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2018/02/28 21:16
磯村勇斗、5年ぶりの舞台出演となる『hammer&hummingbird』が開幕 “喪失”と”再生”の物語を描く
俳優の磯村勇斗が主演を務める、舞台『hammer&hummingbird(ハンマー・アンド・ハミングバード)』が28日より、東京・すみだパークスタジオ 倉にて開幕。初日公演に先駆けて公開ゲネプロが行われた。
脚本家・演出家・俳優の濱田真和が率いる Superendroller(スーパーエンドローラー)プロデュース5作品目となる本作。磯村演じる現代詩人・中村泳(なかむら・およぐ)の半生を描き、“夢と現実”の狭間や“生と死”の狭間で孤独に揺れ動く心の葛藤や、答えを探し求め、過去の記憶と共に放浪する様子を捉えた『喪失』と『再生』の物語。
音楽を担当するのは、ミュージシャン・俳優の古舘佑太郎と加藤綾太を中心に2017年に結成したロックバンド・2(ツー)。ボーカルの古舘は、連続テレビ小説『ひよっこ』で柏木ヤスハル役を演じ、磯村との共演が記憶に新しい。さらに裸電球や自作照明を使用しての、アナログかつ自由な仕掛けで話題を呼び、仕立て屋のサーカスの一員としても活動する照明作家の渡辺敬之(仕立て屋のサーカス/tremolo)も参加し、作品に華を添える。
幼い頃に父が行方不明になり、母ひとり子ひとりで育った泳。自分の信じるものと世の中のズレやその距離にいつも苛立ちながらも、自分だけを信じて夢を追いかけ走ってきた。ついに成功を手に入れたはずなのに、そのとき自分のまわりには、本当に欲しかったものは何も残っていなくて、それに気づいた泳は、もう走れなくなっていた。
そんな人生に絶望していた泳が、旅の道中、同じように様々な事情を抱えた旅人たちと出逢い、記憶の地図と共に旅する物語。過去の自分や母との記憶と対峙しながら、生きることの意味を見出していく泳を、磯村が時に繊細に、時に大胆に表現。怒り、悲しみなどの感情を爆発させながら芝居をぶつけていく姿に目を奪われた。
シンプルな舞台セットの中、目の前で繰り広げられる役者たちの芝居の熱量や息遣い、感情の揺れ動く様がビシビシと伝わってくる。それぞれに何かを抱えている登場人物たちの会話劇の中に、印象的なセリフが散りばめられており、心に痛いほど突き刺さる。果たして、自分は自らが選んだ道を責任を持って生きているだろうか……。自身の生き方や考え方について、改めて見つめ直すきかっけを作ってくれるような、心に沁みわたる舞台だった。
【公演概要】
Superendroller LIVE “scene04”
「hammer & hummingbird」
◆日程:2018年2月28日(水)〜3月4日(日)
◆場所:すみだパークスタジオ 倉
脚本・演出:濱田真和 (Superendroller)
音楽:2
照明作家:渡辺敬之(仕立て屋のサーカス/tremolo)
◆出演者:磯村勇斗
高山璃子 新井郁 小林英樹 島田惇平 石川瑠華 光根恭平 山田真由子
市場紗蓮 白磯大知 田中沙季 舩木勇佑 李佳
濱田真和
制作協力:U.F.O.カンパニー
企画制作・プロデュース:Superendroller 濱田真和
◆公演HP:http://superendroller.com/?page_id=2703