アップアップガールズ（仮）と、妹分のアップアップガールズ（2）、アップアップガールズ（プロレス）の3組総勢16人が7日、東京・恵比寿LIQUIDROOMにて初のイベント『アップアップガールズ（フェス）』を開催した。3グループ合体や曲交換、シャッフルユニットなども含め、計33曲・約3時間30分に及ぶ“お祭り”にファンは酔いしれた。

　開場後、DJブースに佐保明梨がDJ KURO-OBIとして登場し、アガるアイドルソングでファンをお出迎え。さらにオープニングアクトとして、（2）に加入した新メンバーの2人、中川千尋、佐々木ほのかは空手経験者（中川は極真空手、佐々木は全空連初段）ということもあり、佐保と3人で空手の組手を披露。静寂のなかに「ヤーッ」っと気合の声が響き渡った。

　3人が凛とした姿勢のまま袖にはけると、16人分の名前を盛り込んだ「overture(フェス)」が大音量で鳴り響く。全16人がステージに上がり、（仮）のキラーチューン「アッパーカット！」と、（プロレス）が受け継ぎカスタマイズした「アッパーキック！」をミックスした「アッパーカットキック！」を全員で披露。ただでさえ運動量の多い楽曲だが、ラストに向かってBPMがどんどん上がっていき、ビリーズブートキャンプさながらの激しさに。この一曲でもうウォーミングアップはバッチリだ。

　続いてアップアップガールズ（プロレス）のミウ、ヒカリ、ヒナノ、ラクによるエキジビションマッチになだれ込む。マットの無いステージ上で、ドロップキックを決めるヒカリに目を丸くして驚くメンバーたち。乱闘のなかでラクが3人を寝かせ、得意技「おやすみエクスプレス」（寝ている3人のお腹の上を駆け抜ける）からの「おやすみフォール」を決めてみせる。そして「アッパーキック！」を披露し、さらに（仮）のナンバーから（プロレス）にもぴったりな「美女の野獣」をカバーした。

　「全力! Pump Up!!」には（プロレス）に加え、『TOKYO IDOL FESTIVAL 2017』のアイドル腕相撲大会に参戦してきた（仮）の森咲樹と（2）の高萩千夏（2）も参戦。（プロレス）にも負けない発達した上腕二頭筋を見せつける。一転して「バレバレ I LOVE YOU」では（仮）から森・関根梓、（2）から橋村理子・吉川茉優、（プロレス）からミウ・ラクが参加する混成軍でキュートに決めた。

　続いては（2）のコーナーへ。今年の4月21日に中川千尋、佐々木ほのかが加わった、7人の新体制初お披露目のステージ。ファーストシングル「Sun!×3」で盛り上げ、「っていう初恋のお約束」「ハッピースLOVE（ハート）」「二の足Dancing」を立て続けにパフォーマンスすると、8月7日リリースの4枚目の両A面シングルから新メンバーをフィーチャーした「エンジェル演じて20年」を初披露。その後は、「4th収録の『全部青春！』を含め、3曲連続でつんく♂が楽曲プロデュースを手掛ける」「9月からファーストツアーが始まる」という嬉しいサプライズ発表も行われた。

　そして、7月4日に誕生日を迎えたばかりの（2）リーダー・高萩の生誕ソロコーナーへ。「大好きな先輩の曲」と（仮）を昨年9月に卒業した佐藤綾乃作詞・歌唱のソロ曲「スタートライン」を歌うと、会場は祝福のサイリウムの海に。さらに（仮）の森のソロ曲「メガモリッ! ma vie!!」を森と共演した。歌の最後をことさらにしゃくりあげる高萩の歌い方に「私のモノマネに悪意が感じられるっ！」とクレームを入れつつ、オーディションからずっと見続けている（2）メンバーとのいい関係性が築けていることが嬉しそうだ。

　そこからは（仮）・（2）・（プ）のメンバー混成による“シャッフルユニット”が次々と登場して楽しませる。（仮）新井愛瞳のソロ曲「ショートカットに片思い」では、新井と（2）の鍛治島彩というショートカットのコンビが衣装を交換してデュエットし、ショートカット好きのファンを高まらせた。その後も意外な組み合わせや、新鮮な衣装の取り合わせが連発し、まさにフェスでしか見れないスペシャルなユニットが誕生した。

　全メンバーがステージに乗ってのパーティーチューン「アッパーディスコ」の後は、古川小夏、森咲樹、佐保明梨、関根梓、新井愛瞳の5人による（仮）のステージ。専門学校HALとタイアップして行われた「アップアップガールズ（HAL）企画」の大賞曲「晴レ☆HALation」を初披露。そして（2）の楽曲「どしゃぶりのテラス席」をカバーしたのもファンを驚かせたが、（2）鍛治島が得意の“鼻リコーダー”を聴かせる間奏パートは、（仮）佐保の“バット折り”に置き換えられ、またまたファンを驚かせた。

　夏らしい楽曲「サマービーム！」を歌い終えたところで、（仮）関根は「アップアップガールズ（仮）も今年で8年目。いつまで続くか分からない状況下で突っ走ってきた人たちなんですよ。ここまで走って来れたのは、まぎれもなく皆さんのおかげです」と満場のファンに感謝。フロアに確実に新しいファンが増えていることを実感しつつ「（2）のみんなも（プロレス）ちゃんも、（仮）の知らないところで闘って来てくれて…その成果だと思います。だからこの（フェス）をもっともっと続けていきたいので、これからも16人の応援よろしくお願いします」とファンに呼びかけた。

　ファンへの感謝を込めた歌「サイリウム」でしみじみした後、16人のメンバーがステージに再び集合。（2）も（プロレス）も、（仮）が身に着けてきた懐かしい衣装を着て、（仮）姉さんへのリスペクトを表している。森は「（仮）は研修生をクビになったところからスタートして…どうなるんだろうっていうところから始まったアプガが、こんなにもたくさんの人に愛してもらってるんだということが、本当に素直に嬉しくて。続けて来てよかったぁって思ったんです。アイドル業界、卒業とかいろいろあるしね。私たちアップアップガールズは、まだまだいろんな夢を見ていきたいなって思っているので。これからも、愛をこめて感謝をこめて活動していきたい」と語り、「この総勢16名で心を込めて歌いたいと思います」と、全員で「私達」を歌って、アプガの祭は幕を閉じた。