いよいよ明日12月19日に最終回を迎える、井上真央が主演を務めるドラマ『明日の約束』（カンテレ・フジテレビ系）。同作品で、男子生徒を好演し、ネクストブレイクが期待される若手俳優たちが次々とクランクアップを迎え、撮影を振り返り、これからの“約束”について語った。

　主人公のスクールカウンセラー・藍沢日向（井上真央）が勤務する高校で起きた男子生徒の不可解な死の謎を追うヒューマンミステリー。ドラマでは、自殺という衝撃の出来事をきっかけに、クラスメイトをはじめとした生徒の間にも様々なトラブルが起き、それぞれが悩み、向き合ってきた。繊細な表現が求められる役柄を担ったのは、番組プロデューサーが「とにかく役柄に合う方にお願いした」という、今後の活躍が期待される“金の卵”たち。

　母親からの過干渉・束縛に悩んで自殺した吉岡圭吾役を演じたのは、映画『ホットロード』、『がらくた』、『グッバイエレジー』などに出演し、本作が連続ドラマ初出演となった遠藤健慎。圭吾はストーリー上は第1話で死亡したが、回想シーンで、家庭以外に、クラスやバスケ部の人間関係でも苦悩していた様を演じていた。

　遠藤は撮影を振り返り「ここまであっという間で、自分の中でいちばん濃い3ヵ月でした。将来、学校を舞台にした作品に出演したら、今回のことを思い出すのだろうと思います」と語り、「偉大な先輩方と間近で共演させて頂き、井上さんからは“シンシン”というあだ名も頂きました（笑）」と回顧。

　そして「多くのことに悩んで自殺する圭吾という、繊細な心理描写が求められる役を経験し、自分自身、芝居において細かい違いを認識できるようになりました。そして台本を読む時の感覚まで変わりました。“ここはこういう気持ちなんだろうな”などと、人の内面を最優先に考えるようになりました」とコメント。

　これからの“約束”については、「暗めの役にしても、明るい役にしても、ちょっとした違いを見せられるような俳優になっていきたいです。俳優としてのオーラという意味では小栗旬さんに憧れていますし、山田孝之さんが演じ分けられる、細かな違いも勉強したいです。例えばですが、笑っていても怖そうにも見える堺雅人さんもすごいなと思います」と憧れの役者像について語り、「将来どんな作品に出ても、一切、妥協せず、後悔しないように出来ることは本番が始まるギリギリまでやる…そんな役者になりたいです」と決意を新たにした。

　同ドラマのプロデューサーは「圭吾の死が物語の発端となるため、どのようなタイプのキャストにするか、監督とすごく悩みました」とキャスティング苦悩を明かし、「遠藤さんと初めてお会いした時、とても自然で好青年という印象を受けました。まさか自殺するとは想像できない…そんな意外性が狙いだったこともあり、あまり影のようなものを感じさせず、ナチュラルだった遠藤さんにお願いしました」と起用理由を説明。さらに「“この世でいちばん謎が残る死”のキャッチコピーの通り、「なぜ？」と感じさせる雰囲気作りや芝居を存分にして頂けました」と評価した。

　圭吾が所属するバスケ部のキャプテン・長谷部翔大役を演じたのは、映画『逆光の頃』、『ナラタージュ』などで活躍する金子大地。圭吾の母・真紀子やマスコミから、いじめや暴力を疑われ、自殺が自分のせいではないかと悩む役柄。最終回では、バスケ部マネジャーの増田希美香（山口まゆ）との恋の行方にも注目が集まる。

　金子は同ドラマについて「連続ドラマの経験があまりなかったので、とにかく作品に関われたのが本当に貴重な経験になりました」と話し、「監督、主演の井上さんをはじめ、キャストの皆さんやスタッフさんに支えてもらいながら、無事にオールアップできて嬉しいです」と安堵の様子。これからの“約束”については、「素敵なキャストの皆さん、スタッフの皆さんとご一緒して感じたことを忘れません。必ず成長した姿を見せられるように、ひとつひとつ頑張っていこうと思います」と身を引き締めた。

