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2017/03/22 11:57
大杉漣主演映画『グッバイエレジー』で吉田栄作の少年時代に抜擢 注目の新人俳優・遠藤健慎の素顔とは
福岡県北九州市を舞台に、親友の死をきっかけに、数十年ぶりに帰郷した映画監督が、自身の人生見つめ直す姿を描いた映画『グッバイエレジー』(3月25日公開)。主人公・晄を大杉漣が演じ、今は亡き親友に吉田栄作、その妻に石野真子、小倉の映画館の館主に藤吉久美子が出演するなど、ベテラン俳優が集結するなか、吉田演じる道臣の中学時代を演じているのが新人俳優・遠藤健慎(えんどう・けんしん)16歳。10歳のときに自らの意思でこの世界に飛び込み、今作もオーディションに挑み役を勝ち取った彼の素顔とは!? 本作への想いや役作りについてのほか、役者を目指した想いを聞いた。
遠藤が芸能界に興味を持ったのは、音楽番組に出ていたTOKIOをテレビで観たことがきっかけだという。「TOKIOさんが出ているのを観て、“自分もテレビの中に入りたい”と思ったんです。そのときはまだ幼かったし、テレビの中に入るって、もっと簡単なことだと思っていて。でも、実際、入ってみたら全然違っていました」と明かす。「これまでもたくさんのオーディションを受けては落ちての繰り返しでした。落ち続けている間は、本当に”もう嫌だな”って思うんですけど、オーディションを受け続けている中でお仕事をさせていただける機会もあって。落ちれば落ちるほど、受かった1つの仕事がすごく価値あるものなんだなと思ってきて、落ちても落ちても、ガムシャラに続けてきました」と役者に対しての熱い想いを語る。
2009年に活動を開始してから、CMやドラマ、映画など様々な作品に出演。2014年には、映画『ホットロード』で登坂広臣が演じた春山洋志の弟・強役で出演。2016年には第1回ジュブナイル脚本大賞作品の映画『がらくた』で主演を果たした。
そして、今作『グッバイエレジー』では、オーディションを経て、中学時代の道臣役に抜擢。主人公・晄と道臣の中学時代は昭和38年頃の北九州小倉が舞台ということで「祖父や祖母にその頃の時代がどうだったのか、どんな環境で生活していたのかなどを聞いたり、この映画の舞台でもある福岡の歴史とかも調べたりしてオーディションに臨みました」とオーディション時を振り返る。また「普段からあまり緊張しないタイプ」という遠藤は、「オーディションもあまり緊張しなかったです。やりたいことがやれたなっていう感じはありました」と語り、「出演が決まったと聞いた瞬間、“ヨッシャー!!”って思いましたし、役柄上、坊主にすることも決まっていたんですが、それも含めて“やってやる!”っていう気持ちでした」と力強い眼差しで語る。
演じた道臣に関しては「オーディションで渡された台本2枚を読んだときには、乱暴で豪快な性格というイメージでしたが、出来上がった台本を全部読んでみたら、豪快だけど優しいところ一面もある。人間として素晴らしいところが見えて、さらに道臣についてもっと知りたいと思いました」とコメント。
劇中では喧嘩のシーンにも初挑戦。手足の長さを活かし、キレのある豪快なアクションを披露している。「初めてのアクションだったので、最初はぜんぜんわからなくて。やってみてもうまくいかなくて難しかったんですが、何日も練習をさせてもらってなんとか完成することができました」と語り、さらに「一番観てほしいのはアクションのシーン。一番頑張ったところなので、ぜひ見ていただきたいです」とアピール。
そして「アクションをやってみて、もっとアクションやりたいなと思いました。実は、僕は『仮面ライダー』が憧れだったので、今作でアクションに挑戦できたことは本当に嬉しかったですし、とても貴重な体験でした」と目を輝かせた。
さらに劇中では、道臣が訳も分からず鉄砲玉としてヤクザを刺してしまうという迫真の演技を見せている。「人を殺したことなんてもちろんないですし、喧嘩の経験もそんなになかったので、正直そのシーンの芝居を上手く作ることができなかったんです」と撮影での苦悩を明かし、「リハーサルのときに監督から『ちょっとリアルじゃないね』と指摘をされて。そのとき、監督から『一回全力で僕の腹殴れ』って言われたんです。それで『失礼します』って言って、パンチさせていただいた瞬間にスイッチが入って、一気にそのテンションのまま撮影に入れたということがありました」と振り返る。
また、撮影で印象に残っていることについて、川で泳ぐシーンを挙げ「僕はあまり泳ぐのは得意じゃなくて。まず泳ぎを克服しないと、泳ぐ形も汚くなってしまうということで、何度も練習して挑みました」と撮影を通して泳ぎを克服したという。さらに「劇中に亀を捕まえるシーンがあって。実は、泳ぐこと以上に亀が苦手なんです。なので、撮影前に亀と触れ合う時間を作っていただいたのが一番の思い出です。初めて触ったのですが……克服はできませんでした(苦笑)」と意外な一面をのぞかせた。
この春に高校2年生になる遠藤。自身の中学時代に関して聞くと「中2の終わりくらいからラップにハマり始めて、それからずっとやっています。地元の友達と集まって即興ラップをやることが、いま仕事以外での一番の癒しです。授業中とかも、先生が言った言葉で頭の中で韻を踏んだり、そんなことをずっと考えています(笑)」と無邪気な笑顔を見せる。
お芝居の楽しさについては「今回の『グッバイエレジー』もそうですが、普段自分にはないようなキャラクターを、その作品の中では自分がやれるというような特別感みたいなものがあって、それが楽しい」と笑顔を見せる。そして、憧れの『仮面ライダー』出演に関して「小さい頃から好きで、『仮面ライダーキバ』や『仮面ライダーディケイド』、『仮面ライダーW』とかを観ていました。これまで何回かオーディションに行ったんですが、ことごとくダメで……。コテンパンにされて悔しかったので、今後も挑戦していきたいです!」と決意を新たにした。
【プロフィール】
遠藤健慎(えんどう・けんしん)●2000年11月24日生まれ、静岡県出身。ヒラタオフィス所属。10歳の頃から活動を開始し、ドラマやCM、映画等に出演。主な出演作に、映画『ホットロード』、第1回ジュブナイル脚本大賞『がらくた』主演など。3月25日公開の映画『グッバイエレジー』では、吉田栄作が演じる道臣の中学時代を演じている。