに、ギア入れたんだっけ？"とか、お芝居の間のことを考えながらも、つながりのことを考えないといけなかったり、初めての体験でしたが、新しいチャレンジができたのは楽しかったです」と回顧。

　アベルのバディとなる、五十嵐純也を演じた佐藤は、「弱いキャラで、どっちつかずな感じで、地に足ついてないような男なんですが、演じていて楽しかった。どうとでも演じられる感じがあって自由にやれて良かったです」と吐露。そんな佐藤について、藤田は「流司くん、今回はすごく弱い役なんです。そんな流司くんを見られたことが嬉しかった。ミュージカル業界では、けっこう最強な役を演じることが多いから」と明かすと、佐藤も「自分が演じてきた中で、最弱じゃないかな」とコメント。続けて藤田は「ただ、現場ではすごくしっかりしていたので、そのギャップ萌えみたいなものがありました」と語った。

　また、撮影エピソードを聞かれると、佐藤は「撮影が終わるのがだいたい玲くんと一緒にだったので、玲くんのマネージャーさんの車に乗って、二人でお酒飲みながら帰ったのが一番印象に残っている」と打ち明けると、藤田も「撮影がハードだったので、ホッとできる時間が移動中くらいしかなくて。なので、マネージャーさんには申し訳ないけど、二人でうしろで宴会してました」と話す。

　そして藤田から「ただ、うちのマネージャーさんの車なのに、流司がそのときにスルメを食べていて。それで、颯爽と最初に帰っていくんですけど、（車内が）めっちゃスルメ臭くなった」とのクレームが入る。そんな中、「しかも、車内に（スルメを）2本くらい落とした（笑）」と無邪気な笑顔を見せる佐藤に、「（佐藤が）『たぶん、落ちていると思うので、見つけたら食べてください』って言ってきて。いや、食べるか!!」と藤田がツッコミを入れ、場内は大きな笑いに包まれた。

　本作のヒロイン・中村かなでを演じた小宮は、父の影響でGT-R好きだ明かし、「父が昔GT-Rに乗っていて、それですごくカッコイイなってずっと憧れていて。私がヒロインをつとめた方がGT-Rがメインの映画だったので、父がすごく嬉しがっていました」と述べ、「将来、車の免許が取れたら青のGT-Rの34（型）に乗りたいんです！」と興奮気味に語る。

　そんな小宮について、藤田は今回の撮影で思うことがあったらしく、「台本を読んだときに、抱きしめるとかラブ要素もけっこうあったんです」と明かしつつも、「でも、現場に入ると小宮さんが全部NGで。あ、完全に嫌われてるなって、けっこうショックだった」と肩を落とす。小宮が慌てて「違いますよ！ そんなことは絶対に言ってないです!!」と必死に否定する中、「確かに、現場で『ちょっと……』って言ってましたよね？」（佐藤）、「事務所NGなんじゃない？」（波岡）と茶々を入れ出すキャスト陣。改めて、小宮は「ここにいない監督のせいにするのもあれですが、監督が『なくてもいいか』って言って、どんどんなくなっていって、何もなくなったんです」と説明していた。

　最後に藤田は、「ここから僕ら二人のストーリーが始まります。このシリーズがこの先も続いてほしいと思っていますし、みなさんが応援してくださることで、僕らはまた新たな旅に出られます。ぜひ何回でも観に来ていただいて、いろんなことを発見してもらえたら」とアピール。そして「この次には『〜龍の絆〜』の公開も決まっています。流司くんが演じる純也がめちゃくちゃイケメンです。そちらもぜひ期待していてください」と呼びかけた。
　
　『ダブルドライブ 〜狼の掟〜』はシネマート新宿・心斎橋で公開中。続編となる『ダブルドライブ 〜龍の絆〜』は9月22日（土）より公開される。