　ドラマプロデューサーは長谷部役について「圭吾を死に追い込んだ疑惑を持つバスケ部キャプテンという設定上、バスケットボールが実際に上手いという“リアリティ”と、“危うさ”すら感じさせる強さという観点で、長谷部役をイメージしていました」と明かし、「金子さんと会ったとき、まず目力の強さに圧倒され、バスケをしている動画を拝見するとかなりの腕前。求めていたピースが全てハマり、お願いしました。死に追い込んだ責任を感じて葛藤する様や、亡き圭吾へ想いをはせる芝居は圧巻でした」と称賛。

　クラスでもバスケ部でも一緒だった圭吾とは、親友だったにも関わらず、距離を置かざるを得なくなり、結果的に、孤立・自殺させてしまったのではないかと苦悩する沢井勝役を演じたのは、『動物戦隊ジュウオウジャー』タスク／ジュウオウエレファント役で注目を集めた渡邉剣。

　渡邉は「一番の肝となる“苦悩”をどう表現するかに重きを置き、監督やプロデューサーさんと相談させていただきながら、撮影に臨みました」と明かし、「今まで演じたことのない役柄でしたが、少しでも勝と寄り添おうと突き詰め、僕自身演技に対して臨み方が変わった3ヵ月でした」と振り返る。また「最初は緊張していたのですが、井上さん、及川さんをはじめとしたキャストのみなさんや、スタッフの方々がうまく抜き所を作って下さり、リラックスして芝居をすることが出来ました。今後、僕も太陽のように温かい存在になれるよう頑張っていきます！」と宣言。

　これからの“約束”については、「『明日の約束』のように、観ている人に何か大きなテーマを投げかけられるような作品に携わり、コミカルな役からシリアスな役まで演じられるようになりたいです」と明かし、「そのために、これからも様々な作品で演技の幅を広げていきたいと思っています」と語った。

　ドラマプロデューサーは、沢井役に対して「孤立してしまった圭吾を密かに案じるという設定上、優しさを感じられる方のイメージでした」と告白し、「初めて渡邉さんにお会いした際、正統派イケメンであり、話上手でクレバー、でもどこかイジりたくなる柔らかい人柄は“ハマる”と直感し、お願いしました」とコメント。そして、「優しさのみならず、自然な怒りや、圭吾の秘密も知る葛藤などを、渡邉さんが自身の高いポテンシャルによって上手く表現し、役を膨らませてくれました」と明かした。

　クラスメイトの圭吾を孤立させるきっかけを作った渡辺純也役を演じたのは、ドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』（第3話）などに出演した堀家一希。圭吾の死後は、自分が撮影した生徒同士のトラブルの動画が流出してしまい、騒動を世間にまで広げて窮地に立たされるという役を好演。

　堀家も本作が初の連続ドラマ出演ということで「役が持っている思想や姿勢や性格など、細かい設定をずっと覚えて維持しておくのがこんなに難しいことなんだと知りました」と語り、「共演者の方々がとても優しくして下さり、安心して芝居に臨めたことが印象に残っています」と撮影の日々を振り返る。

　また「及川さんと第9話で初めて面と向かって一緒に演技をするシーンがあって、及川さんに影響を受けて、自分が何をしなくてもあたかも勝手に体を動かされて勝手にセリフを喋らされるような感覚を覚えました。“これが本当の、極めた方の芝居なのかな”と、すごさに圧倒されました」と告白。

　これからの“約束”に対しては、「自分としては『明日の約束』で“人間らしさ”というものがすごく大事だと気付き、表現できたと思います」と語り、「これから芝居をやっていく中で、どんな役であっても、今回学んだ“人間らしさ”を忘れないでいたいです。そして、人の心の根本の部分を大事にしながら演じていきたいです。例えば西田敏行さんのような、土臭さ、泥臭さのようなものを感じられる役者になりたいです」と将来の夢について語った。

　ドラマプロデューサーはそんな堀家に対し、「ドラマ『CRISIS』で堀家さんは、“革命”をたくらむ危ない青年を演じられたからかもしれません…圭吾の無視をクラスで始めた渡辺役のイメージが、スッと堀家さんと重なりました」と明かし、「でも、初めてお会いした時からクランクアップまで、とにかく危うさゼロの真面目青年。どんな短いセリフでも一球入魂で、リハーサル前に悩み過ぎ、不安が顔に出て…そんな愛すべき不器用な堀家さんの芝居は素晴らしかったです。当初の予定より役が膨らんだ理由もそこにあります」と打ち明けた。

　ドラマ『明日の約束』の最終回は、明日12月19日（火）よる9時よりカンテレ・フジテレビ系にて放送される。