元宝塚歌劇団宙組トップスターで女優の朝夏まなとが24日、退団後初主演となるミュージカル『マイ・フェア・レディ』製作発表会見に出席。本作の主人公・イライザをWキャストで演じる朝夏と神田沙也加が、同作のミュージカルナンバーをぞれぞれ披露した。

　オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも広く親しまれている『マイ・フェア・レディ』は、ロンドンの花売娘りのイライザが、語学学者・ヒギンズ教授のレッスンで見違えるように麗しい貴婦人に変貌を遂げる物語。心踊る名曲の数々とともに再演を重ね、ミュージカル史に名を残す不朽の名作が、日本初演から55周年の今年、朝夏と神田という新たなプリンスを迎えて上演される。

　この日の制作発表記者会見には、朝夏と神田のほか、寺脇康文、別所哲也、相島一之、今井清隆、平方元基、前田美波里、翻訳・訳詞・演出を手がけるG2が出席。

　昨年11月に宝塚歌劇団を退団した朝夏にとって、本作は退団後初のミュージカル。イライザの舞台衣装で登壇し、美しい歌声を披露した朝夏は「誰もが知っている名曲揃いのミュージカルをやらせていただくということで、本当に緊張して震えていました」と正直な思いを述べ、「退団後初のミュージカルがとても伝統のある『マイ・フェア・レディ』という作品で本当に嬉しく、光栄に思っております」とコメント。また、「（男役だったため）女優として今までとはまた違うことに挑戦していくので、今はその不安とワクワクでいっぱいです。G2さんと素晴らしい共演者のみなさまからたくさん勉強をさせていただいて、また新しい道をしっかりと頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

　「『マイ・フェア・レディ』は本当に特別な作品。イライザという役を目指してミュージカルを志した」と明かすほど、同作の大ファンだという神田は、「出演が決まったときは本当に泣き崩れましたし、大声で叫びました」と本作への熱い想いを告白。そして「大人になってからもずっと目標であり続けてくれた存在でした。今こうしてココに経っていられるという、今日の初心をずっと持ったまま、誠心誠意、真摯に役と作品と向き合っていけたら」と決意を新にした。

　イライザを淑女に仕立てるヒギンズ教授には、前作に引き続き出演となる寺脇に加え、別所がWキャストとして出演。本作では、朝夏＆寺脇、神田＆別所という二つのカップルが誕生し、それぞれの組み合わせでまた違った個性が楽しめるもの見どころの一つとなっている。

　朝夏と組む寺脇は、「男役でしたし、ご自身でも初心者マークとおっしゃっていましたが、がさつなイライザは絶対に二重丸でできると思う。ただ、淑女になってからのイライザに不安を持っていらっしゃるようなので、その辺もフォローしながら二人で一緒に作り上げたい」とコメント。そして「どぶろくでも飲みながらね」と笑いを交えながらと誘うと、朝夏も「はい、お願いします」と満面の笑みで応える。

　一方、神田と組む別所は、これまでも共演経験がある神田に対し、「横にいるだけで瞳がキラキラして吸い込まれそうなくらいお美しい」と称賛し、「僕らもまずは“飲みニケーション”から……」と提案。しかし、神田が「お酒飲めないんです」と打ち明けると、「では、私たちはどぶろくではなく、お茶会で（笑）」と切り返し、場を盛り上げた。

　最後に朝夏は「本日共演者のみなさまとお会いして、ますます頑張ろうという気持ちが強くなりました。9月16日の初日まで稽古を重ねて、伝統を残しつつも新しい『マイ・フェア・レディ』をみなさまにお届けできるよう頑張りたいと思います」と宣言。神田も「目指していたものが一つ形になって、“やっと夢が叶った”と喜んでいるだけではなく、私のようにこの作品を大好きだというお客様もいらっしゃると思うので、みなさまに納得していただけるよう、最後まで努力をやめずに、“2018年の『マイ・フェア・レディ』良かったな”という感想を持っていただけるよう、頑張ります！」と力強く語った。

　ミュージカル『マイ・フェア・レディ』は、9月16日（日）〜9月30日（日）まで東急シアターオーブにて上演。その後、10月〜11月にかけて福岡、広島、大阪、愛知、大分で上演される。